80
続きです。
気が付けば80話です。
100話を目指して頑張りたいです。
宜しくお願い致します。
私は身体ごと顔を背けて、兎の獣人族の女が視界に入らない様に真反対の方向を向きます。私が自分の事を見ていないのを確認したのか、兎の獣人族の女の方から衣擦れの音がし始めます。私が渡した服を着ているのでしょう。
頭からスッポリと被る様に着る服で腰の辺りを、ベルトか紐で締めます。胸元が大きく開いていますが、上から羽織る薄手の上着を渡した方が良いでしょうか?服の丈も短いみたいで動くとお尻が見えてしまいそうです。何故だか、いけない事をしている様な何とも言えない背徳感の様な気分にさせられます。
その奇妙な感覚を味わう原因に思い当たりました。そう言えば下着を渡すのを忘れていました。只でさえ露出の多い服装なのに下着を身に付けていないとなると、人族の倫理観や常識によりますと、動く度に色々と見えてはいけない部位が見えてしまう事は、夜の大人の店や色街以外では露出癖や無防備や天然と呼ばれる女達くらいでしょう。
私は特に気になりませんが、彼女が露出癖などの特殊な性癖を持っていない限りは、羞恥心でこの場から身動きが取れなくなる恐れも考えられます。
衣擦れの音が止みましたので、私が顔を背けている間に兎の獣人族の女は服を着る事が出来た様です。
「…ご主人様申し訳有りませんでした」
兎の獣人族の女の頬は心なしか赤くなり、目元も少し濡れている様に見えます。やはり私の失策で羞恥心を覚えたのでしょう。
「いえ、問題有りません。貴方こそ大丈夫でしたか?」
「…はい、大丈夫です…」
そうは言っていますが、丈の短い服の裾を押さえて落ち着かない様子です。若干息遣いが荒くなっているみたいです。
「それは良かったですね、体調に違和感等は有りませんか?」
上気した頬に荒くなった息づかい、丈の短い服の裾を気にして服の裾を押さえモジモジとしている姿には、何故だかもっと辱しめてみたいと言う気持ちも私の中には湧いて来ています。
これは私が悪魔なので、私以外の存在の不幸を愉しんでいるのでしょうか?
「…ご主人様、申し訳有りませんが下着等は有りませんか…?」
思った通りの反応ですね。彼女は露出に快感を覚える性癖では無かった様で良かったです。
「下着ですか?」
一応下着と羽織る物の準備はしていますが、彼女の口からはっきりと言って貰った方が良いでしょうし、私が彼女の上位者になりますので上下関係をはっきりとさせた方が良いでしょうね。
「…あの…動く度に色々と見えてしまいそうで…」
今でも見えそうで見えない、ギリギリのラインです。こんな状況を愉しむ人族の男達も居るみたいです。
「そうですね、私には見慣れた光景でしか有りませんが…」
私がそう言うと、兎の獣人族の女はその場に踞ってしまいました。
「……」
彼女の顔は全体が赤くなり、目からは今にも涙が零れ落ちそうです。自身の身体を搔き抱きつつも、太ももの辺りはモジモジと忙しなく動いています。
これ以上彼女を苛めても仕方が有りませんね。現実に有ったことを伝えただけなのですが、これでは私が彼女を辱しめている様にしか見えませんね。実際には辱しめているのですが…。
羽織る物を肩にそっと掛け下着を渡すと、そして私はまた彼女とは反対の方向に身体ごと向き直ります。
「私は向こうを向いていますから、今の内に身に付けて下さい」
「……!」
彼女が何かを言ったみたいですが、声が小さ過ぎて私には聞こえませんでした。私の耳でも聞き取れないとは、もしかすると私の気のせいだった可能性も有りますね。
しかし、なかなか彼女が動き出しません。私が見るのではと警戒しているのでしょうか?それとも、私が渡した下着の身に付け方が解らないとか、下着が気に入らなかったとかでしょうか?
「どうかしましたか?」
「…済みません、足に力が入らなくて立ち上がる事が出来ません」
何故なのでしょうか?私は威圧や威嚇したりした記憶は有りませんが、彼女の足は竦んでしまい立ち上がれないと言うでは有りませんか。
「解りました。では、私が手伝いましょう」
「い、いえ、そ…れは…」
私は善かれとの思いで親切心からの発言なのですが、彼女は何故か拒否しようとしています。恥ずかしいと言う事は私にも理解出来ているつもりですが、困っているのなら助けるべきでしょう。
「時間は有限です。限られた時間で私達には成すべき事が有ります。これ以上時間を無駄だにすべきでは有りません」
私達にも予定と言う物が有ります。何時までもこのままでは先に進む事が出来ません。
「ですが…」
私が説明しても、彼女は理解をしてくれません。
「まっ、待って下さい」
これでは埒が明きませんのでここは少し強引かとは思いますが、私が下着と上着を着せるべきでしょう。
「済みませんが、少し強引にいきます」
私は彼女に近寄ると出来るだけ優しくでは有りますが、彼女の両手を持つと無理矢理に立ち上がらせました。彼女は困った様な驚いた様な表情をして固まっています。しかしここで私が躊躇う訳にはいきません。少し強引とは思いましたが薄手では有りますが、上着を羽織らせる事にします。
「上着を着せますので、腕を上げて下さい」
しかし彼女は両手を上げません。何故なら私が彼女の両手を持っているからです。今から彼女に着せる上着も頭から被る様にして着るものですので、彼女の両腕を私が上に上げます。
「あっ、だめっ…」
彼女の両腕を上に上げる事により強調されていた胸元がより一層強調され、胸元に有る二つの膨らみが今にも零れ落ちて来そうです。膨らみの全てが見えそうで見えない、何とももどかしさを覚える光景ですね。
「…」
彼女の顔だけでなく身体まで赤くなっているみたいです。息遣いも更に荒くなり、身体は熱を帯びている様で目の前に居る私にまでその熱っぽさが伝わって来そうです。
片腕ずつ順番に袖を通していきますが、腕の位置が替わる度に胸の膨らみが揺れながら形を変えます。両腕を下ろすと動きを止め、服の上からでも綺麗な曲線が見て取れます。そして次に頭を通すと、最後には胴体だけです。服の裾をゆっくりと彼女の身体のラインに沿って下げていきました。これで胸元が強調される事も無くなったでしょう。
次は下着です。下着を履かす為には下着に両足を通さなければ履かす事は出来ません。
私は足が竦んで立つ事の出来ない彼女の腰の辺りを両手で支えると、彼女の前でしゃがみます。そうすると服の裾が短い事も有り、彼女の両足の付け根が私の目の前に来ます。両足の付け根、股の部分からお腹にかけて白い毛が生えています。それはそうでしょう。彼女は白い兎の獣人族なのですから。
その彼女の股の部分の毛は何故か湿り気を帯びて光っている様にも見え、そこからは甘いような酸っぱいようなそんな不思議な匂いがしています。例えるなら熟した果物でしょうか?とても甘い果物と酸っぱい柑橘類の二つの果物を並べている様なそんな匂いです。ですが嫌な匂いでは有りません。何と言えば良いのでしょうか…私の本能を刺激すると言えば良いのでしょうか?心の奥底に有る何かを呼び覚ます様な、そんな事を思わせる不思議な匂いです。
鼻にツンと来る刺激臭では有りませんので、粗相をした訳では無いみたいです。彼女の両手を私の肩に置き私に捕まらせると、私は両手が空きましたので片手で下着を持ちもう片方の手で彼女の足を持ちそしてゆっくりと持ち上げ、下着に足を通していきます。下着に足を通し終えると、もう片足も下着に通します。
彼女の手から熱くなった体温が感じられ、私が触っている足も熱く感じられ呼吸の速度も早くなっています。病気等では無ければ良いのですが…少し心配ですね。
彼女の股の部分の湿り気は履かした途端に下着を湿らせてしまいましたが、上着の裾が長いので簡単には見えない事でしょう。
もし着替えが必要でしたら私の能力で一瞬にして履き替えさせる事も可能とは思いますので、その事の検証も必要でしょうね。
暑くなったり寒くなったりと服装選びが難しい季節ですね。




