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とある悪魔さんの最恐伝説(になるかも知れないお話)  作者: きすぎ あゆみ
悪魔さん、初めての召喚
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続きを投稿しました。

宜しくお願い致します。

 私は狼さんと宿の食堂に向かいました。私は一人なので食堂ではカウンターに座ります、それで何時もの様にカウンター席に向かいます。


「レグナさん、ご飯の準備は出来てるよ。おチビさんのご飯も出来てるけど、今日からはこの席を使ってくれないかい」


 マーサさんが私を見付けて、声を掛けてくれました。私の為に用意して貰ったのは、カウンターでも壁際の席です。狼さんが勝手に歩き回らない様に壁際の席にしたのでしょうか?


「済みません、ありがとうございます」


 マーサさんが私用に用意した席には、先程マーサさんが言った様に既に食事の準備が出来ています。食事のメニューは昨日と同じですが、料理の色合いと匂いそして具材が違いますので、今日の夕食も大いに期待が出来ます。


 マーサさんが用意してくれた席は、正確には壁際から二番目の席でした。一番壁際の席の椅子は除けられており代わりに床にお盆が置かれ、そのお盆の上には肉が盛られた皿と私達も食べるシチューともスープとも取れる料理と水が入れられた深皿が置かれていました。


「今日からそこがレグナさんとおチビさんの席だよ」


「お手数をお掛けして申し訳有りません」


 そこで私はマーサさんに渡していなかった狼さん分の追加の宿代、九日分の銀貨九枚をマーサさんに手渡しました。


 今日の夕食もとても満足のいく内容です。メニューと品数は何時もと代わり映えしませんが、料理の味付けや具材が毎回違いますので飽きる事は無いかも知れませんね。私はこの宿の食事は三食目ですので解りませんが、もし食事に飽きたとしても追加料金を払って違う料理を頼めば済む事ですので今気にする事でも無いでしょう。


 狼さんも大きな猪を食べたばかりの筈ですが、勢い良く皿に盛られた食事と格闘しています。


 時折手が空いたのかジレアさんが狼さんの食事している所を楽しそうに眺めて居ますが、他のお客に呼ばれては名残惜しそうに離れて行きます。


 顔を汚しながら生の肉を平らげ、シチューを食べれば顔はシチューにまみれ、最後に水を飲む時に水で顔を洗ったのか顔の汚れが無くなっていました。自らの顔の汚れを長い舌で器用に舐め取っています。


「ああ、私がお顔を拭いてあげたかったのに」


 狼さんの様子を見に来たジレアさんが、残念そうに一言漏らしました。狼さんは満足したのでしょうか?大人しく座っていますが名残惜しそうに食事が入っていたお皿を舐めています。


「ジレアさん済みませんが、狼さんの顔を拭いてあげてくれませんか?」


 私のこの発言には、ジレアさん含私達の近くで私の発言が聞こえたお客も驚いています。


「ええ、おチビさん犬じや無いんですか?狼なんですか!」


「ええ、狼さんですよ」


 私のこの発言で、更に私の回りのの空気が重くなります。驚いて狼さんを見つめる者、私達から距離を取る者、他の席に移ろうとする者等が居ます。


 私の「狼さん」発言は失言だったみたいです。犬でしたら町の中に居ても全く問題は有りませんが、狼となると別問題です。人族側から見ると狼とは森の中の狩人や街道を行く行商人、小さな集落では老人や子供や家畜、時には大人でさえ襲う野獣や害獣として認識されています。


 その厄介者で有る狼が食堂にいるのです。人族としては警戒しないと言うのは無理な事でしょう。


「あんたら大人の狼を恐れるのは解るけど、そんなおチビさんでも怖いのかい?」


 私の回りの重い空気を察したのか、狼さんから距離を取ろうとする人族達を笑い飛ばす様にマーサさんが言いました。


「何か有ったらレグナさんは宿から出て行って貰うし、弁償もして貰う様に話は付いているんだ。必要以上に怖がる事は無いさ!」


 何と言えば良いのでしょうか、見た目通りと言いますかマーサさんは肝が座っているのでしょう。


「そうですよこんなに可愛いのに!」


 ジレアさんが狼さんを抱き上げ、狼さんの頭を優しく撫でています。念願かなって狼さんを抱っこ出来たので、笑顔ですが若干鼻息が荒い気もしますが言わない方が良いでしょうね。先程失言したばかりですので。


「そっそうだな、マーサさんとジレアちゃんがそう言うのなら問題は無いかな?」


「おっ俺はそんなチビスケを怖がって無いぞ、ジレアちゃんの邪魔にならない様に避けただけだぞ」


 マーサさんの発言とジレアさんの行動で狼さんは怖く無い事が証明されました?ジレアさんは本当に狼さんを気に入ったのでしょう。狼さんを撫で回しています。


(ご主人、人族、女、しつこい!)


(今は貴方を弁護していてくれていますので我慢して下さい)


 ジレアさんに抱かれ、頭から背中そしてお腹を撫で回されている狼さんは困惑しています。親や兄弟狼?以外に撫でられたりされた事は無いのでしょうか?


(ご主人、オレ、我慢、する?)


(我慢して下さい)


 それとも馴れ馴れしく撫で回すジレアさんに対して困惑しているのでしょうか?


(ハア、ハア、ご主人、オレ、何か、来る!)


(何かとは?)


 狼さんの息が荒くなり、声も何んだか小さく弱々しい感じがします。


(ああー!)


「クゥーン」


(?)


 狼さんの声は叫び声?以降聞こえなくなりました。何が有ったのでしょうか?


(狼さん?)


(…)


 私が呼んでも反応が有りません。寝てしまったのでしょうか?


「あら、おチビさん?寝てしまったのかな?」


 ジレアさんも狼さんの異変に気が付いた様です。狼さんは力無くジレアさんの胸に顔を埋めて、身動きをしません。胸の辺りが小さく上下しているので、息はしている筈です?


「まあ、可愛い狼さん」


 ジレアさんは自分の胸に顔を埋める狼さんに夢中になっているみたいですね。他のお客が呼んでいるのですが、狼さんを抱き締めてその顔には満面の笑みが浮かんでいます。


「…あのー、お客さんが呼んでいますよ」


「済みません、もう少し狼さんを抱っこさせて下さい!」


 私がお客が呼んでいる事を伝えますが、ジレアさんはそれ所では無いみたいです。カウンターの向こうに居るマーサさんの表情が心なしか良い笑顔?になっています。


「ジ・レ・ア!」


 マーサさんの声も何時もと違って、低い様に感じられます。


「…はい!」


 マーサさんに呼ばれたジレアさんはビクッと肩を震わせました。その反動かどうかは解りませんが、狼さんの反応も戻ったみたいです。


(ご主人、人族、女、凄い!)


 狼さんの声は疲れた様な何かを成し遂げた時の高揚感か解りませんが、恍惚とした雰囲気を滲ませています。


(…何か有ったのですか?)


(撫でる、上手い、気持ち、良い、過ぎる!)


 ジレアさんの撫で方が余程上手かったのでしょう、狼さん的にはとても良かったみたいです。


(撫でるのが上手と言う事ですか?)


(そう、撫でる、上手い、意識、無く、なる!)


 撫でられて意識が無くなるとは?聞いた事も有りませんし、私が吸収した人族や他の生き物の知識でもその様な事は有りません。


(…そうですか?)


(ご主人、人族、女、抱っこ、する、良い!)


 心なしか狼さんが興奮している様に感じられますが、ジレアさんに抱っこされる事は良いと言っているみたいですので、ジレアさんにとっても良いことなのでしょう。


 そのジレアさんはと言うと笑顔で見つめるマーサさんを気にしながら、テキパキとテーブルの間を動き回りお客さんの注文を取ったり、出来上がった料理を運んだり食べ終わったお皿を下げたりしています。


 マーサさんの笑顔には何かしら、逆らえない迫力の様な物が有るのでしょうね。 ジレアさんもですが、お客もその笑顔を見ない様にしていますので。

勢いと思い付きで書いております。

読んで頂いている皆様、内容の齟齬等はご都合主義と言う事でご容赦下さいませ。

感想やアドバイスを頂けると嬉しいです。

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