騎士達の危機(ある姫様の場合)
天空城への突入作戦は明朝ということになり、アタシは休息をとるために自分の部屋へ向かう通路を移動していたが……
「!?」
角を曲がろうとした瞬間、猛烈な嫌な予感に襲われる!
「何、この感じは!?」
辺りを警戒しつつ、ゆっくりと先へ進む……するとそこには!?
「これは!?」
何と、見覚えがある騎士が血だらけになって倒れているではないか!
「だ、大丈夫!? しっかり……あ!」
呼びかけるが既に息はない。どうやら背中に受けた傷が致命傷になって絶命したようだ。
「なんてことを……」
見知った人間の死に困惑するのは束の間、少し離れた場所から激しく剣がぶつかり合う音が聞こてくる。
「まさか……誰かが戦ってる!?」
急ぎ音のする現場へ駆けつけると、ボロボロになった騎士二名が四体のスケルトンと懸命に戦っている最中だった。
「まずい! 早く彼等を助けないと!」
仲間の危機的状況を目にしたアタシは、直ぐ様に剣を抜いて救出へ!!
「やああああああぁぁぁぁーーーー!!」
「ガギィ!?」
一体のスケルトンがこちらの奇襲に気づいて振り向くが、かまうことなく頭を叩き割る!
「次!」
勢いのままに二体目と三体目を一撃の元に葬り、最後の一体を……!?
「いない!どこにいった!?」
スケルトンを探すが姿が見当たらない……そう思った瞬間!
「上です!姫様!!」
「えっ!」
声に反応して素早く身を屈めたアタシは、頭上からの攻撃をを間一髪で躱す。そして、体勢を立て直した後に身体を独楽の如く回転させたからの横一閃!!
「せやっ!!」
上半身と下半身に別れて地面に崩れるスケルトン。これでひとまずの危険が去ったと判断するアタシは、二人の騎士を気遣おうと声をかける。
「二人共、大丈夫!?」
「ハイ、我々は大丈夫です。ですが、アイツは……アイツはオレ達を庇ったせいで……ううぅ」
涙を流して俯く二人。おそらくアイツとは、ここに来る前に倒れていた人物をいっているのであろう。
そして、彼等にとっては余程に大切な存在であったことが窺えて同情していると……
「そ、そうだ姫様! じつは取り逃がした敵が一体、王の部屋へ向かっているのです!」
「何ですって! それじゃ急いでお父様の元へ向かわないと……」
「ま、待ってください姫様! 我々も御一緒に……うっ!」
勇んで同行しようとした騎士だったが、これまでの戦いで相当に消耗していたらしくて膝から崩れる。なので、それを見てアタシは……
「アナタ達はここで待機を。王の救出にはアタシが一人で向かいます!」
「し、しかし、姫様……我々は、まだ……」
「ダメです!」
気持ちは有難いが、これ以上の無理をさせる訳にはいかない。だからアタシはより強い口調で伝える。
「これは姫として……いえ、次期国王としての“命令”です!!」
権力を振りかざすやり方で申し訳ないが、彼等のことを想えばこの処置は仕方ない。
「……では、アタシはいきます」
その場を立ち去ろうとした時だ。
「姫様! 王の元へ向かったのは、あの残虐非道といわれるデッドスケルトンです! くれぐれもお気をつけください!」
「デッドスケルトン!?」
騎士からその名を聞かされた途端、アタシは一刻の猶予もないと走り出す。
「お父様。どうか無事でいてください!!」
一心不乱に祈りながら……




