第9話 軽キャン補修機能と、悪役化するおっさん
いつも読んでくださりありがとうございます!
今回は「軽キャンのとんでも機能が発覚する回」です。
ヒロシのテンションが危険です。
村長宅に泊めてもらえることになった俺は、
案内された部屋に腰を下ろした。
ふかふかのベッド。
屋根のある部屋。
雨風の心配ゼロ。
(文明って……最高だな……)
しかし、ふと現実に戻る。
「ガソリンも、食料も、残りがやばくなってきたな……」
軽キャンの燃料、消耗品、食料はほとんど使い切っていた。
(軽キャンが動かなくなったら……俺、どうなる?
ゼノス達は俺を受け入れてくれる?
いや、絶対見捨てるよな……
むしろ、あいつらの方が文明レベル高いまであるし……)
不安が胸に込み上げる。
(……寝よ)
現実逃避しながら、俺は布団に潜り込んだ。
翌朝。
村長宅の前で、俺はボケ〜っと座っていた。
(昨日の不安がまだ残ってる……
俺、異世界で“徒歩の民”になる未来が見える……)
そんな俺の目の前で、マルスが村の子供達とバドミントンをしていた。
「子供は順応性があるな……」
もう仲良く遊んでいる。
軽キャンに積んでいたバドミントンセットが役に立った。
獣人の身体能力は高く、マルスにすら俺は勝てない。
勝てないので面白くない。
面白くないので道具をあげた。
マルスが喜んでくれたのは嬉しかった。
(甥っ子のタケシもゲームソフトあげたら喜んでたな……
俺も年をとったな……)
「……しかし、スゲーな」
マルスと村の子供が高速スマッシュを打ち合っている。
(あれはもうバドミントンじゃない。
迎撃ミサイルの訓練だ。)
「さて、ヒロシチェックと洒落込みますか!」
俺は軽キャンの周りをぐるりと確認する。
外装は汚れだけで傷なし。
(女神の加護、マジで優秀)
しかし問題は燃料と物資。
(どうする……?
このままじゃ、俺は異世界で“徒歩の民”になる……)
「とりあえず、機能とかチェックするか……」
運転席でナビを起動。
「ん?」
ナビにカンコロ村が登録されていた。
「マッピング機能か!」
さらに調べると「補修」という項目があった。
タッチ。
「魔力を消費して補修します。項目を選んでください」
画面に補修項目と消費魔力が表示される。
ノガミ ヒロシ
魔力残 5000/5000
外装補修 100
内部機関補修 200
燃料補給 50
物資補給
食料関係 30
道具関係 20
「うっほ」
俺は即、燃料と食料を補給!
魔力を初めて使ったが、50程度では体に異変なし。
「おっしゃ!」
燃料メーター満タン!
給水タンクも満タン、空間収納も補充済み。
問題があっさり解決!
(……これ、無敵じゃね?)
「ふは、はっはっははははーー!」
俺は笑った。
悪役の笑い方だと自覚はある。だが止まらん。
「この能力を使えば……金、手に入んじゃね?」
笑いが止まらない。
「ウヒャ~ひゃっひゃっひゃっ、ウヒョヒョヒョヒョーー!」
地面を転げ回る俺。
少し離れた場所でこちらを見ていたゼノスは、
深いため息をついた。
「また、ヒロシの奴……」
その表情は、
“ああ、また始まったか……”
という、完全に保護者の顔だった。
(……なんだよその目は)
読んでいただきありがとうございます!
軽キャンの補修機能は便利ですが、
ヒロシが使うと毎回ろくなことになりません。
次回はついに“魔力ゼロ事件”が発生します。
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