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蒼天に舞うは瑠璃緑の大翼。  作者: 小鳥遊 雪都
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瑠璃緑の影。

灼熱の日射しが昼夜を問わず人を焼き、獣を焼き、鳥を焼き、虫を焼き、植物を焼いていた・・・。

水は干上がり、水の干上がった川には何の血ともわからぬ血が流れ、本来ならば極楽鳥花ごくらくちょうかの浮かぶ彩海さいかいには多くの生きていたモノたちの残骸が虚しく浮いていた・・・。


人々ははじめ、希望を胸に救いの言葉を口にしていた。


『早く新王しんおうを・・・』と・・・。


しかし、人々は次第に絶望を口にしはじめていた。


『早く死を・・・』と・・・。


そんな中、一人の若者だけが希望を胸に国の先を見据えていた。

絶望に屈しないその心は気高く、強かったが骨と皮だけのその姿は例えようがないほどにみすぼらしかった。


若者は今にも息絶えそうなその絶望的な状況にも関わらず血色の空を見上げ、笑んでいた。

その血色の空を見上げ続けて一体、どれ程の歳月が過ぎ去ったかはわからない。

そんな時だった。

東の空に瑠璃緑るりりょくの美しい光輝く大きな影が現れた。

若者はその瑠璃緑るりりょくの美しい光輝く影に真っ直ぐに手を伸ばした。

若者に手を伸ばされた瑠璃緑るりりょくの影はそっと若者に問うた。

若者は瑠璃緑るりりょくの影の問いに応えた。

瑠璃緑るりりょくの影は若者を背に乗せると血色の空に飛び立ち、血色の空を駆けるとそのおぞましい血色の空を美しい蒼色の空へと変えていった・・・。


パタリ・・・パタリ・・・。


瑠璃緑るりりょくの大翼が羽ばたく度に大粒の雨粒が生まれた。

その雨粒は渇ききった大地を叩き、濡らし、潤した。

瑠璃緑るりりょくの影が鳴く度に植物は芽吹き、どこからともなくやって来た鳥たちは美しい蒼空を駆け巡った。

蒼天に七色の橋が掛かると人々は皆、涙を流しつつ空を見上げていた。

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