失礼な態度。あきの後ろにいる。
「なんだろうね?」
「そうね・・なんだか、失礼よね」
そう言いながら、お母さんはナースコールを押した。コールは何度もなるが応答してくれない。
「忙しいのかな?」
お母さんが痺れを利かして、直接声を掛けに行こうとした時
「はい・・・どうしました?」
凄く、声の低いトーンで看護士さんは応答してくれる。チョット感じが悪い、それよりも寒気が収まらず布団の中で体を擦る。何だろう。これが病気の再発ならどうしよう。不安と寒気が拍車をかける。
「すみません。あきの体調が悪いようなんで観てもらえますか?」
「あ、は、はい。今行きます」
「感じが悪いね。いつもあんなに優しいのに。どうしたのかしら?」
お母さんは、布団の中に手を入れ震える体を擦ってくれる。
「あきちゃん。どうしました?」
現れた看護師さんはいつもの様に振舞ってくれた。少し安心する。お母さんが状況を説明すると、先生に診断してもらうことになった。先生は直ぐに駆けつけ、血液検査の結果。軽い風邪に罹ったのだろう。と点滴で様子をみようね。と今は点滴のお陰で落ち着き眠りにつきそうだ。
お母さんと看護師さんの声がゆっくりと聞こえる。
「先程の看護師さん。新人さんですか?見かけない方でしたが」
「ああ、ええ」
「娘の顔を見て悲鳴をあげるなんて、失礼ですよ。指導してくださいね、今大切な時なんですから」
「そうなんですよ。実は・・・」
「実はなんですか?」
チラッと寝ているあきを見る。お母さんは、あきは寝ているから大丈夫教えてくださいと伝える。それを聞いてあきは寝たふりを続ける。
「でも、気を悪くするかもしれませんよ」
「仰ってください。それとも先生に報告しますよ」
「はい。でも私が話したのは内緒にしてくださいね」
「ええ。約束は守りますよ」
「では、彼女、何やら見えるらしく・・・」
「見える?見えるってなんですか?」
「霊感があるみたいなんですよ」
「え?じゃあ、この病室に幽霊が?」
「いいえ。そんなのは、看護師にはあり得る事なんですが・・」
「じゃあ、なんです?」
「その・・・あきちゃんの後ろに。もう一人あきちゃんがいるって言うんですよ」
「あきの後ろにあきが?」
お母さんが、その言葉を発した途端、悪寒が一気にあきを襲う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




