第35話 ゴブリン軍、誕生す(後編)
いつも読んでくださりありがとうございます!
今回は 「ゴブリン軍、誕生す(後編)」。
ゴブリン編のクライマックスです。
中編で奮闘したゴブリン達ですが、
最後に出てきた“最上位個体”オークキング。
結果は?!
◆◆ オークキング出現 ◆◆
「押してるな! このまま勝っちゃう?」
「ノガミさん……あれを見てください!」
ルファスが指差した先――
森の奥から、地鳴りのような咆哮が響いた。
「グオオオオオオオッ!!」
木々を押しのけて現れたのは、筋肉の塊のような巨体。
丸太のような棍棒を片手で持ち、血走った目でこちらを睨んでいる。
その一歩ごとに地面が震え、
周囲のゴブリン達が恐怖で後ずさる。
「……あれ、オークキングて奴じゃね?」
「間違いありません。最上位個体です!」
オークキングが棍棒を振り回すたび、
ゴブリン達が吹き飛ぶ。
まるで紙切れのように。
ドゴォォォン!!
「ギャアアアア!!」
棍棒が地面に叩きつけられ、
土煙が爆発のように舞い上がる。
「一斉にかかれ! そう、それだ! いけーー!」
「ギャアアア!」
複数で挑んでも結果は変わらない。
ゴブリン達は次々と弾き飛ばされ、戦線が崩れ始めた。
「おいおいおい! 強すぎだろ!」
「ゴブリン達が押し返されています!」
このままでは全滅だ。
ゴブリン達の叫び、オークの咆哮、
戦場は混沌そのものだった。
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◆◆ ゴブリン達の必死の抵抗 ◆◆
「ギィィィッ!!」
小柄なゴブリンが、震える足で立ち上がり、
オークキングに向かって突撃する。
だが――
バキィィィ!!
棍棒の一撃で、ゴブリンが空中を回転しながら吹き飛ぶ。
「ギャアアアア!!」
仲間が倒れても、別のゴブリンが飛びかかる。
「ノガミ様ァァァァ!!」
「誇りィィィィ!!」
その姿は、弱いながらも必死で、
胸が締め付けられるほどだった。
「お前ら……!」
だが、オークキングは止まらない。
「グルルルルル……!」
棍棒を振り上げ、
ゴブリン達をまとめて薙ぎ払う。
ドガァァァァン!!
「ギャアアアア!!」
十数匹が一度に吹き飛んだ。
「くそっ……! このままじゃ……!」
俺は歯を食いしばる。
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◆◆ ルファス、出る ◆◆
「ルファス、殺れる?」
「問題ありません。ノガミさん、任せてください」
ルファスは軽く息を吸い、剣を構えた。
その姿は、さっきまでの穏やかな雰囲気とは違い――
“戦士”そのものだった。
「グオオオッ!!」
オークキングが突進してくる。
地面が揺れ、木々がしなる。
「速っ!? ちょ、ルファス気をつけ――」
言い終わる前に、ルファスが動いた。
風が裂ける音。
剣が閃光のように走る。
オークキングの棍棒が振り下ろされる――
その瞬間、ルファスの姿がふっと消えた。
「……え?」
次の瞬間、オークキングの背後にルファスが立っていた。
「終わりだ」
剣を振りぬく。
遅れて、オークキングの首が落ちた。
ドシャァァァンッ!!
巨体が地響きを立てて倒れる。
「……は、早すぎだろ……」
あまりの早業に、メガホンを落としそうになった。
怖ぇぇぇぇぇ……
どんだけ、すさんだ生活してたら、ああなるの?
何なの?
強すぎなんですけど?!
一瞬消えた?
消えたよね!
で、オークキングの首ちょんぱ。
何だよ、意味わかんねぇ。
いや、助かるんですけどね。
最悪、軽キャンで轢けばいいとか軽く考えてここに来たけどさ。
「終わりました」
爽やかにルファスが言った。
「ああ、よくやった。
なかなか良かったぞ」
キリッとして、俺も爽やかに答えた。
ちびりそうだったが、悟られまい。
戦場は一瞬静まり返り、
次の瞬間、ゴブリン達が歓声を上げた。
「ゴーブーリン!!」
「ゴーブーリン!!」
勝負あり。
完全勝利だ。
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◆◆ 勝利の訓示 ◆◆
「皆、良く戦った! 見事であった!」
整列したゴブリン達を前に、俺は言う。
「この勝利は、お前たちの力で勝ち取った勝利だ!
お前達の子、孫、その先の子孫にまで語り継がれる戦いだ!
誇りをもて、ゴブリン達!」
「ゴーブーリン!!」
「そして誇り高きゴブリン達に、守るべき三つを授ける!
一、人間を襲うな
二、人間を殺すな
三、ゴブリン同士仲良くしろ
守れない者は、お前たち自身で処罰しろ! いいな!」
「ゴーブーリン!!」
「ゴーブーリン!!」
涙を流しているゴブリンもいた。
仲間の死を乗り越え、勝ち取った勝利。
その誇りが、彼らの胸を熱くしているのだろう。
ゴブリン達が興奮して右手を突き上げ連呼している。
この成功体験で、彼等も自信が持てるようになっただろう。
「はい、それじゃぁ解散! お疲れさまでした」
「ノガミさん、魔石を回収しました。行きましょう」
ルファスがゴブリン達に回収させていた魔石を手渡してくる。
ゴブリン討伐分と、正式依頼ではないがオーク討伐分も揃った。
「よし、レイラ達のところへ急ぐぞ!」
ここまで読んでいただきありがとうございます!
ゴブリン編、ついに完結しました。
オークキングの圧倒的な強さに押されながらも、
ゴブリン達が必死に戦い、
最後はルファスが一瞬で決着をつけるという、
まさに“総大将ヒロシ軍”らしい勝利でした。
次回、レイラ&キャスカ側の護衛任務と合流ですが、
お楽しみに。
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次回もよろしくお願いします。




