第45話 性能テストとオーク討伐
いつも読んでくれてありがとう。
新装備がそろったので、今回はその性能テスト回です。
せっかくなので、ついでに依頼も受けて軽く稼ぎに行きます。
白い制服で出撃するという、完全に主人公の趣味全開の回ですが、
ゆるく読んでもらえたら嬉しいです。
◆◆ 出発 ◆◆
翌朝。
俺たちは真っ白な制服に身を包み、武器の性能チェックへ向かった。
軽キャンピングカーが置かれている格納庫へ移動すると、プロムが初めて乗る軽キャンにキャッキャとはしゃいでいる。
……可愛い。癒やしだ。
運転席に俺、助手席にレイラ。
後部にはプロム、ルファス、キャスカが座る。
「よし、出発するぞ」
エンジンをかけると、軽キャンが静かに走り出した。
ブロロロロ──
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城門の守衛の前に到着する。
「ノガミ様、本日はどちらへ?」
「外で装備品のチェックだ。ついでに軽く稼いでくる」
世間話をしつつ、開門を待つ。
門が開くと守衛に礼を言い、城を後にした。
どうせなら依頼も受けてしまおうと、冒険者ギルドへ寄り道。
装備チェックにちょうど良さそうな依頼──オーク討伐を受けた。
「ルファス、討伐対象のオークは東の街道付近で確認されたんだな?」
「はい。ノガーミ商会の馬車が襲われそうです」
「了解。飛ばすぞ、捕まってろ」
アクセルを踏み込む。
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東の街道を抜け、森へ入る。
オークの姿はまだ見えない。
さらに奥へ進み、高台の開けた場所で軽キャンを停めた。
俺とレイラが降り、レイラは長弓から望遠レンズを外して片手で覗き込む。
そんなので見つかるのか……と思ったが、まあ、楽しそうだから黙っておこう。
「ヒロシ、いた」
レイラが左前方を指差す。
本当に見つけやがった。さすが俺の嫁さん。
「一匹、二匹……見える範囲で七匹」
望遠レンズを借りて覗くと、オークキングらしきデカいのが一匹混じっていた。
「レイラ、ここから当てられるか?」
「直線距離で1kmはあるわね……高台だし、やってみる」
レイラは望遠レンズを頭に装着し、長距離狙撃用の長弓を構える。
ヒュッ!
矢が放たれ──
ヒュルルルルーー!!
風の魔力で加速しながら飛翔。
ミスリルの矢じりがオークキングの頭を貫き、その巨体が崩れ落ちた。
突然のキングの死に、周囲のオークたちが騒ぎ出す。
どこから攻撃されたか分かっていないようだ。
「す、凄い……」
レイラが呟く。
その表情だけで結果は十分伝わる。
「よし、次行ってみよう!」
軽キャンを走らせ、オークの近くに駐車。
徒歩で接近する。
オークたちは倒れたキングの周りに集まっていた。
「ルファス、行くか?」
頷いたルファスは魔導ブレスレットを操作し、魔導式自動転送装備装置を起動。
光に包まれ、フルプレート姿へ変身。
ロングソードに魔力を込めると、刀身に炎が宿る。
「いきます!」
ルファスがオークへ突撃し、斬りつけた瞬間──
「ピギャアアアアアア」
オークは炎に包まれ、黒こげになった。
「ルファス、どうだ?」
危険なので俺は近づかず魔導ブレスレットで聞いてみる。
「鎧は見た目より軽くて動きやすいです。剣は……炎を纏わせると扱いが難しいですね。慣れが必要です」
「そうか、何か調整とか必要なら開発部にちゃんと言うんだぞ」
「今のところは――」
「ルファス、後ろ!」
感想を聞いている最中なのに別のオークがルファスに襲いかかりやがった!
ドッ、ドッ、ドッ!
六本の細身のナイフがオークの体に突き刺さった。
「まったく! ヒロシ様がお話の途中なのに!」
プロムが投げナイフを放ちながら怒る。
全弾命中。
お見事! 流石、俺の嫁さんだぜ!
「そうね、プロム。失礼な豚だわ」
レイラが近接用の弓を構え、矢を次々と速射。
ナイフが刺さったオークに矢が追撃で突き刺さる。
「流石ね、レイラさま」
プロムが微笑む。
レイラも笑い返し、魔導ブレスレットを操作して装備を纏い、オークへ突撃。
ズバァアアア!
弓端のブレードがオークを切り裂く。
残った数匹のオークが逃げ出す。
逃がすか!
「キャスカ!」
俺が叫ぶと──
「うるさい、わかってるわよ!」
キャスカが上空から返事。
……飛んでる。
なんで飛んでる?
「キャスカ―、お前、飛べるのかー?」
「……」
無視!
こっちも見やがらねぇ。
まあ、魔法少女ローブかロッドの機能なんだろう。深く考えるのはやめよう。
キャスカがロッドを高く掲げる。
「突き刺され、アイスアロー!」
周囲に尖った氷の塊が次々と出現し、
ロッドを向けた先へ高速で射出される。
ドッ! ドスッ! ドッ! ドッ!
逃げるオークたちが次々と貫かれ、倒れていった。
これで全滅。
「装備品の性能は、実戦でも十分すぎるほどだな」
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「みんな、お疲れ」
俺が笑顔で右手を上げると──
「あんた、何もしてないじゃない」
キャスカが生意気なことを言う。
本当にどうしようもない奴だ。
「俺は指揮官であり頭脳労働者なんだよ。気にするな」
「頭脳労働とは思えないですわ」
キャスカが何か言ったが無視して続ける。
「働いて汚れたし、いつもの頼むぞ、キャスカ」
俺の言葉に、みんなが「私も!」「私も!」とキャスカの前に集まる。
「はいはい、いくよ! 洗浄クリーン!」
キャスカがロッドを向けると、返り血や泥が一瞬で消えた。
生活魔法、恐るべし。
白い制服を着る俺たちには必須の魔法だ。
だったら白じゃない制服にしたらいい?
ダメ、ダメ。
そんなの分かってない。
白が一番カッコいいに決まってるからな!
「よし、帰って居酒屋で反省会だ!」
笑顔のみんなを軽キャンに乗せ、帰路につく。
……そろそろゼノス王国を出て旅に出るか。
運転しながら、そんなことをふと思った。
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装備品の性能テストを終えた俺たちはゼノス王国へと戻った。
着替えて、居酒屋へ向かわないと!
今日の疲れを癒やしつつ、反省会だ。
読んでいただきありがとうございます!
今回は、新装備の性能テストとオーク討伐でした。
キャラごとにちゃんと見せ場を作れて、作者的にも満足してます。
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