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続きを投稿します。
宜しくお願い致します。
商業ギルドから出た所で、私の今後の話になりました。
フィスロー氏はスタッグさんやライズさん達の様に私が自宅の離れに住んでも良いと言っていますが、私は一人の探索者として自立したい旨を伝えると、渋々とですが私を引き止めるのを諦めた様子でした。
「そうですか、無理に引き止めてもレグナさんの迷惑になるみたいですので諦めましょう」
「良くして頂いているのに申し訳有りません」
「いえ、レグナさんが将来探索者として有名になられる前に囲おうと思っていたのですが…残念です」
「それは、ありがとうございます。ですが、今はまだ駆け出し探索者でしか有りません。その様な話は私には勿体無い様な気がします」
「いえいえ、そんな事は無いですよ。こう見えてもわたしの人を見る目には自信が有りますので、わかりました今は諦めましょう」
「済みません…」
私の様な悪魔に何かしらフィスロー氏の気を引く様な物が有ったのでしょうか?人族とは不思議な生き物ですね。
「しかし、私はレグナさんには何か引き付けられる物が有ると思っていますのでので、今後ともお付き合いさせて頂きたいですね」
「そうでしょうか?自分では解りませんが?」
「いえ、私から見るとレグナさんの将来と言いますか、未来と言えば良いのか、レグナさんが大きな可能性の塊に見えてなりません」
「可能性ですか?はて、私は何処にでも居る様な普通の人族ですが?」
フィスロー氏は私の事を何か気が付いているのでしょうか?悪魔で有る私は、生き物やそれ以外を吸収する事が出来ます。そして、吸収した物の能力や才能が私に宿ります。
その事を知っている者の発言で有れば、私の今後の可能性は無限に有ると言えるでしょう。吸収した物の能力や才能を使えるので、他者を吸収すればする程私は強くなりますし、知識や経験も吸収してしまいます。
「そうですね、何処にでも居る普通の人族の若者ですね。しかし、私に貴方の存在感や未来が大きな物に感じられるのです」
「そうなんですか?私には何も感じられませんが?」
「まあ、ただの自称人を見る目が有ると思っている、一商人の戯言みたいな物ですよ」
「いえ、そう思って頂いているのでしたら私も頑張らなければいけませんね」
まさか、私の正体に気が付いているとは思えませんが、自分でも人族に成りきれて居るとは思いませんので、ボロが出る前に距離を置いた方が良いとは思っていました。
「そんなに気負う事は有りませんよ、レグナさんのペースで頑張っていれば、周りからも自然と評価されますので」
「周りからの評価ですか…」
「ですので、レグナさんはレグナさんのペースで頑張って下さい」
「そうですね。解りました、自分のペースで頑張ります」
「そうして下さい」
「レグナさんが居なくなると寂しくなるが、この町に居るのなら探索者ギルドで会う事も有るだろう」
「そうですねギルドで会えますし、レグナさんが昇級すれば依頼中に会う事も有るかも知れませんしね」
スタッグさんとライズさんの二人も、私の様にフィスローさんの目に止まったのでしょうか?探索者ギルドでも評価が良い様ですので、きっと何処かでフィスロー氏に目を付けられたのでしょう。
しかし彼らと出会えた事は私に取っては、良い出会いだったと言えるでしょう。人族に知り合いの居ない私に、偶然とはいえ知り合いが出来てのですから。この三人との関係は出来るだけ続けた方が、私がこの世界に居る間は必要になるでしょう。
「レグナさんの今後の活躍を応援する意味も込めて、今夜は少し豪華にしますか!」
「そうか、俺は肉が食えれば問題は無い」
「そうですね、レグナさんの活躍を応援していますので、頑張って下さい」
「はい、皆さんありがとうございます」
たった二日程の付き合いでしたが、この日の夕食はフィスロー氏が予告した通り少し豪華な夕食になりました。この日のもう一泊フィスロー氏宅に泊めて貰いました。
朝には先日同様、スタッグさんとライズと共に剣術の稽古を行いました。素振り、型練習そして模擬戦を行い、先日同様井戸で水を浴びましたが今日は身体を拭く布は忘れませんでした。
剣術の稽古の後には、フィスロー氏宅で朝食を頂きました。
身支度を整えてフィスロー氏宅を発つ時にフィスロー氏の家族、スタッグさんライズさんリラシャさんの全員に見送られてフィスロー氏宅を後にしました。
「レグナさん昨日も言いましたが、無理をせずにレグナさんのペースで頑張って下さい」
「はい、ありがとうございます」
「レグナさんお体には、気を付けて下さいね」
「はい、レラシアさんもお子さん達もお体にはお気を付け下さい」
「お兄さん、さようなら」
「エリシアさん、さようなら」
「お兄ちゃん、また来てくれる」
「そうですね、たまには顔を見せに来るかもしれませんね、バリンスター君」
「レグナさん剣術の稽古も忘れずに、ここに来れば俺達が稽古相手になるぞ」
「はい、その時は宜しくお願い致します」
「レグナさん、探索者の依頼は身体を大切に、無理をせずにコツコツと頑張りましょう」
「はい、無理をせずに頑張ります」
「レグナさんはお世話のしがいが有ったのですが、寂しくなりますね」
「済みません、少し抜けた所が有る事は否定出来ませんがお世話になりました」
別れと言うものは何と言って良いのでしょうか、胸の奥と言えば良いのでしょうか?何かが無くなる?抜け落ちる様な感覚が有りました。
「皆さんもお体には気を付けて下さい。私はこの町に居ますので時々お伺いさせて頂くかもしれませんし、どこがでお会いする事も有るかもしれません、短い間でしたが大変お世話になりました」
こうして私は二泊しただけですが、フィスロー氏宅から出て行きました。今日からは一人の新人探索者としてこの世界の人族の中で生活する事になります。
勢いと思い付きで書いております。
読んで頂いている皆様、内容の齟齬等はご都合主義と言う事でご容赦下さいませ。
感想やアドバイスを頂けると嬉しいです。




