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とある悪魔さんの最恐伝説(になるかも知れないお話)  作者: きすぎ あゆみ
悪魔さん、初めての召喚
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続きを投稿しました。

今朝は寒いですね。

 さて、ファーナさんの飼い犬クースさんを探すために、私はクースさんの匂いが付いた物を借りる事にしました。そのクースさんの匂いをキオさんに嗅がせて、クースさんを探し出すのが私の狙いです。それは私が吸収した人族の知識から得た事なのですが、それは今更でしょう。


「レグナさんクースの事をお願いしますね」


「はい、出来るだけの事はするつもりです」


「キオさんも頑張ってね」


 ファーナさんはキオさんの事が気になるのでしょう、優しく抱き上げて頭を撫でています。


「クーン(オレ、クース、探す)」


 キオさんも満更では無いのでしょう撫でられると嬉しそうに尻尾を振っています。野生と言うか魔獣としての矜持とかは無いのでしょうか?それとも先程の干し肉で、餌付けされてしまったのでしょうか?


 私はクースさんの匂いが付いた布切れを借りて、ファーナさんのお宅をお暇しました。


「クースさんを探す前に、今日依頼を受けている商会の仕事を片付けましょうか」


「クー(ご主人、クース、探す、無い?)」


「いえ、その前にやるべき事をやっておかないと、探索者としての評価が下がってしまいますので、先ずは商会の依頼を片付けましょう」


「ワウッ(ご主人、解った、ご主人、頑張る!)」


「ありがとうございます。私が依頼を受けている間にキオさんはクースさんの匂いを覚えていて下さいね」


「ワフッ(ご主人、解った、オレ、クース、匂い、覚えた!))

 私は今日新たに受けた依頼、商会の配達や荷物の運搬の依頼のために商会に向かいました。商会からの依頼は商業ギルドや取り引き先やお得意様等への荷物や手紙の配達で、急ぎの手紙の場合には届け先からの返事の手紙を受け取る必要も有ったりと、半日程度の依頼の予定でしたが結局昼を過ぎて夕方近くまでかかってしまいました。


 その間キオさんは商会には置いておけないとの事でしたので、私が抱いて移動したり荷車に乗せて移動したりと一日中共に行動していました。


「ワウッワウッ!(ご主人、クース、匂い、有る)」


 今日最後の配達先から商会へと戻っている時に、キオさんがクースさんの匂いを見付けたみたいです。しかし、今は商会へと戻らなくてはいけません、私はキオさんをその場に残して商会へと戻る事にしました。キオさんには私の存在の一部が同化していますので、たとえ離れていても探し出す事が出来ますので問題は無いでしょう。


「解りました。でも私は一度商会に戻りますので、キオさんがクースさんを見付けて下さい。」


「バウッバウッ!(ご主人、解った、オレ、クース、探した!)」


「商会に戻ってから私も直ぐに向かいますので、宜しくお願いしますね」


 キオさんの見た目は子狼ですがその本性も未だ子供では有りますが、人族の背丈程の体高が有る狼の魔獣です。一人いえ、一匹にしても問題は無いでしょう。何か想定外の事態になり人族を勝手に食べてしまわない限りはと、と言う条件は有りますが。


「ウー、ワン(ご主人、オレ、解った!)」


 小さな子狼の姿のキオさんはクースさんの匂いを追い掛けて、元気に走って行ってしまいました。私ものんびりとはして居られませんね。私の相棒?分体?が頑張っていますので、私も出来る限り早めに合流しなければなりませんね。私も商会に向けて、急いで戻る事にしました。


 商会で依頼完了を証明する書類を貰い、キオさんと合流するためにキオさんの気配いえ、自分の微かな気配を追います。


 商会では私の働きを評価して貰えたみたいです。追加の報酬を貰えましたし、次回依頼を出した時に是非依頼を受けて貰えないか等と言って貰えました。確かにいつ青銅級に昇級出来るのかは今の所未定ですので、実入りの悪い依頼を受けるくらいでしたら商会からの依頼を受けるのも悪く無いのかも知れませんね。


 そんな事を考えていると、少しずつ私の分体の気配、キオさんの気配を強く感じられる様になって来ました。


 私がキオさんの姿を見付けるとキオさんも私に気が付いたのでしょう、私の方へ駆けて来ました。


「バウッ!(ご主人、クース、匂い、した、ここ!)」


 私は駆けて来たキオさんを抱き上げると、頭や背中を優しく撫でてキオさんを労います。


「キオさん、ご苦労様です。何か問題は有りませんでしたか?」


 特に何も問題が無かったのでしょう。人族を襲ったり逆に襲われたりといった事は無く、キオさんの意識はクースさんに向いて居るみたいです。


「クーン!(クース、ここ、居る、中、入る、無い!)」


 そう言ってキオさんが顔を向けたのは、人の背丈程の壁に囲まれた建物でした。この辺りは商業区と住宅街の中間でしょうか?住宅の中に商店が混じっています。その中に建てられた高い塀に囲われた建物は、この地域には不釣り合いに感じられます。


「それはこの建物の中に入れないと言う事ですか?」


「ワウッ(入る、無い、人族、居る)」


 入り口に門番なりが居ると言う事でしょうか?私は確認のためにキオさんを抱いたまま、塀に囲われた建物を含めたこの区画を歩いて回ってみました。


 塀に囲われた建物はこの辺りの建物の中でも、敷地が広く普通の家に例えると何軒分有るのでしょうか?私が吸収した人族での知識にはなりますが、五、六軒分かそれ以上有るのでは無いでしょうか?塀に沿って歩いて行くと三方が通りに面していて、三方全てに門が有ります。


 門の内二ヵ所は閉められていますが、一ヵ所正面?正門?になるのでしょうか?ここはは開かれており門番なのでしょう、武装した人族が一人立っています。門番は緊張した様子も無くそれでいて気を抜いている様子にも見えません。適度に警戒していると言った所でしょうか?


 私がキオさんを連れて門の前を歩いていると、門の方から一瞬視線を感じましたがそのほんの一瞬だけでした。何かの施設なのでしょうか、門番が居るのでしたらそれなりに資産を持っている人族の家の可能性も有ります。私が吸収した人族の知識や記憶にもこの建物の事は有りませんので、ここは私自信で解決するしか無いのでしょう。


「あのー、済みません」


「何だ、兄ちゃん?」


 武装している門番ですが私が話し掛けても威圧する感じでは無く、どちらかと言うと面倒臭いとでも言いたそうに気だるそうな態度で私に対応しています。


「知り合いの飼い犬の匂いをこの子が追い掛けてここに来たのですが、そうしたらどうもその飼い犬がこの塀の中に居るみたいなのですが、中に入る事は可能でしょうか?」


「あのなー兄ちゃん。この建物が何なのか知っていて言ってるのか?」


 少々口が悪いのですが門番として大丈夫なのでしょうか?もしかして誰も訪れる事の無い、それか滅多に人族が訪れる事の無い建物なのでしょうか?


「いえ、知りません。どなたかのお宅ですか?」


「まあ、良いか。少し待っていてくれ。上に聞いてみるわ」


 そう言って門番の人族は建物の方に歩いて行きました。代わりに武装した人族が建物から出て来ます。代わりの門番でしょうね。


「おっ、あんたは確か≪レッグとマーサのかまど亭≫に泊まってる、新人君じゃないか?」


 交代の門番としてやって来た人族は、私の事を知っているみたいで気安く声を掛けて来ました。私は彼の事は記憶に有りませんがどうしてでしょうか。


「新人君ですか?新人探索者と言う意味でしたら、その通りですね」


「んで、あんたが抱いているのが噂の狼さんか?」


 キオさんの事まで知っているとは、この門番の人族はもしかして≪レッグとマーサのかまど亭≫のお客なのでしょうか。


「そうですね、私の相棒のキオさんです」


「そうかそうか、あんた達色々と噂になってるぞ!」


 私が噂になっているとは何事でしょうか?私の感覚ですと普通に人族に成り済まし普通に人族の中に混ざっているのですが。目立つような事をした記憶は有りませんが。


「噂ですか?特にこれと言って何か問題を起こしたりとかは記憶に無いのですが?」


「どっちかと言うと、町の女の子達の間で話題になっていると言った方が正解かな!」


 女の子とは人族の若い女、または成人前の女の事でしょうか?その様な者との接点には心当たりが有りませんね。


「私の事が町の女性の間で話題にですか?特に私は女性との接点は有りませんが?」


「それは、あれよ…」


 交代した門番の人族と私の噂について話し掛けられていると、建物の中から先程まで門番をしていた人族と小さな犬を抱いたファーナさんが出て来ました。


 クースさんを探していた筈のファーナさんが何故この場に居るのでしょうか?

勢いと思い付きで書いております。

読んで頂いている皆様、内容の齟齬等はご都合主義と言う事でご容赦下さいませ。

感想やアドバイスを頂けると嬉しいです。

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