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歌と魔法が記す愚者の路  作者: 空夜
第0章  死亡そして転生
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第7話  森の中での休憩

「…たしかに失礼だった。申し訳ない」


アンリは思ったよりも早く謝罪した。

まぁ、謝ってくれたしこれ以上攻めるのもな。


「…わかった。謝罪を受ける」


「そうか。すまない許してくれてありがとう。そして、改めて助けてくれてありがとう。私達が五体満足でいられるのは君のおかげだ」


頭を下げて言われる。別に助けたことに理由は無かったし、あの敵ならば逃げられると思ったから無理やり戦闘に参加しただけであったが、感謝されるのは嬉しいな。


|д゜)チラッ… ←サーシャ


……無視するんだ俺。突っ込んだら絶対にろくなことに___


「何だサーシャ。言いたいことがあるならば言えばいいだろう」


アーーーンリーーーーーー!!!突っ込んだらだめなことくらい察しろ!?

ほら。他の奴らも可愛そうなものを見る目で俺を見ているぞ!やめろ!!俺は悪くない!


「いや、あの、さっきも聞いていたけどあの魔法のことについて教えてくれないかなーって思っているのだけど……」


いや。そうだ俺は悪くない。オカシイ(空気が読めない)奴が悪いんだ。


「あのー。聞こえてるかしら?おーい」


「____えっ?ハイなんでしょう?」


やばい現実逃避をしていたら知らない間に話が進んでいたみたいだ。サーシャがこちらを向き話しかけていたことに気がついた。

驚いたような苦笑しているような変な顔だった。


「えーっとね、あなたの使っている魔法を見せてくれないかしらってような話をしていたんだけど。どうかしら、いいかしら?」


「あー。いいぜ。少しだけど魔力も回復したしな。」


一度使って体が理解している。あの神様の言ったとおり、この魔法(音楽家)は俺にしか使えないもの(スキル)だ。だから真似できないのは俺が十分わかっているが、見せること自体は悪くないかなと思っている。サーシャ達の言っていた冒険者というのにもきっと入ると思う。その時に俺の音楽家(カナデルモノ)は俺のオリジナル魔法として登録するつもりでいる。だったら今先に見せてもいいかと思った。


「ねえトウヤ。それであなたのあのスキル?魔法?は何なの?」


「あぁ。あれは俺のオリジナル魔法だ。演奏に魔力を乗せることで対象に効果を及ぼすというものだな。……よし。じゃあ見せるぞ」


俺は今度は魔力でバイオリンのような弦楽器を作って演奏し始めた。


「わぁ!」


「これは……!」


「きれいな音色…」


「なんて名前の曲なの?」


「この曲の名前は『旅人の出立』だ。曲の効果は感情の高揚だな」


コリンの質問に俺は答える。まだ質問を受けるかと思っていたのだが、そこからは全員が黙って俺の演奏に耳を傾けていた。





____________side.???_____________






「こっちです!こっちにサーシャ達が!」


ライムの指差す方角に私達のパーティーは走り続ける。もう私達のパーティーが依頼を受けてから1時間近く経過している。ここまでの時間をDランクパーティーがブラッディーベアを相手にできるはずもない。そのことを理解しているのだろう。彼女の息は上がっており、汗が滝のように流れ出ている。ずっと休憩していないで走り続けているということが伺える。


「リーダー。恐らく、もう……」


「その言葉は思っても口に出すなよ?」


そんなことは彼女が一番わかっているだろう。それでも一縷の望みにかけて走っているのだろう。

____……?


「ちょっと待て。ライム。お前の仲間がまだ生きているかもしれない」


「っ!?どういうこと!?」


「こちらの方角から木を燃やしている匂いがする。知らせを通達しているおかげでこの森には他の人はいない。だが、するはずのない匂いがするということは____っておい!?待て!?」


話の途中で彼女は私の指さした方角へ向けて走り出した。

全く!護衛の依頼も兼ねているのだから置いて行かないでほしいのだが!?





____________side.トウヤ_____________






全く…。演奏が終わったらいきなり日を焚き始めて。何なんだ一体まだ昼間だぞ?

えっ?自分たちの居場所を教えるためのサインだって?あーそうですか。


「___よしっ!これだけ焚いていればしばらくの間は大丈夫だろう。トウヤも手伝ってくれてありがとう」


「いやいいよ。救援を待つためならしょうがないし、俺一人だとどうやってここを出ればいいかわからないしな。一緒に出させてもらうとするよ」


「それじゃあしばらく暇になるし、また何か聞かせてよ」


「あのなぁ、リリー。さっきも言ったと思うが、魔力を使って演奏しているんだ。お前も"魔法剣士“ならわかるだろ?疲れるんだよ」


なんか一気に仲良くなったな。演奏を披露したら拍手喝采を浴びせられて、すごい演奏だったー。だの、また聞きたいー。だの、色々言われてるうちにすっかり警戒するのがばかしくなった。恐らく向こうも同じだろう。


「まぁ、もうちょっと時間が経ったら聞かせていやるよ」


「えー。ケチだなぁ」


「そう言うなら演奏はしない___ 」


「「「「それはやだ!」」」」


「あ。はい」


思わず答えてしまったが…、まぁ。もう少しくらいならいいだろう。


「___ぁー」


なにか声が聞こえたような気がするが……。気のせいか?

___いや。こっちに誰かが走ってきてる?


「いたーーー!!みんながいたよーーー!!!」



これからも不定期の投稿になりそうです。

ですが、楽しんで読んでもらえるように努力いたしますので、諦めずに待っていただけると幸いです。

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