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とある悪魔さんの最恐伝説(になるかも知れないお話)  作者: きすぎ あゆみ
悪魔さん、初めての召喚
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続きです。

宜しくお願い致します。

皆様に楽しんで頂けましたら幸いです。

 ジレアさんとシシリーさん二人の知り合いが死んでしまったら、二人はとても悲しむ事でしょう。幸いと言って良いのかは解りませんが瀕死の状態で私が吸収しましたので、結果的には死亡してはしません。


 私は人族のレグナの姿に変化すると、エリアさんを具現化させました。流石に大きな狼の姿だと驚かせてしまうだけで、会話も何も有った物では無いでしょう。


 当然ですが、キオさんも子狼の姿に変化して貰います。


「………」


「あの…大丈夫ですか?」


 呆然としている?エリアさんに声をかけてみました。


「………」


 しかし、反応が有りません。呆然としているのでは無く、意識が無い様に見えます。


「あのー…」


「ご主人、雌、変?」


「………」


「何か間違えた…はて何でしょう?」


「ご主人、雌、死んだ?」


「………」


 はて…何か大事な事を忘れているような気がしますが…はて何でしたか…。


「死んだ?いや…そうでした魂を入れるのを忘れていました…」


「ご主人、雌、死んだ、無い?」


「………」


 吸収した存在を現す時に同時に魂を入れなければいけないのですが、うっかり忘れていました。


「キオさん大丈夫です、彼女は未だ死んではいません。魂が入っていないだけです」


「ご主人、魂、無い、死んだ、違う?」


「………」


 生きていた存在を吸収しても具現化させる時には何故かは解りませんが魂が抜けているので、その都度魂を入れなければいけません。


「そうです。魂が無いのは死んだのとは違います」


「雌、死んだ、無い、良かった!」


「………」


 その内慣れるでしょうが、緊急時には致命的なミスに繋がる可能性も有りますので、注意が必要ですね。


「これで魂を入れましたので、大丈夫と思います」


「雌、良い、だった!」


「………はっ…俺は…未だ…死ねないん…だ…」


 魂を入れると意識が戻ったみたいです。


「大丈夫ですか?身体に痛い所や違和感は有りますか?」


「…痛いに決まっているだろう、俺は死にかけているんだ…ぞ…?!」


 流石に瀕死の状態で有ったために、未だ死に抗っているみたいです。傷が治ってしまっている事に気が付いていない様ですね。


「可怪しいですね、傷口は治ったと思ったのですが…?」


「い…痛くない…傷が塞がってる…?」


 エリアさんは野獣か魔獣に負わされた傷口が有った場所を触りながら、混乱しています。


「一応秘密の方法で傷を癒したのですが、大丈夫ですか?」


「…ああ、多分大丈夫とは思うけど…本当に傷が無くなっている!」


 皮の防具と服も切り裂かれていましたが、私が一度吸収してから具現化させたので防具と服も修復されています。エリアさんは混乱していたのでしょう。防具と服の上から傷口が有った場所を触っていた事に気が付いていませんでした。


「ああ、それと防具と服も直しておきましたので、違和感が有れば言って下さい」


「えっ…なっ…どうなって…?」


 混乱していた所に事実を告げると、更に混乱してしまいました。エリアさんが落ち着くまで少し待った方が良いでしょう。しかし何も考えずに死ぬよりは良いのではと思い助けましたが、それが良かったのかこの先どうなるのでしょうか?


「落ち着きましたか?大丈夫ですか?」


 エリアさんが落ち着くまで、少し待ちましたが、漸く落ち着きを取り戻したみたいなので声を掛けてみました。


「………」


 しかし返事が有りません。一体どうしたと言うのでしょうか?


「あのー、もしもし、大丈夫ですか?」


「………」


 返事が有りません。しかし、ただの屍では有りません、一歩いえ、半歩手前で屍にならなかったのですがどうしましょうか?


 そう言えば似た様な状況が、つい先日有りましたね。私は一度エリアさんを吸収して、再び具現化させました。


「…?!」


「大丈夫ですか?」


 再び具現化させたエリアさんに、改めて声を掛けてみました。


「えっ…おっお前は…ギルドで会った…」


「良かった、正気に戻ったみたいですね」


 今回は成功したみたいで良かったです。


「正気?…そっそうだ森の浅い所に強力な魔獣が…そいつらに俺は殺されて…?」


「貴女は殺されてはいませんよ、危ない所でしたがギリギリ間に合ったみたいです」


 事実ですしこの状況で嘘を言っても仕方が無いので有った事を伝えるのが良いでしょう。


「俺…俺は、死ななかったのか?」


「はい、何とか間に合いましたので助ける事が出来ました。ついでと言っては何ですが、防具と服の修繕と貴女の血も綺麗にしておきました」


 私が何をしたかをきちんと伝えておかないと、いけないでしょう。私が吸収していた時間が短かったからなのか解りませんが、何故か眷属化はしていない様ですので私が彼女を助けた事実を伝えて恩を売っておきましょう。


「防具と服と血も…」


「はい、どうやったかは秘密ですが、直せる所は直しました」


「防具と服…」


「はい?」


 何故か防具と服に拘りますね。何か問題でも有ったのでしょうか?


「脱がしたのか?」


「いえ、脱がしてはいませんよ」


「脱がさないでどうやって防具と服を直すんだ?」


「先程も言いましたが、直し方は秘密です」


 流石に吸収して具現化させたとは言えないのでどう誤魔化しましょうか。段々エリアさんの相手が、面倒になって来ましたね。


「本当に脱がしていないんだな?」


「はい、脱がしてはいません」


 しつこいですね、服を脱がせる事に一体何の問題が有ると言うのでしょうか?…そう言えばエリアさんは人族の若い女でしたね。そして私の姿は人族の若い男です。人族の若い女の感情でしたら、警戒心を顕にするのも当然と言えば当然ですね。


 私がいくら人族の若い男の姿をしていても、人族の若い女に欲情はしませんがそれを彼女に伝えても信じては貰えないのでしょう。


「解った、一応今は信じる事にする」


「…ありがとうございます」


 このままでは五月蝿いので、いっその事吸収してしまいましょうか?ふと私にそんな感情が芽生えた時でした、森の奥の方から不穏な気配が近付いている事に気が付きました。


「何やら森の奥が騒がしくなって来ましたね」


「クーン(ご主人、嫌な、気配、する)」


「奴らが戻って来たのか?ヤバい逃げるぞ、俺達新人ではとても敵いっこ無い!」


「…そうですね…」


「ウー(ご主人、弱い、奴ら、数、沢山)」


「何やってんだよ!早く逃げるぞ!」


 そう言うなりエリアさんはキオさんを抱き抱えると、町に向かって一目散に走り出しました。余りの予想外の行動に私は呆れを通り越し、感心さえしてしまいました。


「キオさんが居ないのは痛いですが、エリアさんが居ないのは好都合ですね」


 私は森に向かって今まで吸収してきた者達を全て、具現化させました。今回は魂を入れるのを忘れてはいません。人族や森の浅い所や少し分け入った所に住む野獣や魔獣達です。彼等の魂が間違い無く肉体へと戻ったのかは解りませんが、特に混乱が無いので問題は無かったと言う事にしておきましょう。人族には荒事に不向きな女子供も多数居ますが、数だけで言うなら戦力としては十分とは思います。


「ご主人様、如何致しましょうか?」


 私が吸収した者達を代表して、兎の獣人族のルブさんが私に指示を求めます。


「野獣や魔獣と戦闘経験の有る人族は、こちらに向かって来る者達を倒して下さい。それ以外は森を出て辺りを警戒して下さい」


 野獣や魔獣と戦闘経験の有る武装した人族達は、こちらに向かって来る者達を迎撃するために森に向かって歩いて行きます。私は戦闘経験の無い人族と共に、森を出て少し森から距離を取ります。


「ルブさん、リォークさん、ポーリーさん」


「はい、ご主人様」


 ルブさんは、笑顔で元気良く。


「…ああ」


 リォークさんは、私に対する不信感を隠そうともぜずに気怠げに。


「…はい」


 ポーリーさんは、私を警戒しながら。


 見事な三者三様ですね。


「貴方達が中心となって、もし前衛が打ち漏らした野獣や魔獣が森から出て来たら倒して下さい。武器や防具はここに有りますので、好きな物を使って下さい」


 私は吸収していた武器や防具を具現化させながら、少し焦っています。


「あの、ご主人様は…?」


 三人を代表してルブさんが不安げに尋ねてきました。


「私はキオさんを、探しに行きます」


 私の吸収した存在の中で一番の戦力となるキオさんが居ないのは、いざと言う時に困るのではと私の中の何かが警鐘を鳴らしていますので、私はキオさんを連れ戻しに行く事にしました。

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