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とある悪魔さんの最恐伝説(になるかも知れないお話)  作者: きすぎ あゆみ
悪魔さん、初めての召喚
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続きを投稿しました。

 レッグとマーサのかまど亭を出て、探索者ギルドに向かいます。私が歩いている足元を、子狼の姿の狼さん改めキオさんが短い足を一生懸命に動かして私に付いて来ています。朝の人族が仕事等で動き始めている時間帯ですので、そんな私達の姿を回りの人族達が物珍しそうに見ています。人族の女からの視線は特に多く、「可愛い」とか「素敵」等の言葉も聞かれます。


 人族の男が子狼を連れている姿がそんなに珍しいのでしょうか?人族の女の考えは私には理解出来ませんが、私が吸収している人族の女の知識?認識では、人族の子供や赤子、動物の子供や赤子は可愛いと呼ばており愛でる対象です。そしてその可愛いと呼ばれる対象に、愛情を注ぐ事が良く有るみたいです。


 確かにレッグとマーサのかまど亭の看板娘?のジレアさんもキオさんの事を大変可愛がっていますし、マーサさんも何かとキオさんの事を気に掛けています。人族に限らず、女や雌が子供や赤子に愛情を注ぐ事は本能から起こる行動であり、それは女や雌で有れば年齢に関係無く見られる行動の様です。


 何時もでしたら回りの人族から注目を集める事は無いのですが、今日は多くの人族に見られています。やはりキオさんの存在は、侮れないのかもしれません。確かに私の足元でチョコマカと短い足を懸命に動かしている姿は、頑張れと応援したくなる気持ちは解らなくも無いですが…。


 ああ、そう言う事でしたか。私達の事を見ている人族達は、キオさんを応援しているのですね。そう言う事でしてら、私達に注目している理由も理解出来ます。


 回りの人族達から注目されていますが、だからと言って私達の予定が変わる訳では有りません。私とキオさんは回りからの視線を気にしないようにして、探索者ギルドに向かいます。実際キオさんは私の足や影をを追いかけるのに夢中で、人族達の事等気にしていないみたいでしたが。


 回りから注目はされましたが、特に声を掛けられるでも無く、更には絡まれる事も有りませんでしたので無事に?探索者ギルドに到着しました。


 私とキオさんが探索者ギルドに入ると、扉が開いた音で入り口に視線を向ける者達がいますが今日は少し様子が違いました。何時もでしたら入り口に視線を向けますが、興味が無いのか目的の人族では無かったのか、直ぐに視線を元に戻すのですが今日に限っては、視線を元に戻そうとしてもう一度私達を見る、又は私達を見詰めている人族も居ます。


 私とキオさんの組み合わせはそんなに珍しいのでしょうか?


 そんな人族達の不思議な行動を気にしても仕方が有りませんので、私は受付カウンターに向かいます。今日はエリサさんの姿が見えませんが、お休みなのでしょうか?いくら探索者ギルドが年中無休と言っても、私の様な悪魔でも無い普通の人族の職員達が年中無休と言う訳にはいかないでしょう。


「…いらっしゃいませ、ご用件をお伺い致します」


 何故か受付の人族の若い女は、私が近付くと驚いた様に少し腰が引けていますが私が何かしたのでしょうか?彼女とは初対面の筈ですが、やはり人族の行動は私には理解出来ませんね。


「初めましてですかね?新人探索者のレグナと申します。宜しくお願い致します」


「…はい、初めまして受付のウィスと申します。よ、宜しくお願い致します…」


 やはりウィスさんとは初対面でしたが、何故か警戒されているみたいですが、何故でしょうか?心なしか少し顔が赤い様にも見えますが、何か有ったのでしょうか?


「済みません、この子をギルドの中に入れても良かったのでしょうか?」


 私は受付嬢に見える様にキオさんを抱き上げました。


「…そうですね、その子はまだ小さいので走り回ったりして、他の探索者やお客様のご迷惑にならない様に、抱いていて頂ければ問題は無いと思いますが」


「解りました。ありがとうございます」


 私はキオさんを抱いたままの状態で、依頼書が貼り出されている掲示板に向かいました。人族の中で生活しなければいけませんので、余り人族に迷惑を掛ける訳にもいきませんね。私の聞き間違えでは無いと思いますが、私が受付から離れるとウィスさんの物と思われる溜め息が聞こえて来ました。一体何が有ったのでしょうか?


 私は依頼書が貼り出されている掲示板で銅級探索者の依頼を探しました。相変わらず、余り代わり映えのしない依頼ばかりが貼り出されています。もしかして、もっと早い時間に探索者ギルドに来た方が良いのでしょうか。


 今日の予定としては、なるべく簡単な依頼を受ける予定です。今私が受けているペットを捜索する依頼と合わせて依頼を達成するためには、複雑な依頼を受けない方が良いでしょう。


 簡単な依頼となると、畑の手伝いや公共施設の掃除等が有りますが、各ギルドの手伝いも中々良いかもしれませんね。


 ペットを探す依頼は町の中を移動する事になると思います。それと合わせて受ける事になる依頼となると、難しい所ですね。しかし、少しでも早く昇級したいと言う事も有りますので、無理をしない程度に何かもう一つ依頼を受けたい気持ちが有ります。


 さて、どうしましょうか。そう言えば商業ギルドや商会の雑用の依頼も有りましたね。以前受けた商会ギルドの倉庫整理とは別に、お客への配達の依頼も有ります。この依頼と似た依頼が商会からも出されていますので、この依頼のどちらかを受けると町の中を移動する事になるのではないでしょうか。私の勝手な憶測でしか有りませんが。そうなると、ペットを探す依頼も同時に行えるのでは無いのでしょうか?


 これは受けてみるしか無いですね。私の憶測通りに行けば良し、もし違ったとしても一つ依頼を達成出来るので、また一歩昇級への道が近付く事になりますので、どちらに転んでも私に損は無い事でしょう。


 商業ギルドでしたら数回行った事が有りますので土地勘から言うと、商業ギルドの依頼を受けた方が良いかもしれません。


 そう思い私が商業ギルドから出されたお客への配達依頼の依頼書を取ろうとすると、私の横から手が伸びて来てその手も商業ギルドからの依頼書を手に取ろうとしていました。


「「……」」


 私と私の横から手を伸ばした人族はお互いの顔を見合せました。私では見た目で人族の年齢を予測する事は難しいのですが、私の横から手を伸ばした人族はとても若く見えます。もしかしたら成人していないのかもしれませんが、銅級探索者の依頼書を見ていたのですから成人しているのでしょう。


 人族の成人した男では私の背丈は普通くらいと思いますが、その私の背丈よりも握り拳二つ分は低く、赤い頭髪は短く刈られ、薄い緑の大きな瞳は意志の強さを表す様に少し釣り気味です。成人にしては幼く見えるので、パッと見では男か女かは解りません。しかし服装は男の物を身に付けて居ますし、胸の膨らみも無さそうですので男いえ少年なのでしょうか?


「この依頼は俺が先に目を付けたんだから、この依頼書は俺のだ、その手を退けろ!」


 成人しているにしては声が高い様に感じられますが、成人したからと言って皆が皆声が低くなる訳では無いのでしょう。


「いえ、私が先にこの依頼を見付けたのですから、貴方こそその手を退けて下さい」


「なんだと!お前がこの依頼書を取らないから俺が取ろうとしたんだろ。そしたらお前が後から依頼書に手を出したくせに、俺の方が早かったからこの依頼書は俺のだ」


 これは参りましたね。彼の言い分も理解出来なくは無いのですが、そうするとまるで私に非が有る事になってしまいますし。力ずくでどうにかしようと思えば、どうにでも出来ますがそこまでこの依頼書に拘る必要は有りませんし。どうすればお互いに納得出来るのか、面倒な事ですね。

宜しくお願い致します。

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