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20秒ショートショート

作者: 蹴兎

1「夜の訪問者」


 深夜、静まり返った部屋のなかに二つの人らしきシルエットがあります。

「さすが師匠、どんな家でも簡単に入れちまうんですね」

「ああ、この商売長いからな」

「見つかるんじゃないぞ。面倒は御免だ」

「この前はヤバかったすからねー

 さっさと片付けてずらかりましょう」

「おう」


 二つの影が去った子供部屋の机の上にはプレゼントが、

 窓の外には月に照らされ空を駆けるトナカイとそりのシルエットが





2「うっかり」


「おい、その手で触るんじゃない!」

「あ」

 男の白シャツにはしっかりと手の跡がつています。

「いつも言っているだろう、汚い手で触るなって」

「はい」

「ぼーっとしゃがって。脳みそ死んでんじゃねーのか」

「スミマセン」

「白は目立つんだよ」


 ぼやき続ける男と、しょんぼりする血まみれの幽霊





3「鑑識と刑事」 


 鑑識と刑事たちが、失踪者の部屋の壁の前で話しています。

「壁の中に人の形をした何かが塗り込められているようだ」

「人の形をした何か? 観音像とか」

「いや違うな、巨大なだるまでは?」 

「まさか。人の形だとするとチェロではないか。楽器の」

「私は一発狙いでチンパンジーに賭けるぞ」

「何でチンパンジーなんですか! オッズは低いですがやはり人でしょう」


 そのうちに壁の中から失踪者の遺体が掘り出される。

「やっぱ人かあ」

「みなさん大穴狙い過ぎです。わたしの勝ちなので千円ずつ頂きますよ」





4「悪魔」


 悪魔らしき後ろ姿と、人らしき後ろ姿の二人が並んでテレビを見ています。

【紛争による死者、世界全体で23万8000人。前年比2倍、今世紀最悪】

「自分では手を下さずに、人の心を操って殺し合わせるなんて・・・

 あんた本当にひどい奴だね」

「わたし、人気者だから」

「昔からちょくちょくやっているよね。

 なんでそんなことするのよ」

「いやぁ、人間が争うのを見るのが趣味なもので」


「全く、悪魔の私でもドン引きだわ」

 悪魔らしき後ろ姿と、キリストらしき後ろ姿



































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