君が消えてしまう覚悟だよ
「おや、おや、ひまりさんだね。いらっしゃい」
「あ、あたしの事知っているんですか?」
「知ってるも何も、君は僕が作り出したからね」
「え ?それはどういう事ですか?」
「君は覚えていないのかい?成程だからあの子は無茶な行動をしているんだね」
あの子とはきっともう一人のひまりの事だろう。
「あ、あの。教えてください。なんでもいいから知っている事を」
黒服の男は、少し沈黙する。何かを考えているようだ。ひまりは感じていた
(分かる。なんとなく分かる。この人は全てを知っている。でも知ればもう戻れない事も何故か分かる)
「覚悟はある?」
「え?覚悟とは・・」
「君が消えてしまう覚悟だよ」
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「ちょっと、ひまり」
メイは耐え切れず声を掛けていた。
「あ、メイお久しぶりね」
「久しぶりも何も。そんなに元気になったなら連絡くらいくれてもいいでしょ」
チラッと腕を組む女の子をみる
「あぁ、紹介するわ。この子私の恋人なの」
女の子は軽く会釈をし少し困ったような顔をしながら、ひまりから離れようとする。その瞬間ひまりは恋人繋ぎで繋ぎとめ、メイはその手を睨みつける。
「何それ、私の事は!・・そ、それにアビトは?何もかもどういうこと」
「だって、あなた彼氏出来たって話していたでしょ」
「それは、ひまりがそうしろって言ったから」
「そんな事私は言っていないわ。第一、何も覚えていないから」
なんて都合のいい事を!そう思いながらメイは周りが引くほどヒートアップしていく。
「じゃ、アビトは!アビトとキスしたでしょ」
「アビト、アビトは私の一部よ」
「ちょっと待って、アビトは一部なら私は、私はひまりにとって何なの?」
「そうね、もう用の無い友達かな。じゃあ、もう行くね」
さっと体を反転させ歩いてく、唖然とするメイに女の子が振り返り礼をする。あまりのショックに暫く動くことすらできなかった。
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「お久しぶりですね。えーーっとお名前は聞いていないですよね」
川を隔てて会話をする。
「俺、アビトっていいます。あなたは?」
「ピアスです。あのぉ、アビトさんは戻らなくてもいいんですか?」
「実は、俺戻り方なんて知らなくて、前も勝手に戻っていたので」
「そうですか。それは困りましたね」
「俺がいたら、何か困るんですか?」
「私は困りませんが、アビトさんの体、今抜け殻ですよね。その間に乗っ取りに会うかもしれませんね」
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そこには数名の人が集まり倒れるアビトの前で何か話し合いをしている。
「俺が先に行く」
「まてよ、見つけたのは俺が先だよ」
「ここは、年功序列といこうじゃないか」
「何言ってんだよ、オッサンの柄じゃないだろ!コイツどう見ても若いじゃん」
「ひとつ提案なんだが、交互に使うってのはどうだ」
「いや、信用なんない!だってお前詐欺師で恨まれて殺されたんだろ」
「な、何言ってんだ。君こそ、女の子たぶらかして転落させられたんじゃないか」
「なんだと!!!」
取っ組み合いの喧嘩になるのを、「まぁまぁ」と警察官が止めに入る。警察官の左胸には銃で撃たれた穴が開いていた。
「そんな喧嘩をしている内に戻ってきたら元も子もないだろ」
「あ、確かに」
警察官の言葉には説得力があった。じゃあ、どうする?そんなムードの中
「とりあえず、僕が先に入って、体をキープしよう。彼には申し訳ないが」
そう言ってアビトの体を見つめる。
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