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第16話 レイラ、心を開く

いつも読んでいただいて、ありがとうございます。

オークキング戦のあと、レイラの様子がどこか変わっている……そんな続きになります。

今回は、レイラの心が大きく動く回。

ヒロシとの距離が一気に縮まる、少し甘めのエピソードです。

軽キャンの水道を伸ばし、車外にシャワーをセッティングする。


「カローラ、先に浴びて!」


「俺はさっき浴びたからいいわ」


ゼノスが答える。


いや、お前には言ってない。


レイラはカローラの次にシャワーを浴びるのがルールになっていた。


「レイラー! もう上がるから!」


カローラの声が聞こえる。


レイラがシャワーの準備をして移動する。


……元気がない。

本当に心配だ。


だから俺は――

覗きに行った。


いや、心配だからだよ?

心配だから。


「エヘヘヘ……」


軽キャンの陰から覗く紳士、俺。


ザーー! ザーー!


「なっ!」


服を着たままのレイラが目の前にいた。


罠だった。


「ごめん! 俺は何一つ悪くない!」


殴られる覚悟で目を閉じた。


……来ない。


恐る恐る目を開けると――

レイラが顔を赤くして横を向いていた。


「……こそこそ覗かれたくない」


その一言に、俺は少し罪悪感を覚えた。


(……覗かれたくない。

でも……“ヒロシだから”って思った自分がいた。

なんで……?)

レイラは胸の奥が熱くなるのを感じ、そっと視線を落とした。


「……ごめん」


立ち去ろうとした時――


レイラが俺の手を握った。


「えっ?」


レイラは赤くなって下を向いている。


「……二人きりの時なら……良いよ」


ボッ!


俺の顔が真っ赤になった。


(言っちゃった……!

な、何を言ってるんだ私は……!

でも……嫌じゃない……)

レイラは自分の言葉に驚きながらも、手を離せなかった。


「い、今は見ないから! ゆっくり浴びて!」


俺は叫んで逃げた。


心臓がバクバクしている。


何が起こった?



焚き火を囲み、コーヒーを飲む。


俺の横にレイラが寄り添っている。


……緊張する。


ゼノス夫妻がニヤニヤしている。

くそっ、楽しんでやがる。


レイラは俺の袖をそっと掴んだ。


(離れたくない……

この人の隣にいると、胸があったかくなる……

なんで……?)

レイラは自分の鼓動が早いことに気づき、そっと胸に手を当てた。


「町で金を稼ぐぞ!

そして拠点を作る!

安寧の場所は、俺たちが手に入れるんだ!」


俺は勢いよく宣言した。


「私は、ヒロシに着いていく!」


レイラが俺の手を握る。


(この人と一緒にいたい。

理由なんて分からないけど……

離れたくない)

レイラは強く手を握り返した。


「もちろん、俺たち一家も一緒だ!」


ゼノスも力強く言った。


「やったるぞーー!」


俺は右手を上げて叫んだ。


左手はレイラの手をしっかり握っている。


この手は離したくない。



夜。


軽キャンを少し離れた場所へ移動させる。


「ヒロシ、お月さま……」


レイラが窓の外を指差す。


月明かりが車内を照らす。


レイラの指に俺の指を絡ませる。


胸が温かくなる。


レイラを見ると、月明かりに照らされてとても綺麗だ。


じっと見ていると、レイラが気づいて微笑む。


(こんなふうに見つめられたら……

もう、誤魔化せない……

私……この人のこと……)

レイラは胸の奥が熱くなるのを感じ、そっと目を閉じた。


俺は気づいた。


初めて会った時から――

俺はレイラが好きだった。


これまでも、これからも、ずっと。


そして――


俺とレイラは、月に照らされた車内でキスをした。


今日は、本当にいい夜だ。

読んでいただきありがとうございます。

ついにレイラがヒロシに心を開きました。

これまでツンツンしていた彼女が、ようやく素直になり始めた瞬間です。

次回は国境の街へ到着し、いよいよ“拠点作り編”に突入します。

新しい出会いと、ヒロシの新たな暴走(?)もあるのでお楽しみに。

面白かったらブクマや評価で応援してもらえると励みになります。

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