表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣の守人  作者: なめなめ
剣の章
74/85

貫かれる胸(ある姫様の場合)

 魔王が繰り出す怒涛の氷魔法により、黒い蛇が次々に破壊されていくなか――――


「今だ! 槍に雷の効果が残っている内に(ヤツ)を攻撃するんだ!!」

「りょ、了解!!」


 アタシは指示に従って槍を握り締めると、ここぞとばかりに必勝の一撃を放つ!


「これでも、くらえぇぇぇぇーーーーーー!!!」

『ギャギャガアァァァァーーーーーー!!!』


 予想とおり、雷の(パワー)を宿した槍は金属の剣へ絶大なるダメージを与える!!


「よし! このまま押し切れば……」


 勝利を目前とし、一気呵成(いっきかせい)に畳みかける!


「いやあぁぁぁぁぁーーーー!!」


 鋭く真っ直ぐに振り下ろす渾身の一撃……しかし!?


『ギャハ!そうはいかないよ!!』


 いち早く危険を察知した剣は、信じがたいスピードと動きで攻撃を避けると、瞬時に体勢を立て直して反撃をする!!


「しまっ!?」


 不覚にも完全に(きょ)を突かれてしまったアタシは、無防備にこの攻撃を受けてしまう!!


「ごはっ!」


 胸の真ん中を貫く剣の感触。それは絶望的な痛みとなって……痛み……


「あれ?」


 どうしたことか、本来やって来るはずの痛みが何一つない。


「えっ……あ、あまりの恐怖で痛覚が鈍っているのかな?」


 覚悟を決めて胸を確かめてみると、貫かれた箇所からは一滴の血も流れていなかった。


「え?え!? これってどういうこと!?」


 混乱してるところへ、あの声が聞こえる。


『ギャギャ言ったろ? ボク自身が剣である以上、その力を最大限に発揮(はっき)するには、どうしても支えとなる人の身体が必要だって……』

「必要って……えっ? か、身体の感覚が!?」


 いつの間にか身体の感覚が効かなくなっている!


『ギャギャ、気づいたかい? 既にキミの身体の(ほとん)がボクの支配下にあることを!』


 支配って……そうか! “支え”が必要というのは相手の身体を自分のものにするという意味だったのか!


『本当はもう少し慎重にやりたかったんだけど……予想よりも早い段階で機会が訪れたから都合が良かったよ♪』

「なっ……あ、こ、声……が」

『おやおや? とうとう口も利けなくなったみたいだね? それじゃあ、もうすぐこの身体は完全にボクの……うぉあ!?』


「な、何? 身体の感覚が急に戻って……あっ!」


 視界に映ったのは、アタシの胸に突き刺さった剣をシタリ顔で引き抜こうとする魔王の姿だった!


「フッ、まさかこの私を忘れていたとは言うまいな?」

『ま、魔王!? やめろ!ボクの邪魔をするんじゃない!!』

「邪魔だと? そもそも最初の一五〇年前に邪魔をしたのは、何もお前だけでなはないぞ!」

『き、貴様! 何を言って、や、やめ……ああががぁぁぁ!!』

「フッ、(わめ)くな。見苦しい!」

『ギャがががががァぁぁーーーーーー!!!』


 魔王の手によってズルズルと引き抜かれていく剣。それと同時に、失っていた身体の感覚が戻ってくる!


「……ああああありゃあ!!」

 ズボッ!


 やがて切っ先まで抜けきった剣は、魔王の手により地面へ根元深くにまで突き刺されて動きを完全に封じられる!!


『ギャ! き、貴様……ボクをこんな目に合わせて、ただで済むとは……』


 何かをゴチャゴチャとほざいているが、魔王は無視してアタシへ視線を移す。


「ほら、これはオマケだ。轟け雷鳴(らいめい)!」


 バチッ! 

 雷魔法の重ねがけ。これでより確実に剣を仕留めることができる。


「へぇ、ずいぶんと(いき)なことをしてくれるのね?」

「こういう場合くらいはな」


 アタシはさらに力を増した槍をゆっくり剣へ向けると、冷徹(れいてつ)な言葉をかける。


「さぁ、遊びの時間はもう終わりよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=236877676&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ