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剣の守人  作者: なめなめ
剣の章
63/85

魔王(魔王の場合)

 やれやれ……“きっかけ”がなければ、私は今でも訳もわからないままにバカ(ツラ)を引っ下げて守人をやっていたという訳か――――っで、そのきっかけを作ってくれた恩人はというと……


「お前はどうしたい?」


 問われた侵入者の彼女は、蹴られた腹を苦しそうに押さえるも眼は一向に死なず、それどころか……


「“どうしたい”ですって? そ、そんなのは決まってるじゃない! あなたを倒して剣を手に入れる。ただ、それだけよ!!」


 怯むことなく、反抗的なセリフをぶつけて来た。


「“倒す”……か。人の身でありながら、その勇ましさは認める。だがしかし、私は魔王だぞ?」


 言い終わった後、魔王紋(まおうもん)の力を全解放する!


「えっ、この圧倒的な威圧感は!?」


 後退(あとずさ)る侵入者の女を尻目に、力はどんどん解放されていく!


「うぉおおおおおーーーーーー!!!」


 言わずもだが、魔王紋とは術者自身の力を増大するに比例して身体に多大なる負担を強いる諸刃(もろは)の技法である。

 ただし、完全に極めた場合。その負担は極力軽減し、純粋に力のみを究極の位にまで高めることができるのだ。


 そう……このように!


「はぁあああああああああ………ハァーーーーーー!!!」


 全ての魔王紋を解放した後、改めて自分の変化(姿)を確認する。


「フフフ……この無尽蔵(むじんぞう)に溢れ出る魔力……まさに完全復活だな」


 できることなら、このまましばらく力に酔いしれたい気分。だが、残念ながらその前にやるべきことがある。


「さて……再び訊くが、お前はどうしたい?」

「…………っ!」

「ふむ。さすがここまでの差を見せつけられては、さっきみたいに即答は出来ないか……ならば、もう少しだけ答えやすい感じに変えてやるか」


 私は仕方なく、今の質問をより明確に整理して言い直す。


「楽に死にたいか、苦しんで死にたいかを訊いてるんだが……どうしたい?」


 質問内容を聞いて蛇に睨まれた(かえる)の如く青ざめると思いきや?


「バ、バカにするな……」

「む?」

「人間をバカにするな魔王!!」


 何と彼女は、驚くことに尚も眼に闘志(とうし)を宿して剣を構えてみせた!


「なるほど……かなわぬとしても引く気はないという訳か。いいだろう! その決して折れぬ心に敬意(けいい)を評し、私も魔王として全力で貴様を叩き潰してやる!!」


 言い終わると同時、左手へ魔力を集中する。そして……


「唸れ!風柱!!」


 目の前の空間に巨大な竜巻(たつまき)を出現させると、それを侵入者の彼女へ向って一気に解き放った!!


「フハハハ! さぁ、剣に挑みし者よ! 今こそ汝《なんじ》の覚悟と勇気をこの偉大なる魔王に示すがいい!!」


 何もかもをズタズタに破壊せんとする巨大な脅威。それは今まさに、一人の人間に対して残酷な結果をもたらそうと襲いかかる!!

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