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帰らない男の子

 見渡す限り平原のサバンナの村に1人の男の子がいました。

 男の子はある日、気晴らしにサバンナへ散歩に出かけました。

 だけど、空に星が瞬く時間となっても村に帰ってきませんでした。

 心配した男の子のお母さん・お父さんはサバンナへ探しに行きました。

 サバンナは恐ろしい所でハイエナ、ワニ、トンビ、そしてライオンなどの肉食動物が昼夜問わずにいます。


「あぁ、なんてこと」


 お母さんは、顔を(おお)い泣き崩れてしまいました。

 お父さんが見やるとそこには子供なら上がっては来れない窪みがありました。

 もっと注意を凝らして見やると窪みの底部分にフサフサした黄色いタテガミ、お尻から細い尻尾が長く伸びて先っちょにはフサフサの黄色い毛、ライオンがそこには居たのです。


 お父さんはお母さんに 『 怖がらないで 』 と(なだ)めて、抱えてその場所から離れようとしました。

 ただお母さんは離れません。

 首を振ってしきりに指差します。

 お父さんは逃げたくて仕方ありませんでしたがお母さんがテコにも動かないので、しょうがなく指し示す方向に目を逸らします。

 そこには服がありました。

 小さな子供用のありふれた服。

 お母さんは怖くて泣いた訳ではないとお父さんは知りました。


「泣かないでおくれ、息子は死んでしまった。

 あの服を取ってせめて弔ってやりたいが、今はあの憎いライオンが居る。

 明日もう一度来るとしよう。

 偶像じゃないのだからあのライオンもいなくなっているはずだから」


 泣くお母さんをそう宥め、お父さん達はその場を後にしようとしました。

 その時、窪みのライオンがお父さん達に気付きました。

 奇妙なライオンでした。ライオンといえば百獣の王と言われる程に王者としての気品と威厳があるものです。だけどこのライオンにはそんなものは感じられず、挙動不審に焦った様に立ち上がり、なんともなさけない声で鳴いて、窪みの上に立ったお父さん達に向かったのです。

 お父さん、お母さんはそんな事どうでも良く、ただ息子を食べたライオンが襲って来た事に恐怖を覚えて転がる様に村に戻りました。

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