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続きです。
宜しくお願い致します。
残るは小さな魂が一つです。先に掬い出した大きな二つの魂と比べると半分より少し小さいでしょうか?さて、魂の大きさとは何か基準になっているのか?今まで生きてきた経験や知識でしょうか?それとも肉体の大きさでしょうか?はて?どちらも違う気がします。
私が今まで吸収してきた人族以外の者達の魂も、人族の大人の魂と比べると多少の誤差は有りましたが大きさは然程変わりませんでした。それでは経験や知識や肉体の大きさでは無いとすると、魂の大きさの基準とは?
…今は、その様な事を考えている場合では有りませんね。これは一種の現実逃避なのでしょう。私の様な悪魔と呼ばれる存在が現実逃避をするとは…考えや行動に行き詰まったそんな状況がもたらした、息抜きの様な物なのかも知れません。それとも、私の処理能力では処理しきれない状況に対する、私で有って私では無い私からの警告なのでしょうか?
と、言う事にしておきましょう。
魂についての考察等は私の様な悪魔が考える事では無いでしょうし、特に答えを知らなくても困らない事です。もし答えが必要になる様でしたら、それはその時にでも検証なり考察なりをすれば良い事でしょう。
…これこそは人族で言う所の、問題の先送りと言われる解決方法です?
それよりも、少しは気分転換出来た気がしますので、作業を再開しようと思います。これを作業と言って正しいのかは解りませんが…。
残る小さな魂は、私の根源から伸びる手と比べると小さな存在です。根源から伸びる手で掴んでしまうと、握り潰してしまう可能性も有るとも知れません。先に掴み出した二つの魂と固さ?強度?が同程度でしたら問題有りませんが、子供、それも特に赤子や乳飲み子と言われる存在は肌が特に繊細で、些細な事でも痣になったりや傷付いたりして取り扱いに気を付けなければいけないみたいです。まだ産まれてきていない存在ですが小さな魂も赤子の肌の様に、傷付き易く無ければ良いのですが…。
さて、どうなのでしょうか?
私の根源から伸びる手で魂を握り潰す事が出来るのか?そもそも、魂とは傷付ける事が出来るのか…これでは先程の話に戻ってしまいますね。
それではどうするか?魂が小さいのなら、根源から伸びる手も小さくしてみては?特に深い意味や考えは無く只の思い付きでは有りますが、魂の大きさと掌の大きさを同じ程度の大きさにしてしまえばその分、魂を掴む際の握力?を抑えられそれで魂を握り潰してしまう可能性が少なくなる気がしました。
思い付いたので有れば、実行してみます。時間は有限ですし、有言実行と言う言葉も人族には有るみたいですので…。
私は先程までと同様に根源から手を出現させます。先程までは何も考えずに出現させていた手です。大きさは先に掴み出した大きな二つの魂を程好く握れる大きさです。何も考えずに出現させたのですが都合良く、魂を掴むのに丁度良い大きさの手を出現させる事が出来た物です。私の無意識での行いなのでしょうか、それとも私で有って私では無い物の行いでしょうか?
出現させた手の大きさを、小さな魂を丁度握れる程度の大きさになる様に意識します。そうすると手の大きさは程好く小さくなりました。しかし、何故そうなったのかは解りませんが出現している手の大きさが増えてしまいました。はて、謎ですね。
手を小さくすると手の数が増える…もしかすると。そう思い手の数を少なくなる様に意識します。
…すると手の数は減りました…?
…手の大きさも数も私の意識で変えられるみたいです?
次に手の大きさを、私の根源と同じ程度になる様に意識します。
…すると大きな手が一つ現れました。それこそ巨大な掌が一つ薄暗い空間に浮かんでいます。
何と言えば良いのでしょうか?広い空間に巨大な真っ黒い掌が、浮かんでいます。そしてその掌の中には、明るく輝く小さな魂が漂っているのです。この手の形状が人族やそれに近しい存在の手とは知らない者がこれを見たら、こう言う生き物や存在と思う事でしょう。
私も人族を知る前でしたら、この様な存在が居る事に疑問を持たなかった事でしょう。…しかし、世界?は広いので、必ずしもこの様な存在が居ないとは言い切れません。
更に私は検証を続けます。
大きな手を徐々に小さくして行きます。しかし、手の数は変えず一つになる様に意識をします。そうすると私の根源で有る靄状の黒い球体から一本の小さな手…いえ関節の無い腕と言った方が正しいのでしょうか?が生えた不思議な存在が出現しました。
大きな手を意識した時には一つの大きな掌が現れたのですが、小さな手を意識したら根源から手が生えた物が現れてしまいました。
…謎ですね。
…もしかすると私の根源で有る黒い球体は姿形を変える事が出来るのでしょうか?球体と言うのも仮の姿で有りそもそも決まった姿形が無いのか、そして自由に姿形を変えられるが質量又は体積は変えられない可能性が有ります。
…ですが黒い手を沢山出現させた時には、根源の球体の大きさは変わっていなかった様に思います。
考えれば考える程訳が解らなくなっていきます。
私の根源は謎と言うか、理不尽な存在ですね。私の能力では理解出来ない、そもそも本当に私の根源なのかも解りませんが理解に苦しむ存在です。
まあ、これはこの理不尽な存在が私の根源だと言う前提での考えでは有るのですが…私の能力ではこの辺りが限界ですので、小さな魂を取り出す事に集中しようと思います。
小さな魂を掴める程度の小さな手を一つ出現させます。黒く霞んだ球体から黒い影の様な一つの掌と関節の無い腕が生えます。その手を球体の中に差し入れ、その中でゆっくりと漂って入る明るい球体、小さな魂を優しく掴もうとして近付けます。
小さな魂は黒い手が近付いて来ても、気にした様子も無くその場でゆっくりと漂っています。まだ産まれても居ない存在ですので、警戒や疑うなどと言った事は無いのでしょう。近付いて来る黒い手を気にした様子も有りません。
黒い小さな手が小さな魂にゆっくりと近付いて行きます。自分の直ぐそこまで黒い手が近付いて来て居るのですが、小さな魂の動きに変化は有りません相変わらずゆっくりと漂っています。
これは好都合です。ここまで警戒されないのでしたら、問題無くこの小さな魂を掴む事が出来るでしょう。
その油断とも取れる安易で楽観的な考えがいけなかったのでしょうか?
黒い手が小さな魂を掴む、まさにその瞬間に小さな魂は消えてしまいました。黒い手は目標を見失ってしまい、その場から動かなくなってしまいました。そして動かなくなった黒い手を嘲笑うかの様に、少し離れた場所に小さな魂は姿を現したのです。
それは姿を消して移動したのか、それとも短時間で少し離れた場所に移動したのか、どちらも似たような意味あいですがどちらかは解りませんがこの小さな魂には二つの大きな魂とは違う独自の移動方法が有るみたいです。
まさに一難去ってまた一難です。それは小さな魂を舐めてかかった私への罰なのでしょうか?先に掴む事が出来た大きな魂は人族として生きた経験や知識が有って特に一つ目の魂を掴むのには苦労しました。二つ目の魂は一つ目と比べるとそれ程苦労はしませんでしたが、それなりには労力が必要でした。
そして三つ目の小さな魂ですが、先の二つの魂よりは簡単に掴めると思った私の安易な考えが招いた結果なのでしょう。油断や緊張感の無さは時として、不幸な結果を招く事になりかねません。もしかして魔神と呼ばれる存在が私に課した試練とかでは無いと思いますが、何事にも手を抜くなと言う事なのでしょう。
これは今後の戒めとして心に留めておいた方が良いのでしょうね。
朝から暑いですね。
皆様熱中症にはお気を付け下さい。




