、前世となれば自分がどのように生きていたのか見てみたい気持ちも生まれてきた。思い切って聞いてみることにした。
前世とは何の事でしょうか?夢でも見ているのだろうか?はたまたあたしは死んじゃったのでしょうか?あ、待って死んだら、ココは天国かしら?
何てことを考えていると、男は指を差す。そこには優雅に踊っている女性の姿があった。
「ほら、あそこで踊っている子。あれが君だよ」
「え?あれが?」
と、急に場面が展開する。大きな屋敷の入り口から廊下を渡り奥の部屋に入っていく。そこに見える豪華なベットに誰かが寝ている。
「ほら、あそこで寝ているのが、鳥かごの子ピアスだ。彼女はもう何年も寝続けている」
「え、でもさっきは歩いていましたよね」
「そう、あれは黒魔術により分身が動いているんだよ」
「黒魔術って本当にあるんですね」
もう、何が起きてもさほど驚かない自分がいた。が、前世となれば自分がどのように生きていたのか見てみたい気持ちも生まれてきた。思い切って聞いてみることにした。
「あの、あたしはどの様な生活をしていたのですか?」
「・・・聞きたい?」
「はい」
「でも、後悔すると思うよ」
「え?」
「それでも聞く?」
躊躇したが、それでも興味が勝ってしまった。聞かせてほしいとお願いすると「分かった」と話始めた。
「ピアスが昏睡状態になった、原因は君にもあるんだ」
「え?あたしは彼女に何をしちゃったんですか」
「君はピアスの協力者だった。それを隠すために黒魔術を使ったんだよ」
「黒魔術?え?あたしがですか?」
「そう、君は魔術を使えたんだ。ピアスは悪魔に魂を売ったんだ。その罪で今もかごの中にいるんだよ、刑が執行中なんだよ」
「そ、そんなぁ。じゃあ、彼女がそこにいるのはあたしの罪なんですね」
男はにっこり笑って、
「そうじゃないよ。確かに悪魔との契約はあったが、そこにサインをしたのはピアス自身だ。契約は他人が行うことは出来ないからね。君はガイドの様な役割だったんだろうな」
「なんで、サインなんかしたんですか?」
「彼女の憎しみがそうさせたんだろうね」
「憎しみ・・・」
男の名前はダンといった。ダンはピアスのお目付け役として長年付き添っていた。しかし、ピアスが悪魔の一味になってからは、会うことすら出来ずにいた。




