67
続きを投稿しました。
宜しくお願い致します。
「御馳走様でした」
「毎度あり」
「レグナさんおチビさんお休みなさい」
ジレアさんは名残惜しそうですね。しかし彼女は仕事中ですし、私達にもこの後予定が有ります。そして何よりこの人族の世界では、夜暗くなると燃料費節約の為に寝るのが一般の人族の生活です。ですので私達もその常識に従う事にします。従うフリですけど…。
「ジレアさんお休みなさい」
レッグとマーサのかまど亭の夕食は、今日も満足のいく内容でした。食事以外では若干問題も有りましたが、今はもう解決したと思っても良いでしょう。
しかし一つ新たな問題が発生しました、それは私が狼さんを「狼さん」と呼ぶ事にマーサさんとレッグとマーサのかまど亭のお客が否定的な事です。ジレアさんは余り気にしてはいませんでしたが、どうせなら「狼さん」と呼ぶよりも、名前で呼びたいとの事です。
この件に関してはジレアさんもかなり乗り気で、名前の候補を幾つか考えるので明日の朝には私に伝えるそうです。確かに「狼さん」と呼ぶより、名前で呼んだ方が良いかもしれませんね。
(狼さん貴方を名前で呼んだ方が良いと言う事になりましたが、貴方には名前とか親や兄弟から何と呼ばれていたか覚えていますか?)
(オレ、名前、親、兄弟、呼ぶ?)
(そうです貴方の呼び名です)
(オレ、呼ぶ、親、チビ、兄弟、シロ)
自然の中で生きている者達には名前には特に拘りは無く、単純に見た目が名前になるみたいです。
(わかりました、シロと言う呼び名を参考にしましょう)
(ご主人、オレ、名前、シロ?)
(それはジレアさんが明日の朝までに名前を考えてくれるみたいですので、ジレアさん次第ですね)
一つ何かを解決するとまた一つ何か問題が発生している気がします。これは私にはツキが無いのかそれとも運が悪いのでしょうか?それとも日頃の行いが良くないと言う事でしょうか?私的には余り目立ったりしたくは無いのですが、不思議ですね。
食事が終って部屋に戻ると、昨日同様森に行きます。ですので部屋に戻り扉を閉めると、直ぐに扉に鍵を掛けます。そうする事でもし誰かが来たとしても、鍵が掛かっていれば私が寝ていると思うでしょうし、たとえ盗人の類いだったとしても私が泊まっている部屋で盗る物は何も有りませんので私としては特に問題は有りません。
先ず私は狼さんを吸収しました。そして私本来の姿で有る黒い霞の状態に戻り、部屋の木窓の隙間から外に出ます。そしてその姿のまま、町の外壁を越えて行きます。昨日同様外壁の上には警備の衛兵が居ますし、そして暗闇の中で活動する者達も居ます。彼等が上空を警戒しているとは思いませんが、目立たない様に空中を森の入り口まで移動します。
森の入り口で狼さんを出現させ、私自身は昨日吸収した四つ目の狼の姿になります。
「取り敢えず、昨日貴方と出会った場所に行きましょうか」
「ご主人、解った、昨日、場所、行く!」
二人?二匹?二頭?で森の中に分け入ります。狼さんが先になり細い獣道を連なって駆け抜けます。流石に狼の魔獣が二頭駆けているので、野獣や弱い魔獣や魔物は近寄って来ません。狼さんと私は森の奥に向かって行きます。
「ご主人、オレ、走る、楽しい!」
「そうですね、この狼の魔獣も走る事が何よりの楽しみみたいですね」
「ご主人、オレ、も、走る、好き」
暫く二頭で森を駆け私と狼さんは、昨日狼さんと出会った場所に辿り着きました。今日はここで昨日吸収した魔獣や魔物達ヘ変化してみて、魔獣や魔物の特徴を調べてみようと思います。昨日戦った時や、その後吸収したのである程度の特徴は理解出来ましたが、私がその特徴を活かせるというのはまた別の話ですので実際に変化してみて試そうと思っています。
それともう一つ気になった点が有ります。それは私が出現させる存在についての検証です。昨日魔獣や魔物達に囲まれた際に、今まで私が吸収してきた人族や野獣や魔獣や魔物を出現させました。しかし、昨日私が出現させたのは彼等の肉体のみで魂が抜かれた?憑いて無い?入っていない状態でした。意思の無い言わば動く死体の様な者です。これでは簡単な命令や作業しかこなせませんし、それでは使い勝手が悪い様に思えてなりません。
狼さんの様に意思の疎通が出来て、ある程度自分の意思で行動する存在が居ると私の行動の幅が広がる様に思えます。ですので昨日吸収した存在も含め、出現させる者達に魂と共に出現させたらどうなるのかの検証も今後行う事にしています。
昨日狼さんと出会った場所に着きましたので、狼さんには暫くの間自由行動にして貰います。
「今から私は昨日吸収した者達の能力を調べますので、その間貴方は自由に散歩でもして居て下さい」
「ご主人、オレ、邪魔?」
私の言い方が悪かったのでしょう。狼さんの耳が少し垂れた様に見えますし、その目も心なしか潤んで見えます。
「そんな事は有りませんよ、貴方は自然の中で生きる者ですので夜くらいは自由に走り回ったり出来た方が良いかと思いましたので」
「ご主人、解った、オレ、走って、行く!」
やはり自然の中で生まれ育った魔獣と呼ばれる存在ですので、自然の中に居ると生き生きとして居ます。
「もし魔獣や魔物が居たらここに連れて来て下さい。無理そうなら貴方が倒しても良いですし、貴方の手に負えそうに無ければ私を呼んで下さい」
「ご主人、解った、魔獣、魔物、連れて、来る!」
私が昨日吸収した者達の能力や特徴を確認する間は、自由時間で良いでしょう。狼さんは元気良く?森の中を駆けて行きました。
四つ目の狼の姿で獣道を駆け回り木の幹や枝を蹴って移動したり、魔獣や魔物が現れないので昨日吸収した存在を出現させその者と模擬戦をしてみます。
狼の魔獣は早さを生かした戦いをするため、早さと手数で相手を追い詰め、相手の動きが鈍くなった所で止めを刺す戦い方です。
目が四つ有るので自分の全方位を見渡す事が出来ますし、相手の動きもゆっくりとした動きに見えます。そして何より相手の動きが前もって見えてしまいますので、戦いの時には非常に有利になります。高速で移動する時等も回りの景色がゆっくりと動いて見えますので、移動しながら自然と回りの状況を観察や警戒をしながら移動する事が出来ます。
この四つ目の狼の魔獣の目は魔眼と呼ばれる物では無いかと、鳥の獣人族の魔物の知識に有りました。魔眼とは生まれつき備わっている先天性の者も居れば、目を怪我したりした時等視力を補う為等でその後身に付く後天性の者も居るそうです。私の場合は狼の魔獣を吸収した事で身に付いたので、後天性と言う事になるのでしょうか?
次に前足が四本有る熊で同様に試してみます。熊の魔獣の大きく重い身体では木を使った移動は出来ませんでしたが、木登りはとても得意でした。狼の魔獣より移動速度は遅くはなりますが、力と破壊力では四つ目の狼の魔獣と比べると圧倒的です。移動速度が遅いと言っても狼の魔獣と比べてと言う事です、人族と比べると移動速度が速いので場所に依って使い所が限られますが移動手段としても使えそうです。
二本の角が生え鋭い牙を持つ馬も移動速度がとても早く木を足場にした移動も出来て、更に速度を生かした角での突撃もとても攻撃力が高いのですが、小回りが利かず森の中で木が密集した所では木が邪魔になりその足の早さや、早さを生かした攻撃は使えそうに有りませんでした。
二つの頭と四本の腕と二本の尻尾を持った猿ですが、猿系の魔獣ですので木の上での移動や攻撃等は得意です。地上でも移動速度が遅いものの障害物が有っても一定の速度で移動出来ますし、戦うとなると四本の腕と二本の尻尾を巧みに操りまるで腕が六本有るかの様に、攻撃と防御を同時にこなせます。頭が二つ有ると言う事は当然、口も二つ有ります。二つの口から同時に違う鳴き声をあげ、その鳴き声を耳にすると倦怠感や焦燥感や疲労感等を感じ動きが鈍くなり、二つの頭と四本の腕と二本の尻尾を持った猿の魔獣は有利に戦いを進める事が出来ます。
勢いと思い付きで書いております。
読んで頂いている皆様、内容の齟齬等はご都合主義と言う事でご容赦下さいませ。
感想やアドバイスを頂けると嬉しいです。




