手を引き寄せ、ギュッと抱きしめる。そして耳元で目を囁いた。
「あ、いた。いた」
そこには、メイが途方に暮れ座り込んでいた。
「あのぉ・・先程はどうも、探したんですよ」
声を掛ける。
メイはゆっくりと視線をあげる。その声の主の顔を見て発狂する。
「あんた、返してよ。あたしのひまりを返してよ」
「いたい、止めてください。暴力反対!!!」
「あ、」
我に返りその子の髪の毛を思いっ切り握っている自分の行動に驚く「ごめん、ごめんなさい」と素直に謝る。自然に涙が溢れ止まらない。
「えぇえええ、大丈夫ですか?情緒不安定半端じゃないですね」
「だって、だって、」
「はい。これ使って下さい」
そう言って、可愛い鞄から、レースのハンカチを取り出した。
「あ、ありがとう。可愛いね」
「そうですよね。コレひまりさんとお揃いなんですよ」
その一言で、涙は滝のように溢れ出した。
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「風邪でもひいたのかな?」
背後には尾行を続ける警察官がいる。時々、何かの気配を感じるのかアビトが振り返る度に職務に徹していたあの頃の高揚感が生まれる。
(アイツ、何してんだ)
公園に辿り着いてからは、動こうとしない。誰かを待っているようで時計を何度も見ている。
(女かぁ。すっぽかされたのか、だらしねーな)
「ホント、何しているのかしらね」
警察官が振り返ると、そこにはひまりが立っていた。
(お巡りさん。背後がガラアキですよ。これではまた撃たれちゃうわよ)
そう言って、胸の穴を触る。
(触れるな!俺の痛いところを!※いろんな意味でな)
(あら、ごめんなさい。でも尾行なんて悪趣味よ)
(いや、俺は何もしてないぞ)
(そう。でも、彼の体狙っているんでしょ)
(何故それを)
思わず出た本音に手で口をふさぐ
(隠さなくてもいいのよ。ね、私に協力してくれないかな)
(お前、警察官を買収するつもりか!)
(もう、あなたはお巡りさんじゃないわよ。だって、死んじゃってるんですもの)
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「分身・・・とは?」
ひまりは首を傾げる。男は微笑んだ。笑うと爽やかなだった。ちょっと意外とイケメンなのにも今更気が付く。
「その前に、ココの景色をみたいと思わないかい?」
「景色ですか?何もないですよね」
「見えないのは、君だけだよ」
急に手を引き寄せ、ギュッと抱きしめる。そして耳元で目を囁いた。
「目を瞑って。カウントするまで開けちゃダメだよ」
胸に顔を疼くめジッとまつ。ドキドキしている。聞こえる鼓動は誰のものか区別が付きにくかった
カウントに交わって賑やかな声が聞こえてくる。
「・・・・・3.2.1.目を開けて。眩しいからそっと開くんだよ」
言われた通りそっと目を開くと、そこは中世の雰囲気の市場にいた。
「うわぁ、素敵、でも、ココってどこですか?」
「ここはね。君の前世の世界だよ」
「はい?」
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