2/6
4月6日
今日僕は、自分の部屋を掃除していた。自分の部屋と言っても、ここ数年は使っていなかった場所だ。
思い出の品々を懐かしいと思いながらも、ゴミ袋に詰めていく作業。時間も忘れ、ゴミ袋も限界に差し掛かったところで、僕は1冊の本を見つけた。
表紙には『サクラの本』と書かれていた。その字の下には、色あせて分かりにくかったが薄ら桜のイラストが書かれていた。
少し気になった僕はその本を読み始めてしまった。
「ねぇ...この本あげるわ。」
彼女に押し付けられたその本を、僕は断ることも出来ずに受け取った。
本当は本なんて読まないし、多分この先も読まないままになってしまうだろう。それでも僕は受け取った。
僕が本を受け取ったを見て、彼女は満足そうに笑った。
「次会うまでに、謎が解けるといいわね。」
その本が『サクラの本』だった。
物語がよかったと思えたら、ブックマークと星★を貰えると嬉しいです