〜歯車は突然に〜
「あの人がこの高校に通ってると分かってから学校のホームページを見てたら…一発で見つけれたんだよねえ…」
自室のパソコンを睨むように見ながらそうこぼす
吉田サラがストーカー紛いの行動をしてまで気になった人の名前は”田中ユウト”ーー運動会の写真だろうかーー学校のホームページ一面に映った笑顔の横に名前が書いていた
「副生徒会長でイケメンで面白くて性格も凄く良い…嫌味なくらい優等生じゃないの…」
副生徒会長という立場の為、一般生徒より多く写真を撮られており少し集めればあれやこれやと出てくる「助けてもらった」「カッコイイのにとっても気さくな人」「天然のドジっ子」「笑顔に癒される」との噂話
「それだけ良い人で、こんだけかっこよかったら…彼女もいるよねぇー…はー…」
彼の隣に必ずいる黒髪ロングの綺麗な女性”山本リオ”生徒会長をしており、写真に写る際は田中ユウトと腕を組んで撮られている事から公然の事実なのだろう
「こんなに綺麗な人に勝てるわけないじゃん…」
写真越しでも分かるサラサラな黒髪、切れ長の涼し気な眼差し、色白で唇は艶やかな桜色、華奢な体付きなのに胸は大きく現代の大和撫子とも呼ばれている
「私だってそこそこ可愛い自信あったけどここまで系統の違う可愛さだと比べれないわ…」
学校のホームページを消し、ネットサーフィンを始める吉田サラ
「なんか恋が上手くいく情報とかないかな〜…なんてねーあっはっは。」
から笑しながら画面を進めていると
「…ん?なにこれ?…『恋に悩む地球人よ!このサイトを開くがいい!』…はあ?」
白い背景にピンクの文字でそう書かれ怪しく点滅する広告
「ここまで怪し過ぎると逆に信じちゃいそうね…よし!女は度胸!」
そう言って、エンターキーを押した、すると
「…えっなに!?きゃあああああっ!!!!」
パソコンの画面から目が焼けると思うぐらいの光が溢れ出し
吉田サラはその場から消えた
キュピーン(謎の光の効果音)