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ストーカー渡中井の笑み

 その兄妹の話を聞いていた。ストーカー渡中井は、何か良からぬことを思い立ったのか気持ちの悪い笑みをこぼしている。その二人の横を霊感の強い女性が通りかかる。

「うわぁ」

 思わず零れた口に手をやり、「すみません。なんでもありません」とふたりに頭を下げて去っていく。

「どうしたんだろうね?」

「人違いとかかな?じゃ、プレゼント探しに行こう」

 メイは至の腕に手を掛ける。傍から見れば美男美女のカップルにしか見えないだろう。

・・・・チッ。失礼な奴だ。なぁ、メイちゃん。もうすぐ直に触れる日が来るな。渡仲井はメイの髪の毛を透けている手で撫でまくる。

 女性は、見える、見えない角度で二人の背後をみる。ソコで「いや・・関わらない!ごめんね」と前を向く

 見えない。見えない。見てない。見てない。と呪文を唱えながら

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「はぁっ、あぁぁ、はぁはぁはぁ」

 生唾を飲み込む音が聞こえる。

「いてぇーーー」

 後ろでは、アビトが倒れ、ガシャン!と携帯の割れる音が聞こえる。竜巻の威力並みの風は当たりの木々にダメージを与えていた。

「はぁはぁはぁ」

 急ぐ呼吸音もやがて大人しくなり

「スーーーーー」と長い呼吸をし始める。

 ひまりは、カレンの様子を見続けている。もう、どうしようもない・・・これはカレンではない・・

「ピアス・・大丈夫?」

 アビトは一瞬聞き違いをしたのか?と耳を疑う。

「ええ、大丈夫よ。ひまりさん。あなたのお陰よ」

 大きく一呼吸をうち、目を開いたカレンはスッと立ちあがり、ニコリと笑い。

「また、連絡するわ」

 そう言って、去って行ってしまった。



「え?な・・・ひま・・さ・・。たすけ・・・」

 携帯の動画はまだ続きを見せていた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 


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