おおぃ!なんだこの子滅茶苦茶可愛いじゃないか!コイツの体が使えれば・・
アビトはひまりの家を監視していた。周りからみれば明らかにストーカーに値するだろう。警察に通報されない事を祈りながらひまりの動向を伺っていた。
が、その背後には既に警察官が・・あの警察官がアビトを張っていた
「全く、何やってんだ。俺」
(全く、何やってんだよ!おまえ)
奇しくも、シンクロする。
警察官は、今日もモノトーンの空を見上げる。
毎日考えている。自分が死んだこと。死んでいる事。未練なんて思いつかない事。そして何より何故成仏できないのか?
一度目の前で人間が死んだのをみた。そいつは車に引かれたのだが、光のお迎えが来てサッと成仏したのに、俺らのように彷徨う奴は何がどうして成仏できないのか?さっぱりわからない。
そんな時に出会ったコイツはカモだ!あの女の子が言うには「もう一度倒れるからその体を確保すればいい」そう言っていた。信じるか?信じないか?は俺次第。どうせ暇だし、話に乗ってみたものの中々倒れそうにもない。それにコイツ毎日何やってんだよ!ストーカーか?
「アビト・・?」
後ろから声がかかる。二人(?)で振り返るとそこにはメイが立っていた。
「メイ、どうした」
アビトは悪い事を叱られた子供の様にドギマギする。
「アビトもひまり、に会えていなんだね」
「ああ、ってことはメイも会ってないんだ?」
メイはコクリと頷く。アビトは少しホッとする。自分だけじゃない事、それだけで嫌われていない。と勝手に思い描く
しんみりした雰囲気の中、警察官は隣で口を押さえながら興奮している。
(おおぃ!なんだこの子滅茶苦茶可愛いじゃないか!コイツ羨ましいかよ!お前、目、悪いんか?こんな可愛い子目の前にしながら・・お、待てよ、俺がコイツの体が使えるようになれば・・)
警察官は、ニヤリとする。
「ね、アビト、ちょっと話をしない?」
「ああ。いいぜ」
場所を変えようと二人は歩き始める。
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日に日にピアスの表情が変わっていく。あんなに可愛い子が、なんだか怖くもあった。どうしてあんなに姉を恨むのか?後にわかったのだが、一番の理由は、姉の恋人を慕っていた事にあったようだ。世の恋心は上手く絡まないものだと寂しくなった。
「ソフィア。あなた嘘をついたわね」
「え?嘘などもうしておりません。一体何事でしょうか?」
「私、知っているのよ。あなたが、ダンを好きな事」
それならば、隠す必要もないので「そうだ」と告白する。でも、それは嘘とはならないはずだ。
「ダンは、あなたの事を何も思ってはいないのよ」
「それも、存じています」
「だから、私に嘘をおしえたのね?」
「ですから、嘘などついていません」
「いいえ、あなたは嘘をついている」
そう言って、呪文を唱え始めた。すると、手は罪人の様に縄で結ばれていた。
「何をするんですか?それに!その魔術をどこで?」
「あなたが教えてくれなかったから、自分で召喚したのよ」
「そ、それは・・まさか」
「そう。悪魔と契約を結んだわ」
ピアスの背後には牛の頭をした悪魔が羽を広げ立っていた。




