アビトとひまりの関係って何?
「ふわぁああ。暇ですねぇ~」
ピアスは欠伸をする。食事も終え、相変わらずなんとも暇な空間だと思う。のどかな景色だ。
三途の川と呼ばれるあの川も、渡り切る者は限られる。
〇渡っている最中に溺死(死んでも溺死って不思議よね、まぁ、そこが十竜門ってことね)
〇流されて何処かへ行ってしまう(地獄の選別ってところですね)
〇無事渡り切るものは天国か?(と云えばそうではない。なんせ、ここは地獄の入り口の川)
じゃあ、天国は?(お迎えが来るんですよ。川なんか渡らなくてもスッと極楽浄土です)
(まぁ、誰となく解説してしまいましたが、最近、ひまりちゃん来ないな。どうしたのかな)
こんな場所に、あの子が行き来しているのは謎だが、どうやら私を解放するのが目的らしい。正直に言えば期待はしてはいない。何故って?鍵をあの子が作れるはずがない。
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「聞いてもいいですか?」
意識がなんとなくボーっとしている。今の自分が前世のソフィアなのか?ひまり?なのかは分からない。
その様子に気が付いたダンが、椅子に腰かけるように促してくれる。礼をいい、腰かけようとするが、頭がグランと一周する。
「あぶない。大丈夫かな?ちょっと刺激が強かったかもしれないね」
ダンが優しく抱きしめながら床に座る。
(そうかもしれない。思っていより疲れているのかもしれない)
自分が誰かももう、分からない。少しパニックを起こしている。涙が頬を伝うと記憶が閉鎖する。
(次に目が覚めた、あの部屋のベットで、起きたら学校に行きたい。みんなに会いたい・・)
と、同時に
(ダンが・・私を心配してくれる。嬉しい。もう少し、もう少しこのままでいてほしい)
どっちも、自分の心なんだと。虚しくなる。
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アビトとメイは公園にいた。公園に辿り着くまでは一言も言葉を交わさなかった。そのままベンチに腰を掛ける。堰を切ったのはメイの方だった。
「ね、アビト。ひまりの事どう思っているの?」
「え、ああ。そうだな・・」
メイがどこまで何を知っているのか、知らないが、嘘はいけないんだと。ましては、自分の心に気が付いたからには自分にも嘘をつきたくない。そう思っていた。ただ、どちらのひまり対しての感情かは分からなかった。
「そうだな。大切にしたい相手だと思っている」
「そう」
メイは少し涙目になりながら、もう一つ質問を投げかける。
「じゃあ、思い切って聞くね。アビトがひまりの一部って、そのつまり二人は体の関係を持ったって事?」
「何の話だよ。どういったらそんな話になんの?」
「え?アビトがひまりの本命なんでしょ」
「そうだと嬉しいけど。俺、ひまりと付き合ってもいないし。絶賛、片思いだよ。きっと・・」
「そうなの!」
「なんだよ。嬉しそうだな」
「そ、そんな事ないよぉ」
「顔に書いています。お前、うそつけないタイプだな」
「えへへへへ」
メイは舌をペロリと出して、照れながら足をバタバタさせる。
(あーーコイツが人気あるの分かるわ。俺もひまりがいなきゃ堕ちてるかもね)
「ありがとう。アビト。スッキリした」
「あ、まてよ。お前だけ質問して帰るつもりか」
「そうだね。アビトは何が聞きたい」
「ひまりの事詳しく教えてほしい」
「それは・・」
「なんでだよ。教えてくれてもいいだろ」
「だって、アビトはライバルだから・・」
「はぁ?なんの?」
「アビトには、教えるね。私。ひまりの事愛しているの。だから、誰にも渡さない。勿論アビトにも」
「おおおっと、な、なるほどねぇ」
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