表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある悪魔さんの最恐伝説(になるかも知れないお話)  作者: きすぎ あゆみ
悪魔さん、初めての召喚
92/95

92

続きです。

宜しくお願い致します。

 キオさんが私の所に戻って来て、どれくらい経ったのでしょうか?時間的にはもう宿に戻らなければいけません。色々と盛り上がって?いるみたいですがこの続きは明日の夜にして今日はお開きにしましょう。


 私は右手をルブさんに左手をリョークさんとポーリーさんに向けて、有無を言わせる暇を与えずに突然吸収しました。


「これで静かになりました。キオさん、宿に戻りましょう」


 これで夜の森も静かになりましたね。私達が居るのでこの辺りに居る弱い野獣や魔獣や魔物は近寄っては来ないとは思いますが、それも絶対では有りませんので森の中では静かにして貰いたいですね。


「ご主人、宿、戻る、解った」


「では…」


「ご主人、待つ、忘れ、物!」


 私は狼の魔獣に姿を変え町に向かって走り出そうとしたのですが、キオさんが突然私の進路を塞ぐ様に身体を割り込ませて来たので止められてしまいました。一体何事でしょうか?


「…キオさん何事ですか?」


 突然の事でしたが、走り出す前でしたのでキオさんに衝突する事は無く、止まる事が出来ました。少しヒヤリとしましたが、危ないところでした。


「ご主人、今日の、獲物、忘れる」


「…獲物?」


 一瞬何の事か理解出来ませんでした。


「そう、獲物、オレ、狩り、獲物、獲った」


 すっかり忘れてしまっていました。何のために毎夜、夜中の森に来ているのか。私は自分自身の能力の確認のため、そしてキオさんは狼としての本能である狩りとそれとお腹を満たすためでした。


「そうでしたね、何時もより遅くなってしまっていたので私も焦って居たのでしょう。キオさんの成果の事をすっかりと忘れてしまって居ましたね」


「ご主人、忙しい?」


 キオさんは心配そうに私を見てきます。キオさんは本当に仲間思いの良い狼ですね。数日前、私に襲い掛かって来た事が、未だに信じられません。まあ、あの時は私もルブさんの姿をしていましたので、キオさんの餌として狩られようとしていただけですけど。


「いえ、今夜は何時もと違う事をしていて色々と有ったので、少々疲れてしまったのでしょうか?」


「ご主人、疲れた、大丈夫?」


 心配そうに身体を擦り付けて来ます。人族でしたら手で撫でるところですが、流石に狼には手が有りませんので身体を擦り付ける事で撫でる事と同じ事をしているのでしょう。


「有り難うございます、疲れたと言うのには少々語弊が有りますね。今日は色々と有りすぎて、注意力が散漫になってしまって居たみたいですね」


「ご主人、疲れた、違う?」


 キオさんはもしかして心配性なのかも知れませんね。確かにここのところずっと一緒に居ますから、こんな私でも居なくなると寂しいのかも知れませんね。


「どうでしょうか?疲れたと言うのと注意力が散漫になってしまって居た事の違いの説明が難しいですね」


「ご主人、オレ、疲れた、注意、力、違い、解ら、無い!」


「よくよく考えてみると、似たような物なのかも知れませんね?宿に戻って少し休憩にしましょう」


「休憩、メシ、食う?」


「そうですね、休憩をして美味しい食事を摂れば、疲れも取れるでしょう」


 そうと決まれば森の中に居る必要は有りません。直ぐにでも町の宿に戻りましょう。


 私はキオさんの案内で、キオさんが狩った獲物を集めていた場所に向かい、キオさんの今日の成果を吸収してから町の宿に戻りました。夜明けの少し前に宿に戻れましたので、少し休憩を取る事も出来ました。


 私の身体が微かに揺れています。小刻みに時に強く時には優しく、その中には私を叩く様に何か柔らかい物が私の身体に押し当てられています。


「……………」


「…ご主人…朝………」


「………う…ん…?」


「…ご主人…朝…起きる…メシ…」


 私の様な悪魔でも疲れる事が有るのですね。気が付いた時には宿の部屋のベッドの上で、眠ってしまって居たのでしょう。お腹を空かせたキオさんに身体を揺らされて起こされるまで完全に眠ってしまっていたみたいで、部屋のベッドの上に横になってからの記憶が有りませんでした。


 人族の姿になって三度目の睡眠です。悪魔の私には睡眠は必要が無い筈なのですが、何かの拍子に人族の肉体が睡眠を求めるみたいです。精神的に疲労した時や肉体が大きな損傷を受けた時に、無性に身体が睡眠を欲します。気が付くとベッドで寝ているので、この人族の肉体の欲求なのかも知れません。


 人族には三大欲求と呼ばれるどうしても抗いがたい欲求が有るそうで、睡眠欲はその中の一つとされているそうです。肉体の成長には睡眠が必要不可欠の様ですので、今後も肉体や精神?が睡眠を欲した時には素直にその欲求に従った方が良さそうです。


 黒い霞が私の本体ですので人族の肉体は私の肉体で有ってそうでは無い存在ですが、肉体と精神は成長のためにお互いが必要不可欠な存在の様ですので私自身の成長に、肉体の成長も何かしらの因果関係が有るのかも知れませんね。


「……おはようございます…キオさん」


 一体何事でしょうか…起きたいのですが何故か身体が言う事を聞きません。まるで身体がベッドから起き上がるのを拒んでいるみたいです。


「ご主人、起きた!」


 私が目を覚ましたのでキオさんはご機嫌です。お腹を空かせているでしょうし元々は森を駆け回って生活していた魔獣が、宿屋の狭い部屋の中に居る事も精神的にも肉体的にも辛いと思います。


「…もう、朝ですか…?」


 目を開きはしましたが身体が重いです。身体全体に何かが載し掛かっているみたいで、手や足を動かすのも億劫です。もしかすると人族の身体に何かしらの異変が起きたのでは無いでしょうか?


「ご主人、朝、外、明るい!」


 キオさんは早く朝御飯を食べに行きたいのか、部屋のドアの方に行きたそうにしています。


「…寝過ごしましたか…」


 人族だけに限る事では有りませんが肉体を持つ生物には、時折体調不良と言われる現象が起きるみたいです。それは病気で有ったり疲労で有ったりと内容は様々ですが、時には死に至る事も珍しくは無いそうです。私が人族の肉体を手に入れてからまだ月日は浅いですが、これが病気と言われる状態なのでしょうか?身体が怠く重たく頭の中も靄が掛かった様に物事を考える事に集中出来ません。そう言えば頭の奥の方から、心臓の鼓動に合わせて鈍い痛みも有ります。


「ご主人、メシ、行く、ハラ、減った!」


 しかし、キオさんはお腹が空き過ぎてこれ以上待つ事が出来ないかも知れません。折角の良い機会でしたが仕方が有りません、体調不良の検証はこれまでにしておかないとキオさんが今にもドアを蹴破って食堂に駆け込んで行ってしまうかも知れません。


「…解りました、準備をしますので少し待って下さい…」


「オレ、待つ、メシ、待つ」


 少しずつですが身体も動く様になってきましたし、頭痛は有りますが考え事も出来るみたいです。有効かどうかは解りませんが、ついでにもう一つ検証しようと思います。


 私は人族の身体を、私の本当の姿の黒い霞の状態に戻しました。


「ご主人、人、止めた?」


「いえ、私は元々人族では有りませんから、これはご飯を食べに行く準備手です」


「メシ、行く!」


 キオさんのシ尻尾の動きが早く、何本も有る様に見てえいますが錯覚で有って欲しいです。


 元の姿に戻ると肉体は有りませんので、それにより身体の怠さや頭痛や思考の乱れなども有りません。これは良いですね、肉体の欠損も元の姿に戻れば無くなっていましたが体調不良も無くなるのかも知れません。


 私は再び人族の姿に、姿を変えました。予想通りと言って良いのかも知れませんが、私の思った通り肉体の体調不良は無くなっており頭痛や思考に集中出来なかった事も有りません。


「準備が出来ましたので、ご飯を食べに行きましょう」


「メシ、行く、メシ、メシ!」


 キオさんは尻尾を高速で振りながらも歩けるとはとても器用ですね。バランスを崩したりはしないのでしょうか?


 しかし、私が現す人族の肉体が良いのか私の吸収や姿を変える能力が凄いのかは解りませんが、一度姿を変える事で体調不良も無くなるのでしたら私が吸収している者達の体調不良も無くす事が出来るのでしょうか?こちらも検証が必要ですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ