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歌と魔法が記す愚者の路  作者: 空夜
第0章  死亡そして転生
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第4話  契約と旅立ち

とうとう転生です。

あのあとさんざん謝りまくってなんとか許してもらうと、


「さぁ。そろそろ旅立つことになるんだけど、その前にひとつ提案があるんだけどいいかな?」


と、アフィスが聞いてきた。


「何?」


「実は、私と”契約”を結ばない?って話をしようと思って。」


「”契約”ってなに?」


「”契約”っていうのは、向こうの世界でも重要な事柄について約束事をするために行うもので、アルカクライスの大人つまり15歳以上は使うことのできる魔法のことで、”契約”した内容は絶対に守る必要があるんだよ。ちなみにもしも破ってしまった場合、契約者に許してもらうまで、自分のスキルに”契約違反者”が追加され、二度と契約ができなくなるから、周りのものから信用されなくなるね。」


そう言うとアフィスは自分の持っていたカバンから一冊の本を取り出すと、ページをめくり、真ん中のあたりでめくる手を止め、俺に見せてきた。


=========================


 ”契約違反者(ケイヤクヤブリシモノ)


 契約を破るものに与えられるスキル。

 このスキルを持っていると周りのものに契約を保護にされたものとして認識されるようになる。

 信用にマイナス補正。

 相手の契約者に許してもらうことで解除。


=========================


なるほど確かに使い勝手の良い魔法だということがよく分かる。

お互いに契約の反故が行えない状態であるならば、とんずらされる心配もないわけだ。

契約書の魔法版ってところか?


「契約をするにしても、あまりにこちらに不利になるようなことは嫌だぞ」


「わかっているよ。契約の内容は僕は君に仲間を準備する。その代わりに君は世界の各地である僕の祠や神殿で祈りを捧げる。これでどう?」


「仲間って…。また漠然としているなぁ。……一応聞くけど、仲間ってどんなのかは___ 」


「ヒ・ミ・ツ♪」


「あっ。さようで…。」


やっぱり教えてはくれないのか。面倒なことでないといいのだけれど。


「ただ君に不利な契約でないことは約束するよ」


「…ならまあいいけど。次の質問。祈るって具体的になにをすればいい。あと、アフィスにどんなメリットがあるんだ」


「メリットっていうか、ただ寂しいからたまに会いに来てくれないかなって話なんだよ。裏がないことは神に誓って、あー、いや、アルカナを管理する女神に一人として約束する。祈るときはなにか地上の美味しいものを持ってきてくれると嬉しいな。ああ、もちろん君の作ったものでもいいよ。お茶はこっちで準備するから。……やっぱりだめかな?」


おそらく、必ず嘘ではないということを言いたいのだろう。それは伝わるのだが、少しうつむいて苦笑しながら言わないでほしい。とても心が痛む。


「いや、それぐらいなら構わないよ。というよりなんかごめん。まさか、泣きそうになるなんて思っていなくって」


「えっ。いいの?ありがとう!!それより、私はべつに泣きそうになんかなっていないよ!!」


そのセリフは鏡を見てから言ってほしい。誰が見ても分かるぐらい目元が赤くなっているから。


「…おホン。とにかく、契約成立ってことでいいのかな。」


目の周りをこすってから話す様子は少し可愛かった。



_________________________



「さぁ、”契約”を始めるよ」


幽霊の俺に対して無言できれいに腹パンを決めたアフィスはそう言うと目の前に球体を作り出す。なんで幽霊に腹パンができるの?と疑問に思いながら俺は起き上がる。ちなみに、アフィスの目元はもう赤くない。


「……理不尽だ…」


「早く立って?”契約”しよう?」


そう言うとアフィスは魔法で俺を無理やり立たせた。

こいつ鬼か?


「残念。神様です」


「知ってるよ!!腹パンされたところがまだ痛いから丸まってるほうが楽だったんだよ!!」


「そんなことはどうでもいいから、”契約”しよう?」


「チクショウ…。いつか仕返ししてやる」


「やれるもんなら、やってみなっ」


こ…コイツ…。

グダグダしたまま、俺は魔法の球体の前まで行き、アフィスと同じように手をかざす。


「「__契約。我らは互いに交わした約束を守ることをこの世界と神々に誓う。この契約は永久(とわ)に守られるものであるとここに誓おう」」


そう言った瞬間左手が光りだす。何かの紋章を思わせる何かはそのまま左手の中に入っていき、消えた。



   《称号》 『神と契約せしもの』 を獲得しました。


   今後、得られる能力値にプラス補正がかかります。



ん?能力値にプラス補正ってどういうことだ?


「精霊や神と契約したときはその契約した者に対して恩恵が入るんだよ。私の場合はレベルが上がるときに敏捷に大、魔力に中の補正がかかるよ。」


「え…。なにそれ。強すぎだろ。」


「えへへ。すごいでしょう!私は神様だからね!」


……ちょっとうざい。


「…まぁ、助かることには変わりないからな。ありがたく恩恵に預かる」


「ん!ありがたく恩恵に預かりたまえ。それで転生してもらうわけだけど、0歳から始めるか、一応成人とされている、15歳から始めるか、どっちがいい?」


「………。おしめ替えられたり母乳を飲ませてもらうのはちょっと堪えるし、成人からにしようかな。」


俺は押し目を変えられる自分を想像し苦笑いを作る。


「了解。あぁそれと、”契約”で言っていた仲間は、まだ出会わないようになっているから。君が向こうで慣れたときにでも、教会で一応信託としてどこに行けばいいかを教えるよ」


「ふーん。まっお前のことを信じているよ。アフィス」


「うん。任せて!あと、名前はどうする?変えるかい?」


「いや、できればこのままがいいんだけど。駄目かな?」


一応今まで使ってきた名前だから愛着もあるしな。


「別に大丈夫だと思うけど、偽名は準備しておいたほうがいいかもね。」


「わかった」


「じゃあ、名残惜しいところだけどそろそろ転生しようか」


「了解よろしく頼む」


「転生したときに最低限必要なものも一緒に送っておくよ」


「助かる。じゃあな。今度は教会で」


「うん。それじゃ」


「「またね(な)______ 」」


それと同時に俺は光の中へと消えていった。



子供からの転生か悩みましたが、成人からにしました。今後、睦月がどんな冒険をしていくのか、見ていただければ幸いです。

次回、できれば戦闘を入れたいなと思っております。

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