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 夜這いをしそうな叔父上を見張りながら眠ったから寝不足だ。セシルをはじめあの女たちは、男たちを狂わす薬草を持っているのかもしれない。


 セイズにいるルークや叔父上を知っている家族や友人たちが、今の二人を見たら驚くに違いない。もちろん叔父上の場合は恋に狂っている様子で、ルークの場合は弱い女や子どもに対しての忍耐強さを持ったことだ。

 

 セシルといて何度自分の忍耐強さを感じたことか。本当にセシルは意味不明な行動をし言葉を話す。こっちが一生懸命理解しようと努力しているのに、質問する度に睨まれる。

 でも上目使いで睨む姿をかわいいと思ったのは、きっとここ数日の寝不足が原因だろう。


 今日も律儀に届けられた護衛のテルの報告書を読む。ほとんど流し読みで深く考えないようにする。と念じて見てみる。


「はじめての外出で三人ともかなり疲れていた様子で、お風呂に入った後にすぐに床にお着きになりました。

 殿下たちが去った後に、セシルさまが『野獣攻め、王族受け、びーえるかんのーしょーせつ第一段』などという呪文を唱えていました。

 私たちの中にセシルさまの呪文を理解できた者は誰もいませんでしたが、リンダさまたちも『姫さまのいつものくせです』といってあまり気にされた様子じゃなかったので、あまり深い意味はないのでしょう。


 お風呂の用意をディランド殿がしていて、セシルさまが『ただぼーと突っ立ているセイズ騎士たちより、やっぱりか弱い乙女たちを手伝うディーの方が立派な騎士だよね! セイズ騎士は上司にそっくりで使えないわ!』といった後に『黒軍服モフモフ騎士団乱交祭り』とつぶやきニヤニヤした顔をしていました。

 やはり私たちも家事を手伝うべきですか?


 セシルさまたちは、また三人で一緒に風呂に入り、『おっぱいモミモミ』『もー、姫さま、人のおっぱい揉まないでください! これ以上大きくなったら肩こりがひどくなるわ!』『おっぱいモミモミは大事なんだよ。しこりという恐ろしい病気が発生する前に発見するために、おっぱいモミモミしているの』と会話していました。


 『しこり』の意味がわかりませんでしたが、後一週間で私もかわいい妻のおっぱいモミモミをするまでこの忍耐修行に耐えてみます。


 今朝は『パンケーキ』という砂糖が入っていないのに柔らかくておいしい朝食を食べました。温かいパンケーキに解けたバターの上にシロップという木の蜜をかけて食べました。ラング人は天上人かもしれません。

 ハチミツやシロップを嫁にお土産に持って帰ったら、妻は喜んで私におっぱいモミモミを何度もさせてくれると確信しております。だから今日の午後二時間ほど休みをください。仲間の分もハチミツとシロップを買いに街へ行きたいと思います。

 なんでしたら殿下の分も購入してきますがどうしますか?


 幸いにセシルさまたちは、今日は後宮で後片付けと荷造りで外出はなされないといっていました。


 この報告書と同じものをタイラさまへ提出しました。 テル」


「……レイ、叔父上の護衛騎士を増やした方がいいかもしれない」


「そ、それは。今朝10人お付けしましたが、またなにかありましたか? 失礼」


 レイがルークが机に投げつけた報告書を手に取る。


「くっ、くっ、クーー。ひゃあっはっっは。し、しつれい。っておもしろい! あの姫さまたち、絶対おかしー。はっはっっは」


 レイが眼鏡を外して涙を拭いて、笑っての繰り返しをする。セシルがおとなしくしているなんてできるのか? 朝から胃が痛い。


『コンコン』

「失礼します! タイラ閣下付きの者です!」


「入れ」


 汗を拭く暇もなく話始める叔父上につけた部下を見る。


「セシル姫さまの護衛テルさまの報告書を読んだタイラ閣下が『リンダーーーー!! 私もおっぱいモミモミしたいーー』とお叫びになり執務室から飛び出しそうになったのを、部屋にいた全員でとりおさえています。

 後どれくらい時間がもつかわかりません」


「……はあ……」

 なぜこの年で叔父上の面倒をみないといけなくなったのだろうか……。騎士団学科の卒業実習でいままでにない大掛かりな任務だとはりきっていたが、実際は叔父上と女たちのおもり。

 ふとラング国第2都市へ遠征した第2部隊のことを思い出す。まああちらは近郊へ国の合併を伝えるだけの任務だ。


「叔父上に『結婚前の女性に不埒な好意をするとリンダに嫌われるを越して存在を抹殺される』、と伝えろ。あっ、それと。『仕事をしっかりしてデキる有能な男の印象を植え付けるとリンダの好意度が上がる』と伝えろ。もしそれでも落ち着かなかったらまた報告に来い」

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