ドールハウスのドアを開いた瞬間から私はあの
「気が付いたかい?」
目を開けると、そのままダンが抱きしめていてくれていた。
「あ、すみません・・」
曖昧な感情のまま、非現実世界に頭痛が起きる。何度も辛い、苦しいが交互に現れる。
「今は、ひまりさん?それともソフィア?どちらかな?」
「・・・どちらもいます」
「そうか、何か聞きたいことがあるんだよね」
「・・はい。あなたがあたし、ひまりを作り出したのなら、あたしは、偽物なんですか?」
「そうだね。君はひまりちゃんの影武者だったんだ。あの子があの世に行っている最中の抜け殻を守る為に僕が呼び出したんだ」
ちょっとややこしいんだ。そう言って分かりやすく図案にしてくれた。
「いいかい。
ピアス→寝てる(本物はかごの中)ピアス(黒魔術のより影武者存在あり)
ひまり→あの世(本物)影武者(前世ソフィアによって代役)
ソフィア→(黒魔術により存在)
黒魔術の存在は、魔術を解けば消えるんだ。でも、本物のひまりちゃんには黒魔術を掛ける事が出来なかった。だから、君を牢獄から助けた代わりに影武者の契約を結んだんだよ。思い出したかい?」
そうは言われても、なんとなく、うっすらと何かを思い出しそうになるが、定かではない。でも、ひとつだけハッキリと言える事がある。
「私はピアス様に術を教えていません」
「え?それは本当かい?」
「はい。あの時は誰も私の話を聞いてはくれなかった。あなたでさえも・・・」
「じゃあ、彼女はどうやって」
ダンは疑っているようにも見えるが、ソフィアが嘘をつけない子とも知っていた。
「ご自分で調べ、悪魔と契約なさったのだと思います」
段々と記憶が戻ってくる。確かに、そうだ。あの時、契約をしたと悪魔をつれていたのだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
久しぶりに外に出てみることにした。わざとあのひまりの好きそうな服装にした。
「相変わらず、センスないわね」
まあ、もうこんな服を買うこともないだろう。でも、あの子が作り上げたひまりは、明るく、元気で誰にでも優しい。人気者。そんな人物像だ。そして、私にはない、コミュニケーション能力がある。あの子は私だが、私にない部分をあの子は持っていた。
「青空って気持ちいいわね」
きっと、私は恋なんてしないだろう。アビトとは、私の一部になってしまったからには、恋愛対象にしてはいけない。
メイもそうだ。。
メイには、悪いことをした。ピアスの身代わりの候補だった。だけど、あのひまりが、余りにも仲良くなったものだから、感情移入をしてしまった。
ま、どちらも犠牲にせずに済んだのだから・・ピアスを救うことは出来なかったが、今はこの平穏を少しでも長く味わいたい。そう思っていた。




