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剣の守人  作者: なめなめ
剣の章
69/85

得体の知れない何か?(魔王の場合)

「まずい! すぐに、ソイツから手を離せ!!」

「え、いきなり何を……きゃああああああーーーー!!」


 剣から這い出る(おびただ)しい数の黒い蛇! その全てが持ち主である侵入者の女へ襲いかかる!!


「な、何をしてる! 早く剣を離すんだ!!」


 ただ私が慌てて注意するまでもなく、危機を感じた彼女は危機を感じて剣を遠くへ投げ捨てる……がっ!?


『ギャバババババーーーー!!』


 投げられた剣は、不気味な鳴き声を発して切っ先から何事もなく地面へ突き刺さって着地する!!


「はぁ、はぁ……今のは……何なの?」


 息切れする侵入者の彼女から困惑気味に訊かれるが?


「わ、わからん……魔王である私でも、あんな得体の知れない化け物は初めて見る……」


 適当な答えを見つけられない私は、ただ思ったことをそのまま口にするだけ。


『ギャバーーーー!!』


 そして、そうこうしてる内に剣は自らが操る黒い蛇を操り、ありとあらゆる角度から直線的かつ、曲線的な動きで攻撃を仕掛けてくる!


「こ、これは……!」


 攻撃のスピード自体はそこまで速くないが、数やスケールで比べれば、前に戦ったエルフのミスリル触手よりも圧倒的に上だ!


『ギャギャギャアアアアアーーーー!!』

「くそ! こんなバカみたいな数でやられたら……とてもじゃないが捌き切れないぞ!!」


 物量による脅威に押し潰されそうになっていると、ここで一筋の光が道を照らす。


「ねぇ、提案なんけど。アイツを倒すのに二人で協力しない?」


 脈絡もなく申し出たのは、私と同様に剣の攻撃を必死に避ける侵入者の彼女だ。


「きょ、協力だと? 魔王と人間のお前がか!?」

「こっちも不本意ながらに言ってるのよ! アナタも魔王なら、それくらいは受け入れなさい!!」

「ぐぬっ!」


 ものの言い方に腹は立つが一理ある。


「……何か作戦はあるのか?」

「もちろん。耳を貸して」

「手短にな」

「ハイハイ……ごにょごにょ……どう?」

「お、お前、それ本気で言ってるのか!?」

「冗談でこんなことを言えると?」

「……わ、わかった。なら、それでいこう」

「じゃあ、手筈通りにお願いね」

「やれやれ、まさか魔王たる者が人間と共闘するとはな……」


 予想もしてなかった事態にげんなりするも、作戦は問題なく開始される。


「では……いくぞ!」

「よろしく♪」


 見合って頷き合い、左右に散る!


「ふぅ、人間の策に頼るのは(しゃく)だが……やるしないか」


 私は蛇との間合いを図りつつ、てのひらに魔力を集中し……


「焼き尽くせ!業火(ごうか)!!」


 激しく燃える火球を剣へ投げつけて爆炎で覆う!


「ふぅ……これでくたばったら楽なんだが……」

『ギャハーーーー!!』


 だがその期待は空しく、剣は自らを高速回転させた勢いで周囲の炎をかき消した!


「やはりダメか。でも……」


 剣がこちらの攻撃へ気を取られてる間、その背後(?)には侵入者の女がこれまでの激戦で散らかった瓦礫(がれき)の破片……その中でも一際に大きなものを頭上に抱えてこっそりと忍び寄る!


「これでも……くらいなさい!!」


 軽く見繕っても質量が一〇〇キロ近くありそうな瓦礫を、躊躇なく豪快(ごうかい)かつ的確に叩きつける!


 ガシャーーーーンンン!!!


「あ~、さすがにあれは効いたな」


 見事に決まった力任せの不意打ち作戦だったが……


『ギャギャギャバァァァーーーー♪』


「ア、アイツ……ぜんぜん堪えてない……いや、それどころか……笑ってるのか?」


 その効果は蚊ほどもなく、私も彼女も「信じられない」といった表情で呆れるしかない。


「まったく、何なんだあの剣は!?」


 得体の知れなさ過ぎる相手に、私達は徐々に追い詰められていく恐怖を感じていた……

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