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とある悪魔さんの最恐伝説(になるかも知れないお話)  作者: きすぎ あゆみ
悪魔さん、初めての召喚
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続きです。

宜しくお願い致します。

 人族達の輪から出て来た若い女ですが成人したかしないかの年齢でしょうか。顔には幼さと大人びた様子が見て取れますが、怒りや呆れなのでしょうか今は表情が強張っています。美しさと同時に可愛らしさも有り、私が見た事の有る人族の女の中でも十分に美しい若い女と思われます。


 動き易い様に赤茶色の長い髪を首元で一つに括っていて、活発そうな大きな薄い緑の瞳に小さい唇です。表情が強張っているので、美しい顔が台無しですが…いえ、その表情も美しいと言えるでしょう。


 若い女が一歩出た事で話し掛けづらい状況ですが、その様な事を気にしていては悪魔等という存在は勤まりません。私のような悪魔が空気を読むなど、無理で無駄な事です。


「済みません、私の相棒が何かご迷惑をお掛けしましたでしょうか?」


「何だお前は!関係の無い奴は引っ込めー!」


 先程若い女が声を掛けた時には特に状況は変わりませんでしたが、今回は違いました。回りからの野次でしょうか?汚い言葉も飛んでいます。


「ワン(ご主人、メシ、食う、良い?)」


 キオさんが勢い良く私に駆け寄って来ました。そして私の足元で、私を見上げて勢い良く尻尾を振っています。酔った男達の事など、全く気にしていない様子です。実際キオさんから見れば、人族など食事という感覚でしか無いのかも知れません。私が止めているので人族を襲う事は有りませんが、そうで無ければ今頃はキオさんのお腹の中に収まっていた事でしょう。


「い、きなり、出て、来やがって、何だ、テメー、は?」


「俺、達の、晩飯を、横、取り、しや、がって!」


 彼らは本気でキオさんを食べようとしていたみたいですね。酔っているからなのではと、思わなくも無いですが…。大人二人で小さな子狼の姿をしたキオさんを食べる事は、可能ですね。小さな子狼ですが鳥や兎と比べれば、大きいのでそれなりに食べる部分も多いのでしょう。…いえ、キオさんを食べる食べないの話では有りませんでしたね。


「ご飯ですか?」


「貴方達は、こんな小さな仔犬を食べるつもりですか!可愛そうとは思わないの?」


 男達の言葉を聞いた若い女の表情は、更に険しくなってしまいます。折角の綺麗な顔が台無しですね。私の存在など忘れられているのでしょうか?


「食べる食べないはどうでも良いのですが、彼は私の相棒ですので誰にも渡す気は有りません」


「あーん!この、チビは、俺達が、先に、見付、けたから、俺達、の物だ!」


「俺、達の、晩、飯だ、ぞ!」


 彼等は私の話を聞いていないのか、理解が出来ないのかどちらなのでしょう?余程キオさんを気に入ったのでしょうね、食材としてですが…。


「貴方達はまだそんな事を言っているのですか。こんなに可愛い子を食べるなんて、貴方達には良心は無いの?」


「阿保、か、良心、で、腹が、太る、か!」


「こいつ、は、俺達、の、晩飯、だ!」


 そう言いながら男の一人がキオさんの後ろから近付いて捕まえようとしましたが、キオさんはその事に気が付くと素早く私の後ろに回りました。


「この、野郎、退き、やが、れ!」


「あっ危ない避けて!」


 人族の輪の中からでしょうか、キオさんを心配する声も聞こえますので、キオさんを食材として見ていない人族も居るという事でしょう。


 酔っ払いというのは、面倒な存在ですね。私もお酒を飲む機会が有っても、飲み過ぎない様に気を付けなければいけませんね。


 私の後ろに回ったキオさんを抱き上げるために身を低くするついでに、近付いてきた男の足元を素早く払って転がすと空かさず当て身を繰り出して酔っ払いの意識を刈り取ります。初めて当て身を行いましたが上手くいったのでしょう、酔っ払いは倒れ込んでしまって身動きはしていませんが、胸の辺りが少しずつ上下していますので、死んではいないでしょう。


「テッ、テメェ、何、をし、やがっ、た!」


 私が繰り出した足払いと当て身は素早く行ったので、酔っ払いの目には見えなかったのでしょう。しかし私が何かをした事には、勘づいたのか決め付けたのかは解りませんが私が何かをした事にしたいのでしょう。


「酔っているみたいですから、酔いが回って眠ったのではないですか?」


「おチビさんの飼い主もそう言ってるんだから、もうどこかに行った方が良いと思うけど?」


 ここまで状況が悪くなったのですから、引いてくれれば良いのですがそんなにキオさんが美味しそうに見えるのでしょうか?


「うっ、うる、せー、黙れ!コイ、ツは、俺の、晩飯だ!」


 しかし、何故こんなにもキオさんに執着するのでしょう?何か特別な理由でも有るのでしょうか?空気中の魔素≪マナ≫や身体の中に有る魔素≪オド≫が見えるのでしたら、キオさんが美味しそうに見えるのは理解できるのですが…。キオさんの身体が淡く輝いて見えますので。


 しかし、そうで無いとするとただの食い詰め者なのかもしれませんが、お酒を買うお金は有る?有ったみたいですので私には理解しかねますね。


「キオさん大丈夫でしたか?どこか怪我とかはしていませんか?」


「バウッ(人族、男、遊ぶ、居た!)」


 キオさんの感覚ですと酔っ払い達と、遊んでいたという事なのでしょうか。遊んでいたのか遊ばれていたのかは、私には解りませんが。


「怪我が無いのでしたら問題は有りませんね」


「アウッ(人族、狩る、下手、オレ、逃げる、上手い!)」


 私が抱き上げたのでキオさんの顔の近くに串焼きが有ります。キオさんの注意も串焼きに向かっていますので、食事にした方が良いでしょう。キオさんの口許の涎が今にも垂れて来そうですし。


「そうですか、それなら良かったですねっ!」


「テメ、ーッ、俺の、飯を、返し、やが、れ!」


 後ろから近付いて来たもう一人の酔っ払いが体当たりして来ましたので避けようとしたのですが、先に意識を刈り取っていた酔っ払いに躓いて自分から地面へと突っ込んで行きました。顔面から地面へと向かいましたので、衝撃と痛みはかなりの物と思われます。鼻や歯が折れてしまっているかもしれません、顔面が紅く染まっていますが意識は有るみたいですので、ついでに彼の意識も刈り取ります。


「おチビさん、大丈夫だった?」


 酔っ払い二人が意識を失った事で安心したのでしょう。若い女が近付いて来ました。


「バウッ、バウッ(ご主人、メシ、食べる、良い?)」


「少し待って下さい、人族が少ない場所まで移動しましょう、キオさんがお腹を空かせていますので」


 キオさんを抱いて串焼きを手にした私は、人族の輪から離れる事にしました。先程まで有った筈の人の輪も、酔っ払い達が意識を失った事で興が冷めたのでしょう、少しずつこの場を離れて行っています。


 人族の輪から離れ屋台からも少し離れます、その間若い女は私に付いて来ています。私が抱いているキオさんの事が気になるのでしょう、その視線はキオさんを追っています。ですが、時々私にも視線が向けられます。彼女とは初対面の筈ですが…私の顔が誰か彼女の知り合いに似ているとか、それとも私の顔に何か付いているのでしょうか?


「済みません、私の顔に何か付いていますか?」


「ごっご免なさい、貴方が本当におチビさんの飼い主なのかと思って…」


 まさかそんな事を疑っているとは思ってもいませんでした。確かに彼女には狼語と言えば良いのか解りませんが、キオさんの言葉は理解出来ないでしょう。私の場合は魔獣や魔物を吸収した影響かは解りませんが、キオさんの言葉が理解出来ますので一応会話?が成立しています。一部怪しい部分も有りますが…。


「飼い主?飼い主と言うより、相棒と言う方が近いと思いますが」


「相棒ですか?」


 若い女の表情からは呆れと戸惑いでしょうか、言葉で表すのなら「この男は、何を言っているのだろう」と言ったところでしょう。


 人族の視点ですと、私とキオさんの関係は飼い主とペットに見えるでしょう。しかし、私達の関係は主従では有りますが、お互いの足りない所を補い合う相棒でも有ります。


「そうです、相棒です」


 ですので私はもう一度繰り返して、言葉にしてみました。


話の脱線が多く、中々冒険出来ませんね…。

思い付きで書いていますので…。

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