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とある悪魔さんの最恐伝説(になるかも知れないお話)  作者: きすぎ あゆみ
悪魔さん、初めての召喚
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続きを投稿します。

宜しくお願い致します。

 私が意識を手放してどの位に経ったのでしょうか、少しずつ意識が覚醒して行くと同時に何か生暖かく湿った物が私の頬を撫でています。その動きは不規則ですが何度も必要に繰り返されます。それと同時に生暖かい風も小刻みに、私の顔に当てられています。


 一体何事なのでしょうか?私は未だ就寝中だと言うのに、今、私はこの意識が覚醒するかしないかの狭間の微睡みを楽しんで居ると言うのに…。


 そこで私の頬を撫でる物が、私の顔全体を撫で始めました。執拗に何度も私の顔を撫で続けています。私の瞼や口、耳元や鼻まで撫でられてしまい、私は「クシュン」と小さくクシャミをしてしまいました。すると私に伸し掛かって居た存在は「ビクッ」として動きを止めてしまいました。そこで私はゆっくりと起き上がりました。


 何故か私の膝の上には、暖かな小さな重みが感じられます。


「?」


「ご主人、起きた!」


 私の膝の上に居たのは、白く小さな喋る?子犬?でした?


「…?」


「ご主人、寝てる?」


「…貴方は?」


「オレ、ご主人、吸収した、昨日!」


 はて?子犬と関わった記憶は有りませんが?


「子犬をですか?」


「オレ、犬、違う、オレ、狼!」


「子狼をですか?」


「そう、オレ、狼!子狼、違う!」


「ですが私が吸収した狼は、私よりも大きな大人?の狼でしたよ」


「そう、オレ、大人?、狼!けど、身体、小さく、した?」


 そう言えば昨日?昨晩?昨夜?宿を抜け出して森に行った時に大きな狼と戦って、その後何故か従順になったので吸収しましたね。これがこの子狼なのでしょうか?


「私に聞かれても解りませんが、私が吸収した存在でしたら私の意思で出現させていないのに、何故出現しているのですか?」


「オレ、知らない、気付いた、オレ、ご主人、横、寝てた!」


 全く持って意味が解りませんね何かしらの理由で出てきたのか、勝手に出入り出来るのかこれは初めての事ですので今後調べる必要が有りますね。


 それよりも、木窓の隙間から部屋の中へ明かりが射し込んでいます。薄暗い部屋に一筋の光のラインが浮かび上がっています。と、言う事は…早朝はとうに過ぎていると考えた方が良さそうですね。


 私は木窓に近付くとゆっくりと木窓を上に押し開き、つっかえ棒で窓を固定しました。外は既に太陽が昇り、宿の前の路地には人が往き来しており人族が活動を始める時間を過ぎている事を確信しました。


「やってしまいました!」


「ご主人、悪い、事、した?」


「いえ、そう言う事では有りません。朝寝坊と言う意味です!」


「寝坊?眠い、寝る、悪い、無い!」


「貴方の言いたい事は解った様な解らない様な微妙な所ですが、今日は早起きをしたかったのですが仕方が有りませんね」


「早、起き?眠い、良い、無い!」


「そうですね、ですが私にも予定と言う物が有りますので、まあ、良いでしょう、取り敢えずは朝食にしましょうか?」


「オレ、腹、減った、飯、食う!」


「ここは宿屋です。そして宿代は私の一人分しか支払っていませんし、貴方の存在を宿の人族に伝えていませんので、貴方の朝食は無いでしょう」


「オレ、人族、食う、飯、オレ、狩る!」


「…ここは人族の町です。ここでその様な真似をすれば貴方は忽ち人族達に狩られてしまいますよ!」


「大、丈夫!オレ、強い、人族、飯!」


 この狼は私の言っている意味を理解していないみたいですね。彼が強いのは、私の身を持って体験していますので理解していますが、人族の町で勝手な事をされると私にまで塁が及ぶかも知れないと言うのに!きっと本能で生きて居る魔獣ですので、何も考えていないのでしょうね。


 ここは一つ飼い主?主?としての威厳とでも言いますか、一言言う必要が有りますね。人族で言う所の、〆る?シメる?絞める?と言えば良いのでしょうか?


 私は全身に魔素≪オド≫を漲らせ、子狼を睨み付け、そして子狼を殺した姿を思い浮かべます「…私の言っている意味が貴方には解りませんか?貴方が勝手な真似をすると、私が迷惑すると言っているのです!」


 私はそれ程大きな声を出してはいません。寧ろ普通に喋る位の声量だったと思います。しかし魔素≪オド≫を込めて居たのがいけなかったのかも知れません。私の静かな怒りは、町中の薄い魔素≪マナ≫に乗り小さな衝撃波?の様に町中に広がって行ってしまいました。


 特に何かしらの被害が有るとは思えませんが、路地を歩いて居た人族達が「ビクッ」と身体を震わせて立ち止まり、しきりに辺りを見回して居ますし、小さな子供は突然の事に驚いたのか泣き出してしまっています。…これはとても、いえ決して私が起こした事と解らない様にした方が良いですね。




 私の足元を見ると、哀れな子狼は全身の毛を逆立てお腹を上に向け死んだ様に動かなくなってしまっていました。


「これで解りましたか?私は怒ると何をするか解りませんので、勝手な行動は控えて下さいね!」


「…クーン、クーン…」


「わ・か・り・ま・し・た・か!」


「ご主人、言う、事、聞く、勝手、しない!」


 先程までとは打って変わって私の言う事を聞くみたいです。素直なのは良い事ですね。


「解ったのなら良いです」


「私は朝食を取りに行きますので、貴方は部屋で大人しくしていて下さい!」


「ご主人、解った!」


「貴方の食事は後で考えますので、くれぐれも大人しくしていて下さいね!」


「ご主人、オレ、留守、番、する!」


 私は再度念押しをする様に、子狼に言って聞かせました。これで解ってくれると良いのですが…言う事を聞かないので有れば…実力行使しか無いのでしょうか?


 私は部屋を出ると鍵を閉め、一階に有る食堂へと向かいました。階段を降り食堂に入ると、食堂全体が落ち着き無くざわついています。食事中の人族が何人もいますが、彼らも食事の手を止めて回りの人族達と何やら話をしています。何かしらの事件?事故?問題でも有ったのでしょうか?


「おはようございます、何か有ったのですか?」


 私は取り敢えずカウンターの中に居るマーサさんに声を掛けました。


「朝食をお願いしたいのですが」


「おはようレグナさん、何か有ったのかって?さっきの息苦しさみたいな重圧みたいな、何かしらの嫌な感じを受けなかったのかい?」


「…」


 それはきっと私が犯人でしょうね…!


「今、皆その話で持ちきりなんだよ!全くびっくりさせられたったらありゃしないよ!」


「あー、あれですか…私もそれで目が覚めた様なものですね…」


 嘘を言っては無いですね!その原因を作った子狼に起こされたのですから…嘘では無いですよね?


「レグナさんもあの息苦しい感覚を感じたんだね!本当にびっくりさせられたよ!」


「はい、すっかり寝入って居ましたが、そのせいで飛び起きてしまいました」


「そうだろう、本当に迷惑な事で、勘弁して貰いたいもんだよ!」


「本当に、迷惑な話ですね」


 まさかここまでの大事になるとは、昨日までの私でしたら人族より多少強い程度でしたが、今の私は人族の強さを…今は考えるのは辞めましょう。今夜も森に行ってみれば、自ずと答えを見つけられるでしょうから…。


「全くだよ!朝食の準備をするからもう少し待って貰えるかい?」


「はい、大丈夫ですよ」


 私はあの子狼のお陰で何とも居心地の悪い状況の中、朝食を取る羽目になってしまいました。

勢いと思い付きで書いております。

読んで頂いている皆様、内容の齟齬等はご都合主義と言う事でご容赦下さいませ。

感想やアドバイスを頂けると嬉しいです。

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