表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/55

第46話 ナンパ撃退と兄妹問題

いつも読んでくれてありがとうございます。


今回は、城門前広場でちょっとしたトラブル発生。

ヒロシ達の仲間内の関係性も、さらに一歩踏み込んだ形で描かれます。

それでは本編どうぞ!

 軽キャンを城に置いてから、俺たちはシャワーを浴び、着替えて居酒屋へ向かうことにした。

 キャスカにクリーンをかけてもらったが、やっぱりシャワーすると気持ちいいし、綺麗になったと実感できる。


 様々な屋台が並ぶ城門前広場の噴水でレイラとプロムと合流したが、ルファスとキャスカはまだ来ていないようだ。


「俺たちの方が早かったな……まぁ、遅くなるなら魔導ブレスレットで知らせてくるだろう」


 腹が減ってきたので屋台で何か食べようと提案したが、レイラもプロムも要らないと言うので、俺だけ買い食いへ。


 この国の料理のレベルは、この世界ではトップクラスだと思う。

 数ヵ国まわったが、比べてもこの国の料理が一番うまい。


 俺は唐揚げ屋台で唐揚げ串を購入した。

 塩コショウ味のカリカリ唐揚げにレモン汁をサッとかけた絶品串。

 日本の唐揚げ串と違って長い串にたっぷり刺さっていて、お得だぜ!


 モシャモシャ食いながら噴水へ戻ると、レイラとプロムが二人組の男に声をかけられているのが見えた。


「そんな事言わないで、お姉さん達、俺たちと飲みに行こうよ」


 いかにも軽薄そうな男だ。レイラが明らかにイラついている。


「だから、待ち合わせ中だと言ってるだろう!」


 あの男たち、レイラがイラついてることに気づいてないのか?

 そのままだと痛い目見るのに、馬鹿だなぁ。


「来てないじゃない。すっぽかされたんでしょう?

 だから、俺たちが相手してやるって」


 もう一人のガタイのいい男が、プロムの方をじろじろ見ている。

 プロムは無視しているが、あまり気分のいいものじゃない。

 はっきり言うと不快だ。


 唐揚げ串を食べながら近づく。


「あー、お前らー、死にたくなかったら、その辺でやめとけー」


 棒読みで忠告してあげた。優しい俺。


 するとプロムが俺に抱きついてきた。


「ヒロシ様、怖かったです……あの、いかにも怪しい目つきの頭の悪そうな男が、すごく卑猥な視線を……」


 プロムが俺の腕にしがみつきながら、ガタイのいい男を指差す。

 ちょ、近い……。


 男は顔を真っ赤にして怒っているが、こんな純真無垢なプロムを怖がらせるなんて許せぬ!


「おう、おう! お前が待ち合わせの男か!」


 指をポキポキ鳴らしながら、ガタイのいい方が俺に向かってくる。


「そうです。わたすが色男です!」


 わざと変な返事をして、プロムの肩を軽く抱く。


「てめぇ、兄貴をバカにしてんのか!」


 チンピラがこちらに凄んできた。

 しょうがねぇな。


「うん、そのつもり! ごめん、分かりにくかった?

 頭の悪いお前らに分かるようにもっと合わせた方が良かったか?」


「この野郎!」


 二人がキレて殴りかかろうとしたが、レイラの拳が先に飛んだ。

 二人は膝から崩れ落ちた。

 忠告してやったのに……やれやれ。


 俺は倒れた二人に近づき、


「今度、俺の仲間に手を出したら、こんなもんじゃ済まさぬぞ。

 分かったら失せろ。

 ……あと、この串、ゴミ箱に捨てとけ」


 とキリッと言い放ち、唐揚げ串の棒を男のベルトに差してあげた。

 ポイ捨てしない俺。こういうところが日本人の几帳面さなのだろう。


 二人はふらふらと去っていった。


「ヒロシ、かっこいい」


 レイラが抱きついてくる。


「フフフ、怖かったのに頑張ったな……もう大丈夫だ」


 プロムもうっとりした顔で寄ってくる。


「ヒロシ様、ありがとうございます」


 周囲の人々は「何もしてないのに、あの男が全部やったみたいな顔してる……」と思っていた。


 そこへ、ようやくルファスとキャスカが到着。


「遅いぞ、ルファス」


「すいません。シャワーで思わずキャスカと盛り上がりまして」


「待ち合わせしてるのに、そんな事じゃ困りますよ!

 飯食いにいくのに、買い食いしてしまったじゃないか」


 ルファスにも困ったも……ん?


 今、変な事言ったよな?


「ルファス、お前……キャスカと一緒にシャワー浴びてんの?」


 いや、なんじゃその顔。

 俺が変なのか?


「ヒロシ、そんなの当たり前じゃない」


 レイラが呆れたように俺に。


「いやいやいや、キャスカが子供と言っても一緒に入るほどじゃ……」


「もう13歳よ? それに、ルファスとキャスカは付き合ってるんだから、別におかしくないでしょ?」


 ルファスとキャスカは照れている。


「おかしくないって、そんな」


「私たちも、一緒にシャワー浴びますものね」


 プロムが赤くなって両手で頬を押さえる。

 俺の話になるの?


「そうよね、ヒロシったら、凄く甘え——」

「レイラさん、やめてください! 後生ですから!」


 レイラが余計なことを口走りそうだったので慌てて止める。

 プライベートでデリケートな事は言わないでください。

 俺の事などどうでもいいでしょ、今はルファスとキャスカの話!


「いやいや、お前ら兄妹だろ?」


「僕はキャスカを愛してる!」

「私も、お兄様が好き!」


「は? え?」


 二人の告白にあっけにとられていると——


「……キャスカ」

「……お兄様」


 二人は見つめ合い、抱き合ってキスをした。


 レイラとプロムが、恋バナを聞いた時みたいにキャーキャー盛り上がっている。

 そうなのか? ……いや、そうなのか?


「うーーん」


 ……まぁ、二人がいいなら、俺が口出しすることでもないか。

 こっちの世界と日本とじゃ倫理観も違うんだろうしな。


 ああ、異世界ってこういうもんか。


 細かいことはどうでもいい。

 大事なのは、俺たちが仲間だってことだ。

 仲間が望むなら応援しないとな。


「結束も固まったようだし、みんな、店のほうにいくぞー!」


 みんなが笑顔で答えてくれた。

 仲良しパーティのさらなる結束と癒しのために、俺たちは笑いながら居酒屋へ向かった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

今回は、ヒロシの“活躍(?)”と、ルファス&キャスカの関係がついに明らかになりました。

ヒロシの価値観と異世界の価値観のズレが、いい感じにコメディになってくれてますね。

次回は、居酒屋での食事会。

感想・ブクマ・評価などいただけると励みになります!

次話もよろしくお願いします。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ