時々恐る恐る、声をかけてみるが応えてはくれない。と、なれば消滅したのか?それとも、あの男と手を組んだのか?
ひまりの体が自分だけのものになってから、数日が経つ。中々慣れずに疲れてしまっていた。そのせいで学校に行くことも出来ず、引きこもりの様に過ごしている。メイから連絡が何度も入るが、スルーする。アビトは何度か家にきたが、家族に頼んで帰ってもらった。
やっと、ひとりになれたのだ。この時をどれだけ待っていた事か!ただ、計画とは違って全くの予定外だった。寝てしまえば、また、あのひまりと入れ替わるのでは?そう考えると簡単に寝ることも出来ず、また寝てしまえばピアスの夢ばかりをみて現実かどうか分からなくなっていた。
(それにしても、あの子どうなったのかしら?)
時々恐る恐る、声をかけてみるが応えてはくれない。と、なれば消滅したのか?それとも、あの男と手を組んだのか?
(まさかね・・そんなはずは無い)
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涙が溢れる・・・
思い出した前世の記憶は、間違えた歴史で刻まれていた。
「まさか、本当に契約するなんて思わなかったんです」
「どうしたんだい?急に」
ダンは涙を拭きとってくれる。
「思い出したの。でも、私はピアス様をお救いする事も、止める事も出来なかった」
悲しみと後悔と嫉妬が入り混じる感情も思い出す。
「聞かせてくれるかい?」
ひまりは、深く頷く。
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ひまりの生前の名前はアロン・ソフィアといった。
ソフィアは自分の契約者の祖母がいる限り、この手で誰かを殺めることは出来ない。そうピアスに伝えた。
「じゃあ、どうすればいいの!」
ピアスの怒りは恐ろしく、やがては、ソフィアを追放する。もしくは、反逆罪で言いつける。と言ってきた。諦めてもらうために・・ひとつ。出来ることがある。と、提案をする。それは・・・
「悪魔と契約を結ぶこと」
とお伝えした。流石に諦めてくれるだろうと思ったが、ピアスは目を輝かせ、ならば、資料を集める様に!と命令したのだった。
ピアスは、面倒だ。と言って資料を自分で読まずに、ソフィアに朗読させたり、詳しく説明するよう促した。ある一つのページに「悪魔との契約方法」と書かれたページがあったが、ピアスにばれない様ページを飛ばして読め続けていた。




