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天。
「・・・シバ・・・国はいつ、傾く?」
そう訊ねたモアはシバの胸にぴったりとくっつき灰色の瞳を閉じていた。
「さぁ~・・・いつだろうな? それは明日かも知れないし・・・明後日かも知れない。または一年後かも知れないし・・・十年後かも知れない。いや、もしかしたら百年・・・千年後かも知れないな~」
そう言って豪快に笑うシバにモアは『もう・・・』と言いつつも柔らかい笑みを滲ませていた。
「・・・できるだけ長く・・・生きて」
そう言ったモアの声は僅かに震えていた。
神獣と呼ばれ導と呼ばれてもまだその姿は幼い。
モアのその幼い姿は心と密接している。
モアはまだまだ未熟だ。
「生きて・・・か・・・。お前にそう言われちゃ生きないとな」
そう言ってシバは空を見上げていた。
見上げた空は宵闇色をしていたが無数の眩い星に彩られていた。
星の数だけ人には願いがある。
それは小さいものから大きなものまで・・・。
シバは空に願っていた。
ずっと一つのことを・・・。
そして、その願いは叶った・・・。
瑠璃緑の大翼は今日も天に舞う・・・。