退屈な日常の終わり
教室の喧騒が耳に入る。
クラスメイトは昨日のテレビの内容や午後の授業のことなど他愛のないことを話している。
いつも通り退屈な日常だ。
とても、とても退屈な僕の日々。
毎日が毎日同じようなことの繰り返しで、それこそタイムリープでもしてるんじゃないか?と疑うほどのものだ。
代わり映えのないものほど退屈なことは無い。
「はぁ…何か…面白いことでも起きないかな……。」
ため息をはいて机へと突っ伏し。
僕はなんとなく、そう、ただなんとなく、そう呟いた、その直後。
ブシュン
聞き慣れないような音が響き渡ると同時に赤い液体が降りかかってくる。
「…え…?」
視界を上げると僕の前に立っていたはずのクラスメイトの首から上が消えていて、赤い液体即ち血が大量に吹き出している。
突然の出来事に僕は悲鳴を出す事さえ出来ずにただ狼狽える。周りのクラスメイトも何が起きたか理解出来ていないようだ。
そんな静かな教室の中、透き通った声が教室へと響いた。
声のした方へと目を向けると、そこには白い髪、白い翼を背中から生やした美少女が机の上へと立っている。
「レディース、アーンド、ジェントルマーン!
やぁやぁ君たち!ご機嫌はいかが?
平和な日常の中、突然お友達の頭が吹き飛んでしまう!そんな僕のとってもユニークなドッキリ楽しんでもらえたかな?
さて、つかみもしっかりと出来たことだ。改めて全員になってもらって、僕の自己紹介を始めようか!」
そう言って美少女が指を鳴らすと、首から上が消えたはずの彼女の体が光り、元のように戻った。
「よし!これで準備完了だね!それじゃあみんな!今からチュートリアルを始めよう♪」
両手を広げてそういった美少女はとびっきりの笑顔なはずなのにどこか不気味だった。