第6話 時期
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怒っている?
名前の思い出せない不良もどきと佐山。それに俺を加えて男3人昼食をとっていたのだが、藍華に呼び出された。
彼女が晒すのは、ピンと背筋の伸びた後ろ姿だけ。スタスタと進む彼女を大人しく追いかけると、人の音が遠ざかる。
彼女はあまり怒ることがない。呆れられることは多々あるけれど、そうそう人に当たらない。
だから、俺は彼女が怒っているのかわからない。この仮定が正しいとして、理由、心当たりさえも。
尋ねればいいのに喉がひくついて、いうことを聞かない。なんとなく心臓が落ち着かない。
彼女の足音が止まり、目的地に着いたであろうことを遅れて理解した。
くるりとこちらへ振り向く藍華。
「委員長」
「はい」
「今朝、ロッカーからたくさんの手紙が出てたよね」
「え、うん。藍華も居たよね?」
「うん。ほんと信じられない」
「……な、にが?」
「〜っ、これ!」
ぐりゃりと取り出してきたのは手紙。丸文字の俺への宛名。ハートのシールが貼られている。
「これは」
明らかな、ラブレターだ。
「だいちゃんは、CDに気を取られてて気づかなかったのかな?」
「下駄箱に、勇気を出して入れたんだろうね。ひなのよりだって。可愛い文字だね」
「私が気づかなかったら、この子はこのままずっと呼び出した場所で待ってたのかな?」
受け取って中を開く。放課後、自転車置き場裏で待ってます。と書いてある。
「いつもそう。自分の興味があることだけに目を向けて、あんたを見てる私たちには全然」
「そんなのっ……!」
あ、やらかした。
「ごめん。ほんと、そんなつもりなくて。ごめん。えっと、あ、あの」
咄嗟に抱きしめたのは、その先の言葉を言わせないため。かける言葉が頭の中になくてつまる。
当たり前だ。多分俺は心の底から、ラブレターの送り主に心苦しく思っていない。
こう言うところがダメなんだろうなあ。とりあえず、
「言わせそうになって、ごめん。結果的に答えを急かすみたいになっちゃったけど、あいが大丈夫になるまで、俺はずっとそばにいるから」
小さな頭から、鼻を啜る音がした。今の体勢だと顔が見えない。泣いているのかな。
「その後は……?」
「あい次第」
「ばか」
体を離される。俯いていて、まだ表情を伺うことはできない。
「ごめん。なんか寝不足かも、あたっちゃった」
「そっか」
「で、この手紙の送り主に心当たりは?」
「無い」
「クズ」
だってほんとにないんだもん。
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