第十話
作戦はこうだ。自分だけ”旋風”で逃げて四文字炎魔石【吸熱爆炎】を投げつける。多分成功するだろうが失敗したら死ぬ。
おっと、首元に向かって踵落としを決めようとしているようだ。
ぶっ放すぞ。”旋風”!!
うっ、体が痛い、傷口がえぐられてるような痛みだ。失敗したかな。まあ、いける。
相手が全然吹っ飛ばなかったのは誤算だけど。
「全力”旋風””投石”【吸熱爆炎】!!」
勢いよく風を切りながら進む炎の魔石を確認して自宅の方にダッシュで逃げる。そりゃもう全力で。
一度振り返って、魔石が当たり体温を吸収しているのを見てもう一度走る。
自宅との距離は30mくらい拳士との距離は100くらいとある程度離れたことを確認して最後の引き金を引く。
天に中指を突き立て。
「爆炎!!」
無事爆発した。やっぱこれ森でやるべきじゃなかったな。最悪果物がなくなる。
よし、あとは勝手に生き残って帰ってもらうだけ…じゃない!!
なんだあの大木は。もしかしてあいつが投げたのか!?
バケモンかよ。まあこんな世界だからなんも言えないけど。
逃げろー。
よし、間に合った。
ごめんやっぱ嘘。入り口に木がぶつかって、それで割れた木片が俺の右腕を貫いた。
痛い痛い痛い痛い
ふぅ、なんとか痛みが落ち着いてきた。未だに動かしたり風が吹いたりすると激痛が走るけど。
しかし、勝ったのになんかなー。傷だらけで数日は活動できなそうだし、こんな怪我を負ってもクリア報酬すらない。
とりあえず寝て誤魔化すか。
〜side女魔法使い〜
なんなのよあの魔物。情報通り神託の魔物の一種ではあるでしょうし、それ以前にあの森で生き残ってるゴブリンがいる時点でおかしいわ。
あんなのなんて逃げて当然よ。アークのやつ馬鹿じゃないの?いくら幼馴染で親友のエルスが派手に死んだからってあんなのに立ち向かうなんて自殺と同じことよ!
私は情報を教えてそのお金でしばらくは魔物駆除師からは足を洗うわ。
「はぁはぁ、ロウソウの森の調査依頼でエルスが死んで、アークも…あ、あああああ」
我ながら名演技よ。本当に悲しい気持ちもあるし嘘じゃない。
「それは本当か!?アモネちゃん」
「副支部長!ええ、本当よ。あれは神託の魔物の一種だと思うわ」
「やはりそうか。ちょっと奥で詳しく聞かせてくれ。」
「もちろんよ」
「そこに座ってくれ」
断る理由もないから素直に座ることにする。
「いきなり本題に入るがその魔物の特徴は?」
「そうね、まず石の魔具を投げてくるわ」
「知能が高いという条件には一致するな。しかし、魔具を使うとは恐ろしく常識はずれだ。俺にもできないのに…それで?」
「ゴブリンに狼が混ざったような見た目だったわ。身体能力も私の”強化術”で強化したはずなのに肉体面で完全には負けてない」
「見た目の情報は俺が集めたものと一致しているな。攻撃方法はどうだ?」
「攻撃方法は様々な魔具を投げ、接近戦もこなせる。あと、風魔法かそれに似た魔法を持っているわ。その魔法で加速する魔具を自分の周りに留めておいて加速したらそれを解除してアークを殺した…」
「なんなんだよ!その魔物!レベル6駆除師のお前がいうなら間違いないが」
「あとこのことが少しトラウマになって、しばらく休ませてもらうわ…」
真実に嘘を混ぜるのができる女のやり方よ。
「それは勝手にしてもらっていいが、まさか金剛の心臓で有名なお前がトラウマなんてなんて魔物だよ」
「とりあえずわかった。本部に連絡しておく。また何か聞き出すつもりだからそのつもりでよろしく」
「了解」
よし、とりあえず高級魔物料理店でも行こうかしら。
★★★★★をください。
感想でボロクソに言ってもいいので★★★★★をください。
あと感想もよろしくお願いします。登場して欲しい能力などがあったら感想で書いてください。どこかのタイミングで多分登場させます。




