第1話(3)夢を見ました夢見ちゃん!
***
輝勝が豊莉への質問を終えると、ふと、夢見が言いました。
「そうだ!なんかゆりがたおれてるゆめみたよ~!」
と、人差し指をぴんと立てて言いました。
「妖知、それはホントなのか!?...だとしたらまずいかもな...」
「なんでまずいのー?」
「お前の夢で見たことって当たるんだよ!予知夢みたいな感じでな!」
「そうなの~?...あれ?ゆりは?」
なんと二人が気が付くと豊莉は忽然と消えていました。と、輝勝がふと床を見ました。
「ッ!床だ!大丈夫か!!」
豊莉が倒れていました。確認すると、息はしています。気絶しているようです。
「いったいどうして倒れたんだ...」
夢見が何かに気づきました。
「あ!ねぇ!うしろ!」
輝勝はバッと後ろを振り返ると不気味な黒い『何か』がいました。
(な...なんだあれ...)
『何か』が手を振りかざしたと思うと耐え難い強烈な眠気に教われ輝勝と夢見は眠ってしまいました。
***
(なんだ...今の...ここは...?)
輝勝は水の底へと落ちていく感覚に襲われていました。しかしそれ以外何も感じません。意識が朦朧として遠のく感じはしましたが。でも、心地よさはありません。かといって悪い訳でもありません。そして感覚が消えているので自分の状態すら分からずにいました。水から脱出を試みますが出口があるのかも分かりませんしそもそも上も下もわかりません。
(俺はこのままだとどうなる...?死ぬ...?いや、これは夢だ...死ぬわけがない...そう、明晰夢だ...聞いたことがあるぞ。いずれ目を...)
「覚まさないし、死ぬわよ」
(!?!?)
輝勝は驚きのあまり固まりました。
「夢の中っていうのはあたり。だがここで死ぬと現実でも死ぬわよ。気を付けなさい」
現実でも死んでしまうことには驚きましたが、それ以上に驚いたことがありました。なんで頭に直接語りかけてくるように聞こえるのかとか、感覚無いはずなのに聞こえるのかとか、そもそも水の中になんでいるのか...沢山ありますが。
「さぁこっちだっ!」
輝勝は手を掴まれて引き上げられました。
(この声...は?)
よじっと薄い紫色の雲のような地面に輝勝は手を付きゲホッゲホッと咳をしました。不思議と水の中にいたはずなのに制服や体は濡れていません。
「大丈夫だった?」
顔をあげたときそこには知らない女の子が立っていました。
「誰ッ!?」
ブックマーク、高評価してくれると幸いです。