表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歌と魔法が記す愚者の路  作者: 空夜
第0章  死亡そして転生
6/53

第5話  至れり尽くせり

持ち物確認です

ここはアルカクライスの西方に位置する国、ゼスター王国の南東にある森。そこは、魔物の住む巣窟”ダンジョン”のひとつである。

そこの湖の近く、生い茂った林の中で何かが生まれようとしていた。


それは段々と人の形をかたどっていき、成人したばかりであろう少し幼さが残った少年へと姿を変えた。


「………あれ?もう終わったのか?まだアフィスと別れてから1分と経っていなかったんだけどな」


それ___睦月灯夜(ムツキトウヤ)は声を発する。焦点が低いことに違和感を覚えるのか、あたりを見回し首を傾げている。


「やっぱり、身長が低くなっているんだな。少し変な感じだ」


俺は歩き出し、近くにあった湖を覗き込む。

そこには、銀の髪に黒色の目を持った整った顔立ちがあった。


「うお!生前より断然美少年だな。さすが神様の作った肉体だ」


俺は湖から離れ、今の自分の服装を確認する。少し古びた見た目の茶色の服だ。ところどころ金属の装飾がしてあり、単調のようでその灯夜の容姿を損なわない程度にアクセントのついた上着とズボンだった。

注目したと判断されたのか”鑑定眼”が作動する。


=========================


  名称: 旅人の上着


  希少度(レアリティ): ★2


  製作者: 不明


 旅人が着る上着。耐久はほぼ皆無。汚れに強く、傷は付きにくい。




  名称: 旅人のズボン


  希少度(レアリティ): ★2


  製作者: 不明


 旅人が着るズボン。耐久はほぼ皆無。汚れに強く、傷は付きにくい。


=========================


「なるほど。製作者が不明なのは神様が作っているからかな?じゃあ、次は……『ステータス オープン』」


そう言うと目の前にガラスのような透き通った画面が出てくる。


=========================



  名前: ムツキ トウヤ(睦月 灯夜)




  種族: 人間




  性別: 男




  年齢: 15歳




  職業: ___




  レベル:  1




  能力値:  HP  10/10


        MP  20/20



  装備: 旅人の上着 旅人のズボン 革の靴 *革の袋




  スキル:  ”鑑定眼”


        ”創造者”


        ”音楽家”



  称号:   NEW『神と契約せしもの』


=========================


「やっぱり能力値は低いな。レベルは上げるほうがいいだろうな」


そう言うと、灯夜___トウヤは持っているカバンを開け、中に入っているものを取り出す。袋の中からは色の違う液体が入っているガラス瓶が計五本、ブローチがひとつに硬貨の入った袋が入っていた。


「とりあえず鑑定かな」


=========================


  名称: 下級マジックポーション


  希少度: ★3


  製作者: 不明


 一般的に冒険者や旅人などが購入する一品。MPをわずかに回復する。味は保証できない。

 製作可




  名称: 下級ポーション×2


  希少度: ★3


  製作者: 不明


 一般的に冒険者や旅人などが購入する一品。HPをわずかに回復する。味は保証できない。

 製作可




  名称: スタミナポーション


  希少度: ★2


  製作者: 不明


 一般家庭でも購入される一品。スタミナがわずかに回復する。りんご味。

 製作可




  名称: 中級解毒ポーション


  希少度: ★6


  製作者: 不明


 中級ポーションの中で最も上級に近いポーション。簡単な病気や少量の毒などは簡単に治癒する。その分スタミナを多く消費するため、スタミナポーションと併用して使うことを勧められている。漢方の味がする。

 制作不可




  名称: 記憶のブローチ《偽装済み》


  希少度: ユニーク(★8相当)


  製作者: 不明アフィス


 今まで聞いた曲や歌を保存することができる。容量はほぼ無限。また、用途別に曲を自動的にファイリングする。この機能の他に、記録したい映像や、音声をひとつ10分まで録ることができる。中央のオリハルコンの装飾を押すと、製作者と会話が可能。

 制作不可


=========================


「うぁー。ここまでしてくれるなんて申し訳ないな。ってかオリハルコン!?そんないいブローチなのかこれ!?___はぁ……教会に行くときは必ずいいお菓子を買ってから行こう」


そう言うと、俺は硬貨が入った袋をその場にひっくり返す。硬貨が十数枚落ちると同時にメモ用紙も一緒に出てきた。


「えーと、なになに?


『他の荷物は気に入って連れたかな?ここにも使うかもしれないお金だけをいれておくよ』ありがとう。ほんとに至れり尽くせりだ。『この中には1クライ鉄貨が6枚、100クライ銅貨が6枚、1万クライ銀貨が4枚、100万クライ金貨が2枚入っているよ。金貨は一応入れたけど、成人したての子はあまり使わないから、使わないほうがいいかもしれないね_____』。


こういうアドバイスは本当にありがたい。さて、これで全部かな?」


俺は最後にアフィスと書いてあるメモ用紙を折りたたもうとする。するとメモ用紙が突然光だし、ブローチの中に吸い込まれていった。


「この中に入ったってことは、もしかして……」


そう言うと、俺はブローチを左胸のあたりに取り付ける。すると、”旅人の”から始まる5曲のタイトルが頭を駆ける。


「これは、最高級のお菓子でも足りない気がする…」


そう言うと俺はなにを持っていけばいいものかと考え始めた。

次回こそは戦闘シーンを……!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ