第二十八話
早速【爆風】の風魔石を投げるか。
効果があるかはわからん。でも成功するならこれしかない。
まあいけるでしょ。
「全力!”投石”!!」
頂点までの高さはざっと50m。余裕で届くと思うけどスピードは落ちてるか。トップスピードでぶっ壊したいけどな。でも【爆風】でなんとかなりそうだしいいか。
正直今だからこそ使える切り札はある。ただ今じゃない。今はとりあえずここからの脱出だ。
頂点に魔石が到達した。この調子だと無理だな。
指をパチンと鳴らして。
「爆風!」
まだまだ無理そうだな。
拳を振り上げて。
「爆風!」
まだ無理か。
バク転をしながら。
「爆風!」
そろそろ魔力も限界だし壊れてくれ。
「随分と滑稽なことをやっていますねゴブリンさん」
うわー、ここでくるかお前。お前の能力があったらこの戦い敗北必至じゃん。
「おお、ラヴィールか。さっきぶりだな。素を出してもいいんだぞ?」
「それもそうか、確かにこの話し方は疲れるな。それはそうとしてお前今絶望しただろ!?こんな状況で俺が来て。まあお前はそこそこ強いゴブリンだとは認めよう。ただゴブリンだ!いくらタモン様の力を得ようと俺には勝てない!しかもさっきの軽装の俺ならともかく近接戦闘用の装備に変えた俺にはな!」
「ごちゃごちゃうるせーんだよ。風魔法で木っ端微塵にしてやろうか?」
「黙れ!人間の成り損ない!いや獣人の成り損ないと行った方が正しいか!」
うわ、しまった。本音が出た。やっちゃったなー。
まあいいかでもこいつは実力が圧倒的な格上だから殺せはしないしこいつがいる限り結界は破壊できない。
っていうかこの世界獣人って居るんだな。
「それよりもよ。この腕をみろよ。俺は心開を使えるようになったんだぜ?この超短時間で。俺の成長について来れるか?煽り耐性皆無のAランク魔物駆除者さん。」
「心開だと?ふざけるな!紋章も心開もお前のようなゴブリンが選ばれるのは間違っている!でもあの千槍拳ほどの心開ではないはずだ!あと成長速度がなんだとかほざいているが元が違うんだよ!元が!元がゴブリンのやつがちょっと成長したくらいで俺に勝てると思うな!」
だいぶ怒ってんな。こんな煽り耐性で人間生活やっていけてんのか?
次の行動が悩ましいところだな。こいつが動かなければ負ける可能性は少し減るんだが。
浮遊されたら多分負け確なんだよな。まあ数秒なら風魔法で無理すればいけると思うけど。
『そっちの戦いだけじゃなくて結界の方も気をつけたほうがいいよ。結界に魔物が糸で縛られる効果が付与されようとしてるからね。ちなみにそれをやってるのはさっき離れていった君が言う変なおじさんこと隊長たちだよ』
糸で縛られるとかやだなー。その前に決着をつけたいな。
「とりあえず、戦うか?」
「当たり前だ!簡単に死んでくれるなよ!命令違反になってしまうからな!」
めちゃめちゃ厳ついガントレットを装備して重力を操作して変態機動で飛んでくる。
迎え撃つのは丸裸の状態で腰に【スペードの3】を装備してるだけの俺。
まずはダメージを最小で抑える方法を考えるか。まだあれは使いたくないしな。
受け流すくらいしかできないけど重力を操ってくるからできるかわからないんだよな。
まあいいや受け流すか。
「来いよ!」
「お望み通り正面からやってやるよ!これが紋章の力だ!”凍拳”!」
いけるいける!受け流せるぞ。【スペードの3】の平たい部分を滑らせて、よし!!
拳に触れたところが凍り始めたけど問題なし!
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