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夜の約束って何?昨日のあたしってなんの事?

「おい、それより約束忘れるなよ。じゃあな」

と言ってあたしの頭をぽんぽんとして去っていく。

「はあ?なにそれ?」

アビトは振り向き、

「照れんなよ」

と一言。唖然とするあたしに視線があちらほらから感じる。周りをみればアビトファンの女生徒とメイのファンの男子生徒が睨んでいる。

「え?みんな誤解、誤解だから、メイからも何か言って、あれ?メイどうした?気分でも悪いの?」

メイは下を向いてフルフルとしている。

「ね、約束って何?」

「え、どうしたの?メイまで」

「ね、隠さずに教えて!」

「えええええ、知らないよぉ、アビトに聞いてよ」

「照れんなよって何?」

「ほんと、なにあれ?」

「何あれ?じゃないよ。あれって冗談で言える?」

 周りの群衆も「うん、うん、そうだ!」と頷いている。

「だって、知らないものは、知らない!本当だって信じてよ」

 キーンコーンカーンコーン

「おい!お前ら授業始まるぞ、早く教室に行きなさい」

(助かった!先生ナイス!!!)

「ね、メイ。とりあえず行こう」

「・・分かった。とりあえず後からね」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 今日は最悪だった。あれからメイを筆頭に拷問に近いほどの聴取をされたが、嘘をつくことが苦手なあたしの日頃の行いが身を助け、グレーながら釈放を言い渡された。

「全く何よ。アビトの奴」

「何?俺がどうした?」

後ろを振り向くとそこにはアビトが立っている。いつの間に!!!背後を取られるなんて、アビトが殺し屋なら殺されてるわ

「なに警戒してんのさ、そんなにアレがばれるとやばいの?」

「あのさ!!!あんたさ、あんたのお陰で散々なのに、また何を言ってるの?何がばれるって?あたしの何をあんた知ってるの?」

 アビトが苦笑しながら

「俺は、昨日のひまりの姿が忘れられないだけ」

「はあ?」

「まぁまぁ、とぼけんなよ。じゃ、また後でな」

 と耳元で囁くように言われると、さすがにちょっとドキドキしちゃった。あたしの馬鹿!!

 お陰で何のことかもわからないまま。ちょっと後ろ姿にまだドキドキしている。でも知ってるアビトはあたしの運命の相手じゃないってことだけは。。。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

夜が来た

 ()はゆっくりと起き上がる。

 (全く、センスのない服ばっか、まあリメイクしちゃお)

 ひまりは、引き出しからハサミを取り出し、スカートにスリットを入れる。Tシャツにも穴をあけ半分肩だしを作る。背中ラインに網目の刻みをいれギリギリのラインを責める。ママのところにあった派手目の口紅を指につけ、アイシャドウ代わりに色を付ける。

(まぁまぁね。今度は私が服を選ばなきゃだめね)

 パッと時計を見る。時刻は午前を回った。

(時間ね)

 そっと家を出る。勿論、ママのヒールを履きこんで。カッカッカと響く足音にちょっと気分が上がる


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「お、来たな」

「おぉ、お待たせ」

「なぁ、今日も来るかな?」

「来るって絶対」

「かける?」

「いいぜ、俺は・・・あ!来た」

「どこ?」

「ほら、あいつだろ」

「本当だ。声を掛けに行こうぜ」

「ね、君、昨日もココにいたよね」

「うん。いたわよ」

 ほら、やっぱりと彼らは顔を見合わせている。

「な、昨日のもの今日もやる?」

 と二人は期待した顔でみつめている。化粧映えするひまりは昼間とは別人だ。少し虚ろな表情を見せる

「どうしようかな・・」

 誘うような目つきに二人がドキドキしているのが分かる。それは、どちらを選ぶのかの期待でもあった。とそこへ

「ごめんねぇ、おまたせ」

 とアビトが登場した。

「何だよ!お前・・・あーー昨日の・・」

「はい、分かったなら消えてね」

「チッ、行こうぜ」

 二人は去っていった。アビトはひまりの肩に手をやりながらバイバイと手を振る。


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