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「いい返事を聞けて安心しました。ルークは押しが弱いからセシル姫に逃げられるのではと心配していました。

 セシル姫、私からも喜ばしいお知らせがあります。


 リリー姫が結婚を前提にお付き合いをしてくださることになりました。できれば近いうちに婚約発表をしたいです。今夜は叔父上の大切な日なので、また日を改めてしいますが」


「えっ! リリー?」


 リリーが真っ赤な顔をしている。いつの間にそんな話になったのだろう。


「セーちゃん。ディー。喜んでくれる?」


「どうして? どうしてそんなことになったの? リリーは一度だって、ノエールさまのことを気になっているって話したことないじゃない! それなのに結婚なんて! リリー、どうして? 一目惚れなんて返事をしても信じないわよ!」


 いままでずっと一緒で、セシルはリリーのことを何でも知っていると自負してた……。


「えとね、私、ミチル国に行きたくないの」


 セシルは自分のことでいっぱいでリリーとミチル国のことを頭の隅に追いやっていた。いくらリリーがセイズ国王族になっても、ミチル国第一王位王位継承者だ。


「私、絶対にミチル国へ行きたくない。ノエールさまが私を守ってくれるって。お母さんもセーちゃんのこともディーやじーじのことも全員のことを守ってくれるって」


 リリーがセシルの手を握った。


「リリー。ミチル王やタイラさまがわたくしたちのことを守ってくれるよ」


「うん。それは分かっているわ。でももっと確実にセーちゃんを守って貰わないといけないの」


 リリーはミチルへ行きたくないと言いつつ、本当はセシルのことを心配しているのだ。セシルが緑の民だから。


「リリー……」


「セシル姫。私はどうやら恋に関して弟と似てしまったようで、一目惚れしてしまいました」


 ノエールさまがリリーの肩を抱き寄せた。その途端リリーの顔が真っ赤になった。リリーはノエールに触れられて安心した柔らかい顔を浮かべた。


「ノエール殿下。リリーを守ってください」


 隣にいたディランが言った。


「もちろん。じゃないとお前に殺されるだろう?」


 と、ノエールさまがディランに物騒なことを言いながら微笑んだ。ノエールさまとディランのカップリングが久しぶりに萌を刺激する場面なのにトキメかない。


「セーちゃん。私もお母さんと一緒で、ルネンさまとラング王のようになりたいの。セーちゃんが話をしてくれたヒロインになりたいの。

 それにノエールさまは優しくて、セーちゃんがよく言う白馬の王子さまにそっくりなの」


「ちょっと、リリー。白馬の王子なんて物語にしかいないって言ったでしょ」


「ノエールさまは王子さまよ」


 やばい。男性と接触のなかたリリーは純粋培養された箱入りのお嬢さまだ。傍ら大国の第一王太子。欲望渦巻く王宮の権力争いのなかで、こんなに爽やかにいられるノエールさまはある意味、腹黒い。


(ギャー、腹黒い俺さま×無菌培養されたお嬢さま。ダメー。なんでリリーなの! なんで男なんて周りにたくさんいるでしょう!)


 心の声を叫びたいけれど、顔を赤くしながらノエールさまとイチャイチャしているリリーになにも言えない。


「セシル姫さま。リリーのことを大切にしますので安心してください」


 と柔らかい顔で言った。どんなにノエールさまを悪者にしようとしても、出会ってからずっとノエールさまはいい人だった。俺さまでもない。もしかしたらセシルが知らないだけで俺さまかもしれないけれど、リリーがあんなに可愛い顔でノエールさまを見ていたら、二人を祝福するしかなかった。


 そして純粋に好きと言う感情だけでノエールさまとお付き合いを決心できるリリーのことを羨ましいと思った。


 きっとリリーは自分が将来大国の王妃になる意味をきちんと分かっていない。でも、努力家で優しいリリーはよい王妃になるだろう。


 いつの間にかリリーが自分の元から離れることに寂しい自分がいた。いつも一緒にいたリンダも、もうセシルがいなくてもいい。


「ディー」


 ディランがセシルの手を握った。


「リリー、おめでとう。ノエールさま、リリーを大切にしてください」


「もちろんだ」


 ノエールさまとルークが似ていないとどうしてそんなことを思ったんだろう。二人の浮かべる微笑みが優しくて綺麗だった。




 リリーとノエールさまの反対側のソファーに座り穏やかな談話をしながら陛下たちを待った。


 間を置かずタイラさまとリンダが来た。リンダはエーライン型の淡い赤いドレスを着ていた。もちろんとーさまの贈り物のティアラと宝石を付けている。タイラさまの宝石もリンダに合わせてルビーとダイヤモンドだ。

 体格の大きいタイラさまの横にいると、リンダが小さくてさらに可愛く見える。


 リンダとリリーは姉妹と言ってもみんな信じるよ。


 こんな可愛い妖精を見て「年増」と文句を言う人はいないね。

 今夜の二人の婚約発表の後、多くの人たちがセシルたちに悪意を向けるだろう。タイラさまやノエールさまがリンダとリリーを守ってくれると信じている。


「やはり私の娘たちは美しい」


 タイラさまが言った。


「まあセシル姫とリリー姫の母親が女神のように愛らしいから、二人が美しいは自然なことだ。ノエール、今夜はリリー姫のエスコートを許したが、うちの娘は嫁に出さん」


 リリーとセシルはポカーンとタイラさまを見ていることしかできない。


(なにこの人言っているの?)


 タイラさまはリンダと婚姻して頭のネジが一本抜けたらしい。


 でもリンダが顔を真っ赤にさせながらタイラさまに寄り添っている姿を見て、「よかった」と思った。あの男性恐怖症だったリンダがタイラさまに触れられて平気にしていて、幸せに微笑んでいる。


「叔父上、リンダ叔母さま、今宵はおめでとうございます。いまは叔父上と叔母さまと呼びますが、私とリリー姫が結婚した暁にはお義父さまとお義母さまと呼ばせていただきます」


「うちの可愛い娘を嫁に出さん!」


 ノエールさまとタイラさまの間に火花が飛びかった。


 そんな二人が目に入っていないようにリンダとリリーはキャピキャピとドレスについて話ている。セシルも久しぶりに二人と会話を楽しんだ。

リリーとノエールの話は本編が終えたら、気力があれば、書きたいです。とりあえず本編完結できるようにしたいです。いつも読んでくださって感謝しています。

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