武器を求めて(守人の場合)
「ダメだ! どう考えても、素手で戦い続けるには分が悪過ぎる!」
私はエルフによる度重なる触手の猛攻に耐えるも、一向に反撃の機会に恵まれない状況に苛つきを覚え始めていた。
「やはり、ここはどうにか対抗しうる武器を手にしないと……」
そう懸命に打開策を考えてる間にも、相手からの攻撃は執拗に継続される。
「ぞえ!ぞえ!ぞえーーーー!!」
「ちっ、少しは大人しくならないのかしら……」
不満を抱えて変化自在の連撃をやり過ごすなか、不意に一つの扉が視界に入った。
「あれは倉庫のエリアへ通じる……待てよ? 確かあそこには、これまでの侵入者が遺した武器が幾つか保管されていたはず!」
戦闘の最中に光明を見つけた私は、迫り来る触手の攻めを掻い潜って走る!
「あっ、ま、待つぞえーーーー!」
「待つか訳ないでしょ、このタコ女!」
呼び止めようとするエルフへ適度な罵声を浴びせてから通路に飛び込むと、そのまま一気に突き当たりにある倉庫のエリアへ駆け込んだ!
「よし! あとは使えそうな武器を探して……」
辺りを見回すと、すぐ近くの棚に埃かぶった誰かの忘れ形見である剣が見つかる。
「よし、取り敢えずはこれで……」
一応な感覚を掴むために二、三回振り回してみる。
「う~ん……少し軽いけど、ないよりだいぶマシね」
念願の武器を手にしたことで、いざ触手エルフとの再戦へ!
「でやぁーーー!」
目障りな触手の一本に狙いを定めて、力一杯に切りつける!!
パキィーーーン!
「あれ?」
誰かの忘れ形見である剣は、あっさりと折れてしまった。
「ハハハーーーー!忘れたぞえか!? この触手がミスリルだということを!!」
「ぐぬぬぬ……」
バカにされて憤るも、次なる武器を入手するために再び倉庫へ舞い戻る。すると今度は、少し奥ばった壁に立てかけてあった誰かの忘れ形見である槍を発見する!
「うん! 多少は貧弱な作りだけど、槍は使い慣れてるから大丈夫なはず!」
そう期待して挑んでみるも?
「無駄ぞえ!」
バキッ!ベキベキ……ボキンッ!!
案の定、誰かの忘れ形見である槍は、完膚なきまでに破壊される始末だった。
「ダ、ダメだ……生半可な武器では、とても太刀打ちができない!!」
“これはいよいよ詰み?”かと諦めかけていたその時!
「ぞえーーーー!!」
とうとうエルフが倉庫へ突入! そして、その長く硬い触手をなりふり構わずに振り回した!!
「ぞえぞえぞえぞえーーーー!!」
当然のように次々と破壊されていく倉庫に残ったていた戦利品やガラクタの数々。そのあまりの傍若無人ぶりを目撃した私は、ついに堪忍袋の尾が切れた!
「もういい! こうなったら、魔王紋の力を限界まで解放してぐちゃぐちゃに叩き潰してやる!!」
怒り任せに魔力を上昇させ、身体の強化を限界にまで引き上げようとする……しかし、いきり込んだ瞬間に振り回される触手によって何かがこちらへ向かって投げ飛ばされる!
「危ない!」
避けることもなく反射的に片手で受け止めた際、妙に懐かしい感触が伝わる。
「こ、これは……」
確認するとそれは、かつてのアタシを苦しめた強敵が使っていた金属と木材を組み合わせて作られた……
「銃だ! 何十年か前に私を散々苦しめまくったヤツが使っていた武器じゃない!!」
不愉快な記憶は甦ったが、同時にこの展開には幸運があった。
「あれ? この銃に使ってる金属の部分的って、もしかして……ミスリル!?」
思わぬタイミングで思わぬ得物と巡り合えた奇跡の再会。それは私がようやく触手エルフへ対抗できる糸口を手に入れたことを示していた!!




