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月夜譚 【No.301~】

花畑より 【月夜譚No.319】

作者: 夏月七葉

 絵を部屋に飾ってみることにした。

 彼女の部屋は殺風景というわけでもないのだが、前の家で使っていた棚を置いたら中途半端に上の空間が空いてしまったのだ。棚を買い替えるつもりはないし、ポスターを貼るほど好きなアイドルもいない。

 そこで、先日訪れた中古店で見つけた絵を飾ってみようと思った。花畑と青空の描かれた綺麗な絵で、特別気に入ったというよりはどうしても気になって買ってしまったのだ。

 実際に飾ってみると、少し部屋が華やかになったように見える。今度は生花でも買ってこようかと思いながら絵に目を向け、ふと眉をひそめた。

 花畑の奥の方、青空との境のところに黒い点がある。こんなところにこんなものがあっただろうかと彼女は疑問に思ったが、気づかなかっただけかもしれないとあまり気に留めなかった。

 ――それから、数日。その点が徐々に大きくなり、それが人の形をしたものに見えてきたと思った日の夜。

 夜中に音もなく絵の内側から出てきたのは、額縁を掴む骨張った手だった。

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