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第29話 若返ったらレイラに殴られた

今回は、

ヒロシの“体リペア”の副作用がついに発動します。

・膝の痛みが消える

・体が軽い

・そしてまさかの若返り

さらに、

レイラとの再会 → 誤解パンチ → 夫婦の甘さ

という、感情のジェットコースター回です。

そして最後には、

ルファス達との合流と、仲間としての第一歩 も描かれます。

それでは本編どうぞ!

ホテル・モスノフが見えてきた。


(よかった……うろ覚えでも着いた……)


「ルファス、降りるぞ。

 お前らも今日はここで泊まって、明日この国を出るからな」


軽キャンを降りると、膝が痛くない。

体が妙に軽い。


(ああ、さっき選択した“体リペア”ってやつのおかげか。

 乗り降りの膝の痛みから解放されたぜ……ラッキー)


嬉しくてルンルン気分の俺は、軽キャンのキャビンのドアを開けた。


「ルファス、キャスカ起こせ〜」


「キャスカ、着いたぞ」


ルファスが優しく揺らしている。

キャスカは気持ちよさそうに眠っていた。


「ああ、ルファス、ゆっくりで良いから。俺、一服してっから」


俺はタバコに火をつけた。


「すいません、ノガ……ミさん?」


振り返ると、ルファスが固まっている。


「なんだよ?」


「お前は誰だ! ノガミさんをどうした!」


「は?」


何をキレているんだ?

若者の思考は理解しがたい。


「大丈夫か? 意味不明なんだが?」


「ノガミさん……なのか?」


「当たり前だろ?!

 なに言ってんだ、お前?」


「いや……姿が……違う」


ルファスが震える指で俺を指した。


姿?


俺はサイドミラーを覗く。


「ん……んん〜? ん!」


二十歳くらいの俺が映っていた。


「わ、若返ってる!!」


ルファスが固まっている。

いや、そりゃそうだ。

こんな嘘みたいな話、驚くに決まってる。


「あっ!」


俺の声に、ルファスがビクッとなった。


「ルファス、キャスカと待ってろ!」


俺はホテルへ全力疾走した。


「若返った!!」


エントランスを抜け、階段を駆け上がる。


「レイラ!!」


(早く会いたい!)


あっという間に部屋の前に着いた。


「レイラぁ!!」


バーンとドアを開ける。


「ヒロシ〜、寂しかったぁ〜」


奥からレイラの足音と声がした。


「マイハニー、帰ってきたよ!」


「って、誰だお前!」


抱きつこうとした俺に、レイラの右ストレートが綺麗に入った。


ドゴッ!


そのまま吹き飛び、後ろの壁に跳ね返って倒れたが、

フラフラと生まれたてのバンビのように必死に立った。


「俺だよ! ヒロシだよ!」


「はぁ?」


完全に疑いの目。

誤解とはいえ、次の打撃を受けて耐えられる自信はない。


ちゃんと説明しなければ!


「軽キャンのおかげさ!」


「軽キャンのおかげなのね!」


レイラは即納得した。


(マジか……)


「レイラ!」


「ヒロシ!」


俺たちは抱き合い、再会の喜びを確かめた。


「よし、レイラ。二人でこの若くなった体の性能チェックだ!」


「そうね!」


レイラの手を取り、いざ寝室へ――


(……あ、ルファス達の事、忘れてた)


「っと、その前に!

 レイラ、軽キャンのところに行くぞ!」


「は? え? どうしたの?」


「向かいながら話すけど、実は……」


俺は軽キャンへ戻る途中、

ルファス達の境遇(※完全に俺の妄想)と、

一緒に旅の仲間にするつもりであることをレイラに伝えた。


◆◆ ルファス達と合流 ◆◆


「待たせたな!」


ルファス達と合流した俺とレイラ。

フロントで宿泊人数の変更と、食事を部屋に運んでもらうよう頼んだのだが――


ルファスとキャスカは、少し離れたところでコソコソしていた。

何を恥ずかしがっているのか、俺達の後ろで小動物みたいに固まっている。


(まあ……あの家庭環境だったんだろうし、ビクビクするのも無理はないか。

 可哀相に)


部屋に戻り、食事も済ませ、四人でソファーに腰掛けてひと息ついた。


「ルファス、疲れただろ。あっちの部屋で、もう休んではどうかね?」


俺はできるだけ優しい声で言った。

……が、本音は早くレイラと若い体でキャッキャウフフしたい。


だが、ルファスの野郎が爽やかに、


「いえ、まだ大丈夫ですよ。ヒロシさんに頂いた薬で、なんか冴えてるんですよ! ハハハ」


と言った。


ハハハじゃねぇ!


「そ、そうなんだ……」


力なく返す俺。


レイラとルファスが他愛もない話をしている間、

俺の頭はアノ事でパンパンだった。


したいんだよ。


「……ん?」


ふと見ると、ルファスとキャスカがずっと手をつないだままだ。


ホント、仲が良いな、この兄妹。


(夜も更けてきましたし、寝ましょうよ!)


俺は二人を笑顔で見ながら心の中で叫んだ。


「お兄様」


頬を染めたキャスカがルファスに抱きついた。


「ん? キャスカ、眠いのかい?

 ……そうだね、もう夜も遅いね。休ませていただこうか?」


ルファスはキャスカの髪を撫でて言った。


ナイス! キャスカ!


俺は小さくガッツポーズをした。


「ルファス! そっちの部屋を使ってくれ!

 俺達はあっちの部屋で寝るから!」


俺が言うと、ルファスとキャスカは

「おやすみなさい」と言って抱き合いながら部屋に入っていった。


邪魔者が消えた!


……そんじゃ、俺達も行こうか?


レイラを見ると、顔が赤くなって、完全に“ベッドモード”の顔になっていた。


可愛いぃ!


「レ、レイラ……寝ようか?」


レイラが恥ずかしそうに頷いた。


なんか色々あった一日だった。

仲間も増えたし。

でも、なんだかんだ言ったところで――


こんな可愛いレイラを見れた今日という日は、

最高の一日だったと思えるよ。

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

今回、

・レイラの反応

・兄妹との初めての夜

・ヒロシの焦り

・夫婦の甘さ

が全部詰まった、にぎやかな回になりました。

次回は――

ルファス達とレイラの本格的な交流、

そしてこの国を出る準備が始まります。

旅のメンバーが増えたことで、

物語はさらに広がっていきます。

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