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第2章:聖なる炎の光と名もなき客

彼は、言葉では表現しがたいほど歪んだ世界を、一歩一歩進んでいた。空は依然として病的な灰色を保ち、消え去らない恐怖がそこにあった。それはただ、鉄のような決意の下に抑え込まれているだけだった。彼は、背筋を凍らせる感覚と、魂の中に新たに芽生えた力にすがっていた。<魂滅>を使用した時から、ヤマトは自分の中に超自然的な力との微かなつながりを感じていた。今もレベル1で経験値バーが1本だけという状態で、疲れ果てたサラリーマンのようなものだったが、今は違う。彼の体内に、静かな武器が存在していた。


彼が半日ほど歩き、重い疲労に心が沈む頃、突然地面が揺れ始めた。咆哮は怪物のものでなく、古い怒りの音だった。抑えきれない激怒が、徐々に解放されていく音。


彼の前に、紫色の亀裂が空間を裂き、空に現れた。巨大な生物が這い出し、手で門をつかんで飛び出し、地面に着地した。それは他でもない、オロチだった。人型に歪んだ妖怪の実体。彼女の肌は炭のように黒く、髪は蛇のように乱れ、赤く血走った目は破壊の狂気を放ち、鱗からは圧力のような気が発散され、他者を恐怖に陥れる幻覚を肩にのしかからせる。彼女はシンプルな剣を持っていたが、その動きは絹のように滑らかで、周囲の空気を幻覚のように粉砕する。


「久しぶりだな、ここに人間を見たのは。あの女神が私を偽のループに封印してから、今は何の時代だっけ」オロチは唸るように言った。彼女の声は石が砕けるような音だった。「なるほど、新しく召喚された奴か。深淵のための美味い餌だな、ははは!」(大笑い)


ヤマトは冷や汗を流した。恐怖が四肢を麻痺させ、体が少しも動かない。精神が凍りついた。彼は伝説のオロチがどれほど強力かを知っていた。


「間に合わない、間に合わない、何かやらなきゃ! 止まったら、この冷気が私を永遠に凍らせて、ゲームオーバーだ。」


彼は歯を食いしばり、唯一の能力に全意志を集中した。


個人ステータス 精神:均衡 <生存意志と共に>


能力スキル:(ユニーク)<魂滅> 効果:目に見えない衝撃波を標的の魂構造に直接発射。効果:魂にダメージを与え、回復時間を遅らせるが、高レベルの実体には弱い。


ヤマトは力を集中し、手をオロチに向かって振り、能力を解放した。淡い青黒い波がオロチに触れた。


彼女は一瞬、止まった。


「おお? 魂構造に直接打撃か。驚いたな、虫けらめ。人類が私の核心に打撃を与える日が来るとは思わなかったよ。」彼女は嘲るように笑い、手を振って侮蔑した。


能力<魂滅>:


効果はあるが、このレベルの実体を破壊するには不十分だった。明らかに、彼の力は徐々に蓄積する必要があり、今は弱すぎる。


オロチは顔をしかめた。彼女は驚異的な速度で突進し、影がぼやけ、後ろの地面に大きな亀裂が現れた。魔剣が空気を切り裂く。


「死ね!」


ドン!


その瞬間、オロチの爪がヤマトに触れる直前、光ではない光、純粋な存在が爆発した。


名もなき客が現れた。白いフード付きのマントをまとい、黒い長髪、体は冷たく浄化の性質を持つ光に包まれている。その顔は金色の霧の層で完全に覆われていた。


「この炎のような不快さが、魂の核心に影響を…」オロチは唸り、剣が無力に跳ね返された。


遠方からの客はオロチを一瞥しただけ。目は感情がなかった。その声はヤマトの心に響き、音ではなく念として、高天原の頂点からの威圧。


「久しぶりだな、ひひ。そこでの暮らしはどうだった? まあ、それは昔の話だ」その者は言った。声は淡々とし、二人がかつて会ったかのようだったが、権威に満ちていた。「今は、お前の<定義>をこの<文法>構造に存在させない。」


遠方からの客は手を上げた。シンプルな動作。周囲の空気が突然白くなり、世界全体が息を止めたようだった。


権能発動 <スキル解析不能>:


能力名:<無効論理設定>(仮)


<起源>:ソレア権能(エラー名)


効果:標的に絶対的な無因果律を起動。


効果(Effect):オロチの存在概念と行動能力を現実の文法構造から抹消。破壊は行動ではなく<文法エラー>であり、敵がどんな物語でも存在したり不存在したりできなくなる。


オロチは呆然とし、赤い目は疑いで大きく見開かれた。突然、彼女の巨大な体がヤマトの数センチ手前で止まった。凍結ではなく、消滅。


魔物の体、魂、そしてオロチの記憶さえ、全てが虚無に溶けた。地面が回復し、亀裂が消え、空間がいつもの死の様相に戻った。この干渉は至高の権力から来ていた。


ヤマトは地面に崩れ落ち、遠方からの客を恐怖と敬意を込めて見上げた。彼は知っていた。これが高天原の至高の実体のひとつで、最初のメッセージが言及したものだ。ソレア…???(名前表示エラー)


遠方からの客はヤマトの方を向いた。金色の光の霧がその顔を覆うものが後退した。


「ようこそ、新入り。俺が何者か気にするな、ひひ。召喚された者よ… いずれにせよ、お前にはまだ多くのレベルが待っている。あの世への道を汚すなよ。」


そして、その者は空間の隙間に溶けるように消え、ヤマト・カゲヒラを不気味な世界に一人残した。新たな恐怖と、生存の決意が沸き起こり、強化された。彼は気づいた。この新しい世界には怪物だけでなく、彼が触れることさえできない権能がある。

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